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真姫「六月」冬海「六日は」穂乃果「楽器の日」リリ「なのだ!」
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0001名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (6段) (ガラプー KK0e-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 19:02:20.49ID:ELuowh7EK
【四月・音楽室】

\ダイスキダ バンザーイ♪/

?(綺麗な歌声…ピアノは力強くて、それでいて繊細で…不器用な優しさを感じるような)

真姫「前向いてー♪」ポロロン

「…ブラボー」パチパチパチ

真姫「ヴェぇ…あ、あなた…いつからいたの?」

「す、すみません…隠れてたわけじゃないんですけど」

真姫「わかってるわよ。…吹奏楽部?」

「い、いえ。部活とかには入ってなくて…それより」

真姫(一年生…同じクラスの子ね。名前は知らないけど)

「あの、すごく素敵でした…今の演奏。誰かのピアノを聴いて、こんな気持ちになるなんて…」

真姫「ヴェ、別に…どういう気持ち?」

「うまく言えないんですけど…楽しそうに弾いてたから。なんだか、わくわくする…感じ?」

真姫「ふーん…あなたも楽器やるんでしょ?」

「は、はい。クラリネットを…」

真姫「管楽器って大変よね。ピアノと違って呼吸が直接、音に関わってるから…」

「でも、みんな小学校の頃からリコーダーとかやるじゃないですか」

真姫「リコーダーは誰が吹いても音が出るじゃない。小学生でも練習すればそれなりに聴けるレベルになるし」

「そうですね…あ、あの…」

真姫「なに?」

「わ、私…冬海笙子っていいます」

真姫「西木野真姫」

冬海「西木野さん…は、ピアノ以外の楽器もできたりしますか?…たとえばヴァイオリンとか…」

真姫「一応、少しはできるけど…なんでヴァイオリン?」

冬海「い、いえ…赤い髪を見てたら、何となく…そんな気がして」

真姫「よくわからないけど…まあ、ピアノほどは弾けないわよ。意識して持ち歩かないと弾く機会がないじゃない」

「もったいないのだー!才能は活かすべきなのだ!」

真姫「!?」

冬海「あ。リリちゃん…」

真姫「な、なに?今の声は…誰かいるの?」
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0003名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 19:03:27.41ID:ELuowh7EK
「我輩はさっきからここにいるのだ。気づかなかったのか?」キラキラ

真姫「…私、疲れてるのかしら…幻聴に幻覚まで見えるなんて」

リリ「幻聴でも幻覚でもないのだ。お前にはファータの姿が見える。お前の音色が我輩を呼び寄せたのだ」

冬海「西木野さんにもリリちゃんが見えるんですね。私だけじゃなかったんだ…」

真姫(…変な夢でも見てるのかしら?小さな妖精みたいなのが見える…)

真姫「…で、何者なの?…それ」

リリ「それとは何だ、失礼な。我輩はアルジェントのリリなのだ!」

真姫「あるじぇんと?」

冬海「リリちゃんはファータっていう、音楽の妖精なんですって。誰にでも見えるわけじゃなくて、ほとんどの人にはファータが見えないみたい」

真姫「信じ難い話ね…まあ、音ノ木坂が音楽に関わりの深い学校ってことは知ってたけど」

リリ「新しく音ノ木坂エリアの担当になったのだが、我輩が見える人間が少なくて苦労しているのだ…これでやっと二人なのだ」

真姫「妖精が見えて得することも無さそうだけど…冬海さんがいなかったら一人で喋ってて変な目で見られそう」

冬海「そ、そうですね…そこは気をつけたほうがいいかも」

リリ「得ならあるぞ!西木野真姫。これをお前にやろう!」キラキラ

真姫「…ヴァイオリン?」

リリ「ただのヴァイオリンではないぞ。我輩の力と想いをこめた魔法のヴァイオリンなのだ」

(※『ラブライブ!』×『金色のコルダ』)

真姫「魔法ねえ…別に、ピアノがあるからいらないけど」

リリ「で、でもこれがあればピアノがない場所でも音楽ができるのだぞ。いつも持ち歩いていれば…」

冬海「私も、聴いてみたいです…西木野さんのヴァイオリン」

真姫「ふーん…まあ、くれるっていうならもらっておくわ。安い物じゃないし…ありがと」

リリ「うむ。どんどん練習して、いい音楽を聴かせてくれ。期待しているぞ!」

キラキラ

真姫「…消えた」

冬海「ファータは普段は魔法で姿を隠してるんですよ。リリちゃん以外にも、音楽に馴染みの深い土地ほどたくさんの妖精がいるみたい」

真姫「あれがたくさんいる…想像できないわね」

冬海「ふふふ…あ、そうだ。せっかくだから、一緒にやりませんか?」

真姫「一緒に?…合奏?」

冬海「はい。西木野さんの演奏を聴いて、私も一緒にクラリネットを吹きたいなって…ダメですか?」
0004名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 19:06:14.05ID:ELuowh7EK
真姫「ダメじゃないわよ。楽器やるために音楽室に来たんでしょ?」

冬海「は、はい」

真姫「じゃあ私が伴奏してあげる。曲は?」ポロロン

冬海「あ、あのー。ピアノもいいんですけど、その…」

真姫「…ああ、ヴァイオリン?」

冬海「はい。私は弾けないし…だから」

真姫「さっきも言ったけど、ピアノほど何でも弾けるわけじゃないわよ?」

リリ「練習すれば大丈夫なのだ。我輩自慢の魔法のヴァイオリンだからな。初めての曲も一日で少しは弾けるようになるはずなのだ」

真姫「い、いきなり出てこないでよ…あれ、もうこんな時間?」

冬海「放課後はリリちゃんが出てくると5分経過するんです。50分練習したつもりでも、最後にリリちゃんが出てくると55分」

真姫「イミワカンナイ…」

キーンコーンカーン…

冬海「あ、あの…よかったら連絡先を…」

真姫「…ガラケー?」

冬海「は、はい。スマホってよくわからなくて…あまり使うことも無さそうだし」

真姫(もしかして、あの妖精以外に友達がいないとか…ま、人のこと言えないけど)

真姫「ん、ありがと。何かあったら気軽に呼んで」

冬海(これで、お友達…だよね?///)ドキドキ

【西木野邸】

真姫「ふー」チャプ

『私も、聴いてみたいです…西木野さんのヴァイオリン』


真姫(魔法のヴァイオリン、ねえ…やっぱり信じ難い話だけど)

『なんだか、わくわくする…感じ?』
『せっかくだから、一緒にやりませんか?』

真姫(あの子の期待に応えられるなら…悪くないかも)

『すごく素敵でした…今の演奏。誰かのピアノを聴いて、こんな気持ちになるなんて…』

真姫「…///」

パタン

真姫「…よし」
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2018/06/06(水) 19:09:02.09ID:ELuowh7EK
【翌日】

穂乃果「今日もパンが…♪」ドン

穂乃果「わ」
冬海「きゃ」

ドサドサ

穂乃果「あ…ごめんね。大丈夫?」

冬海「い、いえ。私こそ、すみません…」

冬海(ぶつかった先輩は、たくさんのパンを抱えてて…)

冬海「あ、あの…これ買い取ります。いくらですか?」

穂乃果「いやいや、大丈夫だよ。袋に入ってるんだし…中身は無事でしょ?」

冬海「でも…本当にごめんなさい」ペコ

穂乃果「気にしないで。そうだ、よかったら一緒に食べない?」

冬海「えっ」

穂乃果「そのカツサンド、おすすめだよ。すっごく美味しいんだ♪」

冬海「は、はあ」

穂乃果「っと、いけない…はい、これ。楽器…だよね?」

冬海「はい。クラリネットです…先輩も楽器を?」

穂乃果「うん。私はトランペット。まあレパートリーは少ないけどね」

冬海(昔は音楽学校だったという音ノ木坂だけど、今は生徒数が激減…私たち一年生は1クラスしかないし、楽器をやってる人も少ないみたい)

パラパパー パララパラパパパー♪

冬海「お上手ですね。知らない曲だけど…」

穂乃果「ありがと。エヘヘ…これゲームの曲なんだ」

リリ「“優しい愛の歌”を吹けるとは…見かけによらず上級者だな!?」

冬海「り、リリちゃん」

穂乃果「!?…な、なに?」

リリ「お前も我輩が見えるのか。これで三人──うわ!?」

穂乃果「シュガー!シュガーなの!?」

リリ「な、何を言ってるのだ?我輩はアルジェントの」
穂乃果「お母さんに教えてあげなくちゃ!」
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2018/06/06(水) 19:15:06.83ID:ELuowh7EK
冬海「せ、先輩?…いったいどうしたんですか?」

穂乃果「ごめん、今日は早退!」バッ

冬海「ええっ!?」

リリ「な、なにをする!離すのだーっ><」

冬海「あっ、先輩…行っちゃった」

タタタ…

【高坂家】

穂乃果「雪使いじゃないんだ?…じゃあ、雨とか太陽とか」

リリ「ち・が・う!我輩はアルジェント!音楽の妖精、ファータという種族なのだ」

ほの母「大丈夫?…穂乃果が早退なんて、やっぱり熱でもあるんじゃ…」

穂乃果「い、いや妖精がね…」

リリ「たぶん見えてないと思うのだ。ほとんどの人間には我輩たちの姿は見えない」

穂乃果「…そっか」

パタン

リリ「お前と、さっき一緒にいた冬海笙子。それに、もうひとり一年生がいる。今のところ音ノ木坂では我輩の姿が見えるのは三人だけだ」

穂乃果「あのクラリネットの子?」

リリ「うむ。お前と同じ資格をもつ者なのだ」

穂乃果(冬海笙子さんかぁ…仲良くなったほうがいろいろ良さそうかな?)

【生徒会室】

希「…来ないなぁ」

絵里「誰か待ってるの?」

希「い、いや別に…ほら、一年生も入ってきたことやし部活関連の申請とかあるやろ?」

絵里「ふーん…?」

希(何やろ…今年は今までとは違う、スピリチュアルな気配を感じるん)
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2018/06/06(水) 19:16:32.27ID:ELuowh7EK
【音楽室】

真姫「トランペット?」

冬海「はい。その先輩にもリリちゃんが見えて…そのまま連れて帰っちゃったみたいです」

真姫「じゃあ私たち以外にも見える人がいたのね」

冬海「まだ名前も知らない先輩だけど…きっとすぐわかるような気がします」

真姫「そんなに目立つ先輩なの?」

冬海「見た目は決して派手じゃないと思います…でも明るくて元気で、キラキラしてて…何ていうか、放っておいても声をかけてくれそうな」

真姫(人懐っこいタイプ?…私とは真逆ね)

アーーーヴェマリーィアー♪

真姫(あまり自信のないヴァイオリンだけど…冬海さんのクラリネットが加わると不思議と安定っていうか、安心感があるわね)

冬海「ブラボー♪」パチパチ

真姫「冬海さんのクラリネットも良かったわよ。もしかして何かのコンクールに出てたりする?」

冬海「は、はい。一応…でも私、いつも緊張しちゃって…コンクールとか苦手なんです」

真姫(私は冬海さんと合わせたことでリラックスして弾けたと思う。…でも緊張があったほうがいいかどうかは人によるのかも)

サーソウー ゴートークー キーエーユーケーバー♪

【穂むら】

穂乃果「ことりちゃん。どうしたの?」

ことり「どうしたのって…穂乃果ちゃんが急に早退したっていうから。体調でも悪いのかなって」

穂乃果「あー、ゴメン。いや別にどこも悪くないんだけどね」

ことり「そうなんだ?それならいいけど…海未ちゃんも心配してたよ」

雪穂「お姉ちゃんはただのサボりでしょ」

穂乃果「違うよー!ただ、どうしてもお母さんに…」

雪穂「まだ廃校の件で何かしようと思ってるの?」

穂乃果「当たり前だよ。このまま何もしないわけにはいかないもん!」

ことり「海未ちゃんは今日は部活だから、明日また三人で相談しようよ」

穂乃果「あー。うん…どうしようかな」

ことり「穂乃果ちゃん、何か予定があるの?」

穂乃果「ちょっとね」
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2018/06/06(水) 19:19:28.39ID:ELuowh7EK
【翌朝・秋葉原】

真姫「行くわよ!」

冬海「は、はい」

ドタバタ

真姫「いないわね…ホントにここなの!?音ノ木坂エリアって言ってたじゃない!」

リリ「時間切れなのだ」

冬海「…」ゼーハー

真姫(曲を練習したあと、数秒間だけリリ以外の妖精の姿が見えるらしい。その妖精を捕まえて特別な楽譜を手に入れないと魔法のヴァイオリンの効果は発揮されないとか…)

真姫「まったく…なんでこんなややこしいルールなの!?」

リリ「仕方ないのだ。魔法も万能ではないのだ」

真姫(またやり直し…今度こそ)

タタタ…ドン

冬海「きゃ」
穂乃果「わぁ!?」

真姫「もう、なんでそんなところに立ってるのよ!…大丈夫?冬海さん」

冬海「ご、ごめんなさい…」

穂乃果「冬海さん?…あ、ホントだ」

冬海「あ。昨日の…カツサンドの先輩」

真姫「カツサンド?」

冬海「い、いえ。お名前を聞いてなかったので…あれ?でも先輩、私の名前…」

穂乃果「リリちゃんから聞いたの。冬海笙子さん…だよね?」

真姫「!…あなたもファータが見えるってこと?」

リリ「その通りなのだ」

穂乃果「あなたも見えるんでしょ?ヴァイオリン弾くんだね。私、高坂穂乃果」

真姫「…西木野真姫(なるほど。この人が冬海さんの言ってた…)」

穂乃果「ちょうどよかった。三人いれば何とかなるよね!」

冬海「えっ」
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2018/06/06(水) 19:25:06.72ID:ELuowh7EK
【音ノ木坂】

真姫「オコトワリシマス!」

穂乃果「な、なんで?」

真姫「できるわけないでしょ。たった三人でオケ部なんて…楽器だって全然足りないし」

冬海「この学校、人数少ないから難しいと思います…」

穂乃果「でも廃校を阻止するにはそれが一番いい方法だと思わない?せっかくファータが見える人が集まったんだし」

真姫「ファータの力で何とかなるなら、そもそも廃校って話にならないでしょ」

穂乃果「ファータだけでも私たちだけでも無理かもしれないけど、力を合わせれば…」

冬海「でも…先輩は三人で何をするつもりなんですか?」

穂乃果「えーと…とりあえず三人で練習して、ライブ?」

冬海「ら、ライブ!?」

真姫「軽音部じゃあるまいし、そんなことで人が集まるの?」

穂乃果「それは…人気が出なきゃだけど」

冬海「高坂先輩のトランペット…私は好きですよ」

穂乃果「あ、ありがと冬海さん。一緒にやってくれる!?」

真姫「…」ハァ

真姫(ま、私はちゃんと聴いたことないし…高坂先輩のトランペットがどの程度なのか一応聴いてみるか)

パパッパ パラララッパ…

真姫「…ダメね」

穂乃果「え」

冬海「あの…先輩はその曲、どういうイメージで吹いてますか?」

穂乃果「えーと…空を自由に飛び回る小鳥のダンス…だよね?」

『ちゅんちゅん♪(^8^)』

真姫「自由な小鳥っていうのはあくまで比喩よ」

冬海「これは恋のかけひきの曲だと言われているんです」

穂乃果「鳥じゃなくて、コイ?」

真姫「ヤクルト対広島とかそんな話じゃないわよ。恋愛の恋ね」

穂乃果「恋愛…」

真姫「信用できない、気をつけろ。惑わされるな…そんなメッセージが込められてるのよ」

穂乃果「そんなイメージなの!?明るい曲っぽいのに…」
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2018/06/06(水) 19:28:31.57ID:ELuowh7EK
冬海「まあ、恋愛に限らず人間同士のかけひきにはそういうことは避けて通れませんから…」

穂乃果「うーん…私にはまだ難しいかも。やっぱりゲームの曲にしたほうがいいかなぁ」

パララッパー パラララパパパーララー♪

真姫(楽器が増えて3パートになると曲に奥行きができて一気に賑やかになるわね)

冬海(こういう華やかな曲にはトランペットがぴったり。高坂先輩の性格に合ってるのかも)

穂乃果「お父さんがトランペット吹いてて、私も教わったんだ。六歳の頃から吹いてるよ」

真姫「へー」

冬海「あ…私がクラリネット始めたのも確か同じくらいです」

真姫「二人ともベテランね…そういえば芸事は六歳の六月六日から始めるといいっていわれてるのよね」

冬海「そうなんですか?」

穂乃果「666のゾロ目ってそういう意味なの?…なんか呪われたりするやつかと思ってた」

冬海「の、呪い!?」

キーンコーンカーン…

穂乃果「…っていう」

海未「もちろん知っていますよ。私は同学年の子の中では誕生日が遅いので六歳になる前に稽古を始めましたが…」

穂乃果「なーんだ。やっぱり海未ちゃんは知ってるんだ…」

海未「ただ…昔の人が六という数にこだわったのは片手で六を表す際、親指から順に指折り数えると最後に小指を立てて終わることから子が立つ、子供が自立するという縁起話だといわれています」

穂乃果「なんかダジャレみたいだね…」

海未「古来の風習とは得てしてそんなものです。だから六にこだわるより、早く始めたほうが良いと考えるべきなのでしょうね」

【屋上】

リリ「…うーむ」

真姫「なによ?」

リリ「何かが違うのだ…屋外で弾くと音に艶がないというか…」

真姫「悪かったわね。まだ練習不足だから」

リリ「いや、お前は頑張っているのだ。問題があるとしたら魔法のほうかも…」

真姫「未完成なの?このヴァイオリン…」

リリ「あとちょっと、何かを加えたらうまくいきそうなのだ。たとえば…そう、きらめき!」

穂乃果「きらめき…やっぱりシュガー!?」

真姫「…高坂先輩」

リリ「我輩はアルジェント!雪使いではないのだ><」
0017名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 19:36:29.51ID:ELuowh7EK
真姫「きらめきって何なの?」

リリ「言葉通り、輝く何かだとは思うのだが…」

穂乃果「トランペットなら輝くって感じがするけど」

冬海「でも新品のヴァイオリンも綺麗だと思いますよ」

真姫「ヴァイオリンに、きらめき…」

リリ「トランペット…金管楽器…そうか、わかったのだ!」

冬海「リリちゃん、何がわかったの?」

リリ「弦だ。ヴァイオリンの弦!魔法のヴァイオリンには金色のコルダが必要なのだ」

ほのまき「金色のコルダ?」

穂乃果「…って何?」

真姫「私に訊かないでよ」

冬海「重いコンダラみたいなものですか?」

ほのまき「えっ」

冬海「あ…い、いえ。これはその、お父さんが…」アタフタ

【生徒会室】

絵里「…これは?」

穂乃果「オーケストラ部、設立の申請書です」

希「三人で…オケ部?」

冬海「オケだけにOKしていただければ…なんて」

のぞほのまき「…」

冬海「あ…い、いえ。すみません…私、ダジャレの練習を」
絵里「あなたたちができるかどうかの問題じゃないわ。部活は同好会でも最低五人は必要なの」

穂乃果「五人…」

希「あと二人やね」

リリ「今こそ作戦を実行するのだ」ヒソヒソ

真姫「ヴェぇ…本当にやるの?」

希「西木野さん?…どうしたん?」

真姫「い、いえっ。何でもありません。失礼します」

パタン

穂乃果「こうなったら、ことりちゃんとミカでも呼んで…いや、ミカよりフミコのほうが楽器できそうかな?」

冬海「高坂先輩ってお友達たくさんいるんですね…いいなぁ」ボソ
0018名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 19:38:55.95ID:ELuowh7EK
【正門前】

真姫「生徒会長」

絵里「西木野さん…なに?」

真姫「お願いがあるんですけど…その、話が長くなりそうなので」

絵里「直接話さないとダメなの?…連絡先を交換しておけば済む話でしょう?」

真姫「今日だけで済ませるので。…ダメですか?」

絵里(すでに送迎の車を待たせていたみたい…)

【西木野邸】

絵里「お、お邪魔します…(要塞?)」

真姫「私の部屋でいいですか?」

絵里「ええ。構わないけど…どれくらい歩くの?」

真姫「すぐですよ。学校の正門から生徒会室よりは近いですから」

絵里(…何度も生徒会室に来るよりは、ここで話したほうが早いってことね)

真姫「適当に座ってください。何だったら私のベッドでもいいですから」

絵里(す、すごいベッド…まるでおとぎ話の世界みたい)

絵里(こういうベッドで寝てみたいかも…)ウズウズ

真姫「何か飲み物でも持ってきます」

絵里「お構いなく…」

パタン

絵里(…ベッド)ソワソワ

【キッチン】

リリ「何してるのだ?西木野真姫!お茶なんて後でいいのだ。せっかくのチャンスなのだぞ?」

真姫「そんな焦らなくても大丈夫よ。髪の毛一本でいいんでしょ?」

リリ「一本でも無いよりマシだが、もっとあれば確実なのだ」

真姫「本当に人の金髪なんて使えるの?すぐ切れそう…」

リリ「そのままでは使えないのだ。材料さえ手に入れば、加工は専門家に任せておけばいい」

真姫「専門家ねえ…(ファータの魔法でってことかしら?)」
0019名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 19:41:09.76ID:ELuowh7EK
【再び真姫の部屋】

絵里(ハラショー♪心地よすぎて眠くなっちゃう…)ゴロン

絵里(このベッドで寝たら、童話のプリンセス…いえ、ゲームの主人公になる夢が見られそう)ワクワク

『エリーチカ…いえ、女王陛下。ボクは誰よりも…あなたとの未来を占ってみたいな』

絵里(ふふ…でも私にもわかるわ。占いはできなくても…)

『カードがウチにそう告げるんや!』

絵里「って、希!?」

真姫「お茶…どうかしました?」

絵里「あ、アハハ…なんでもないわ(寝ぼけてたみたい///)」

真姫「穂むらのお菓子ですけど、よかったらどうぞ」

絵里「ホムラ?」

真姫「神田にある古い和菓子屋です。創業三百年とかいう…」

絵里「三百年!?」

真姫「ええ。江戸時代からあるみたいです。母が時々買ってくるんですよ」

絵里「へー。…あ、ちょっと待って。髪を結び直すから…」

真姫(ベッドで寝てたみたい。気に入ったのかしら?)

絵里「五人揃えばいいとは言い切れないわ」

真姫「オケ部だからですか?確かに楽器は全然足りないですけど…」

絵里「そうじゃなくて…あなたたちの目的がね。廃校を防ぐために誰かを巻き込もうとしているなら…」

真姫「私が言い出したわけじゃないですけど…まあ、高坂先輩なら三人でも続けるつもりでしょうね」

絵里「正規の部活動として認められないといろいろ不利よ。できることが限られてしまう…そんな状態で廃校を防ぐなんて無理だと思わない?」

真姫「私自身は、そこまで廃校阻止にこだわってるわけじゃないですよ。ただ自由に音楽をやりたいだけ」

絵里「そう…だったら、あなたより高坂さんと話をするべきかしら?」

真姫「そうですね。高坂先輩も喜ぶと思います」

絵里「…喜ぶ?」

『生徒会室?…なんで?』

『いや、オケ部始めるなら部活動として登録しないとダメでしょ。音ノ木坂にはそんな部はないんだから』

『そっか。…じゃあ、あの生徒会長さんと話せばいいのかな』

『知り合いなんですか?』

『最近ちょっと話しただけ。でも素敵だよね、生徒会長さん…美人だし♪』
0020名無しで叶える物語(SB-iPhone) (ササクッテロル Sp5b-SNdn [126.233.212.225])
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2018/06/06(水) 19:43:50.45ID:dYi1gLgSp
このカスまた需要のないキモSS書きに来たんか
0022名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 19:48:07.85ID:ELuowh7EK
真姫「…って」

絵里「そ、そう…まあ好意的に見てくれてるなら話もしやすいかしら」

真姫「生徒会長はどうですか?」

絵里「どう…って?」

真姫「得意な楽器ってあります?」

絵里「そこまでは…ギターが少しできるくらいで、あとハープなんて弾いてみたいと思ってるけど」

真姫「みたい?」

絵里「経験はないわよ。残念ながら…」

真姫(オケ部の戦力にはならない…か)

絵里「まさか、楽器ができたらオケ部に誘うつもりだったとか言わないわよね?」

真姫「そのつもりでしたよ。全く面識のない相手よりは声をかけやすいじゃないですか」

絵里「先に言っておくけど、希を誘っても無駄よ。カッコだけで、まともに練習してないんだから」

真姫「のぞみ?」

絵里「副会長の東條希」

真姫「ああ!(そんな名前だったのね)…何か楽器を?」

絵里「サックスよ。私にはどれが何サックスだか見分けがつかないけど…」

真姫(サックスか…まともに吹けるなら他の管楽器も、と思わなくもないけど…無理っぽいわね)

真姫「今日は来てくれてありがとうございました。よかったら、また…」

絵里「そうね…機会があれば。オケ部、頑張って」

真姫「はい」ニコ

絵里(なんだか仲良くなっちゃった…まあ、西木野さんは純粋に音楽が好きってだけみたいだし)

真姫「…二本あったわ」

リリ「何とかなりそうなのだ。明日、職人に渡しに行こう」

真姫「職人?…ヴァイオリンの?」

リリ「いや、錬金術士!」

真姫「れんきんじゅつ?」
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2018/06/06(水) 19:50:06.77ID:ELuowh7EK
【翌日・旧空き教室】

真姫(“コトリのアトリエ”って書かれた看板がある…)

リリ「早く入るのだ」

真姫「はいはい…」コンコン

ことり「はーい。どうぞ」

真姫「失礼します…えーと、あなたが錬金術士…?」

ことり「南ことりです♪」

真姫(なんというか、ぽややんとした感じの…本当にリリが言うような凄い職人なの?)

真姫「…というわけなんですけど」

ことり「そっか。ファータが作った魔法のヴァイオリン…」

真姫「先輩は疑わないんですか?…こんな話」

ことり「んー。私は、ちゃんと楽器ができるわけじゃないから普段はファータが見えないけど…ちょっとズルして見えるようにすることはできるから♪」

真姫(つまりファータの存在は知ってるのね。さすが錬金術士…)

リリ「南ことりも楽器をやればいいのだ。フルートなんて似合いそうなのだ」

真姫「それよりヴァイオリンを…この金髪、使えるんですか?弦の四本分には足りませんけど」

ことり「これがそのまま弦になるわけじゃないから…それに弦だけじゃなく弓にも使うんだよ」

真姫「そっか。弓には馬の尾の毛を使うんだっけ…確か弓ひとつ分で160〜180本くらい?」

冬海「馬だけにヴァイオリンがウマくなるんですね!?」

ことり「えーと…誰?」

真姫「冬海さん…いたの?」

リリ「それより魔法のヴァイオリンなのだ!」

冬海「す、すみません。私のことは気にしないで続けてください…」シクシク

ことり「ん…音ノ木坂を守りたいって気持ちが伝わってくる。いい材料だね」

真姫「それって、生徒会長の気持ち…?」

冬海「あの生徒会長さんが…(綺麗だけどちょっと怖い感じ…って思ってたけど)」

ことり「うん。きっと奇跡を起こせる…最高の魔法に仕上げてみせるよ」

真姫(二本の金髪を弦と弓にそれぞれ使うみたい。どう加工するのかはわからないけど…)
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2018/06/06(水) 19:53:04.81ID:ELuowh7EK
真姫「さて…ヴァイオリンが使えない間はピアノで伴奏でもして、あなたたちの練習に付き合うわ」

穂乃果「ありがと西木野さん。頑張ろうね、冬海さん!」

冬海「は、はい。幸いダンス練習の必要がないので傷をつくらなくて済みますし…」

ほのまき「ダンス?」

冬海「伴奏は必要でもバンソウコウは要りませんね!」

ほのまき「…」

冬海「…」ピポー

穂乃果「あ、あー。私も練習練習…」プパー

パララー♪(タタタタン)パララパララパパーパラララー

真姫「その曲だけ妙に上手いわね」

穂乃果「んー、ゲームがあるから理解しやすいし…世界観や主人公たちの想いとか?」

冬海「曲の世界観を自分自身が体験できるって意味では、いいのかもしれません」

カシャシャ

ほのまき「…ん?」

冬海「あ、あの…?」

「あ。ごめん、ごめん。いきなり写真はマズかったかな?」

穂乃果「っていうか、誰?」

真姫(カメラを持った…二年生ね)

「報道部の天羽菜美です。ちょっと話を聞かせてくれないかな?」

穂乃果「ホウドウ…ああ、煮込みうどんみたいな山梨県の郷土料理」

天羽「それは“ほうとう”」

真姫「ワイルドピッチでしょ」

天羽「それは暴投」

冬海「峰崎部屋の幕内力士“荒鷲”の出身地ですよね。モンゴルの…」

天羽「それはホブド県」

穂乃果「大相撲の取材に行くの?」

天羽「違うから。私たちが扱う情報はあくまで音ノ木坂中心!学院の生徒向けの報道なの」

ほのふゆまき「へー」

穂乃果「報道部なんてあったんだ…音ノ木坂に一年以上いるのに知らなかった」

天羽「あ、そう…」ガクッ
0025名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 20:01:16.60ID:ELuowh7EK
天羽「って、そんなことはどうでもよくて。あなたたちを取材させてほしいのよ」

冬海「わ、私たち…ですか?」

天羽「そう。生徒会に反対されて部活動として認められなくても、たった三人でゲリラ活動を続ける音ノ木坂学院オーケストラ部!これは嵐の予感がするわ!」ワクワク

穂乃果「ゲリラって…まだ何もしてないけど」

真姫「そんな大袈裟な話じゃないですよ。単に人数が足りないから部活動としての条件を満たしてないだけ」

天羽「でも、かりに五人いたところでオケ部として困難な状況に変わりはないでしょ?」

冬海「まあ、そうですけど…」

天羽「そ・こ・で。私たち報道部が根掘り葉掘り…コホン。懇切丁寧に取材して皆にオケ部の窮状を伝える。そうすればオケ部を救いたいと思う有志が続々と現れるって寸法よ」

穂乃果「おおっ!それは助かるかも…」

真姫「そんなにうまくいくと思う?」

冬海「ど、どうなんでしょう…」

天羽「まあまあ。私に任せてよ。私たちだって、自分にできるやり方で音ノ木坂を守りたいと思ってるんだよ」

穂乃果「…そっか」

天羽「…で、どうかな?」

真姫「取材の内容によりますけど…」

天羽「OKってことでいいのかな?」

冬海「オケ部だけに!?」

穂乃果「アハハ…お手やわらかに」

天羽「二年の高坂穂乃果さん。楽器はトランペット」

真姫「荒削りだけど思い切りのいい演奏が魅力ね」

冬海「華やかな曲が似合うと思います」

天羽「ふむふむ。演奏傾向は彩華…と」カキカキ

天羽「次、一年生の冬海笙子さん。楽器はクラリネット」

真姫「きれいで素直な音を出す子ね。技量は私たちの中で一番だと思うわ」

穂乃果「演奏も本人の性格も癒し系だよねー♪」

天羽「なるほど。演奏傾向は清麗…かな」サラサラ

天羽「そして同じく一年生の西木野真姫さん。楽器はヴァイオリン…と、ピアノ?」

真姫「今ちょっとヴァイオリンが使えなくて。もともとピアノのほうが得意なの」

天羽「へー」メモメモ
0026名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 20:05:59.21ID:ELuowh7EK
穂乃果「心にしみるようなグッとくる演奏ができる人だよね」

冬海「ドラマティックな世界観の曲が合うんじゃないでしょうか?」

天羽「リーダーの西木野さんの演奏傾向は愁情…と」キュキュ

真姫「…リーダー?」

天羽「ヴァイオリンといえば楽器の中でも花形でしょ?やっぱり西木野さんがリーダーなんじゃない?」

穂乃果「うん。賛成!」

冬海「わ、私も西木野さんがいいと思います…」

真姫「私は別に…まあ、二人がやれっていうならそれでいいけど」

天羽「ご協力ありがと。近いうちにオケ部の特集組んで記事にするから、乞うご期待♪」

穂乃果「どんな記事になるのかなぁ…」ワクワク

冬海「ちょっぴり不安ですけど…」

真姫「ま、期待しないで待ってますよ」

キーンコーンカーン…

【旧空き教室・コトリのアトリエ】

ことり「いらっしゃい。完成したよ♪」

真姫「もうできたんだ…ありがとうございます」

ことり「いえいえ。また何か必要なときは言ってね」

穂乃果「そういえば、ことりちゃんに何を頼んでたの?ヴァイオリンの修理?」

真姫「修理っていうか…再調整?」

ことり「ちょっとしたおまじないを…ね」

穂乃果「よくわかんないけど…うまくいったのかな?」

ことり「弾いてみて。西木野さん」

真姫「ええ」

真姫(リリは屋外での音の違いを気にしてたっけ。外で弾いてみたほうがいいかしら)

ガラ
0027名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 20:08:04.66ID:ELuowh7EK
希「お」

にこ「ヴァイオリンの音…?」

凛「誰が弾いてるのかにゃ?」

花陽「さ、さあ…?」

真姫(聴こえる音だけじゃない…感触っていうか、弾き心地も全然違う)

絵里(な、なに?これは…自然と耳になじむような…まるで最初から私の一部だったような音)

真姫「…ふー」

シーン…

ことほのうみのぞえりにこふゆりんぱなあもヒフミ「…」

真姫「…ん?」

パチパチパチ

ほのあもりんヒフミ「ブラボー!」
ことのぞふゆ「ブラボー♪」
うみぱな「ぶ、ブラボー?」
にこ「…ブラボー」

真姫(いつの間にか、人が集まってる…)

絵里「ハラショー!いい演奏だったわ。こんなに上手いなんて…」

真姫「ありがとうございます…会長のおかげですよ」

絵里「え?…私?」

真姫「はい♪…ふふっ」

真姫(ヴァイオリンの魔法はさらに強力なものになったみたいだけど…廃校を防ぐには相応の努力が必要ってことは変わらないわね)

海未「穂乃果がオーケストラ部…そういえばトランペットが吹けましたね」

穂乃果「海未ちゃんは何か得意な楽器はないの?」

海未「楽器が全くできないというわけではありませんが…オーケストラで使える楽器となると…」

穂乃果「やっぱりヴァイオリンかな?オケの華って感じだし」

海未「指揮者がいいですね」

穂乃果「へ?」

海未「指揮者なら演奏中に観客の方を向かなくていいじゃないですか。もし参加するなら私は指揮者がいいです」

穂乃果「海未ちゃーん…」
0028名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 20:11:03.98ID:ELuowh7EK
【高坂家】

雪穂「お姉ちゃんがオーケストラ部!?」

穂乃果「そうだよ。まだ三人しかいないけど…音楽室や屋上とかで練習してるんだ」

雪穂「お姉ちゃんってゲームの曲と野球の応援歌くらいしか吹けないと思ってたよ」

穂乃果「そんなことないよ。クラシックの曲だって知ってるんだから。あの…ほら、ハバネロ?」

雪穂「ハバネロじゃ唐辛子だよ。それを言うならハバネラ」

穂乃果「そ、そうとも言うね」

雪穂(曲名も知らなくて吹いてるんだから…ホント、お姉ちゃんは考えるより先に行動するタイプだよね)クス

【翌日・西木野邸】

穂乃果(す、すごい豪邸…)

真姫ママ「いらっしゃい。穂乃果ちゃんよね?」

穂乃果「え。…は、はい」

真姫ママ「お久しぶり…といっても穂乃果ちゃんは覚えてないかしら?」

穂乃果「もしかして…うちの母の」

真姫ママ「ええ。きぃちゃんは私のカノジョ♪」

穂乃果「えぇ!?」

真姫ママ「冗談よ。まあ、今の真姫ちゃんと穂乃果ちゃんと同じね」

穂乃果「じゃあ音ノ木坂の卒業生なんですか?」

真姫ママ「ええ。だから廃校の件はとても残念…」

穂乃果「私たちが何とかしますよ!きっと廃校を阻止しますから」

真姫ママ「そう?…でも無理はしないでね。楽しくない音楽は音楽じゃないから」

穂乃果「え…?」

真姫「やっと来たわね。高坂先輩」

穂乃果「お邪魔してます…冬海さんも来てたんだ」

冬海「こんにちは。高坂先輩」
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2018/06/06(水) 20:17:18.32ID:ELuowh7EK
真姫「練習環境も整ったことだし、そろそろ具体的なスケジュールを決めておきましょ」

穂乃果「スケジュール?」

冬海「えっと…ライブをやるって話ですよね?」

穂乃果「あ。そういえばそんなことも言ってたような…」

真姫「そういえばじゃないわよ。まさか忘れてたの?」

穂乃果「エヘヘ」

真姫「ほめてない」

冬海「これからメンバーが増えないと、三人でやることになるんですか…?」

真姫「まあ短期間で劇的に部員が増えるとは思えないし、基本的にはそのつもりで準備したほうがいいわね」

穂乃果「でも海未ちゃんが指揮者やってくれるって言ってたよ」

真姫「指揮者…必要なの?三人だけのライブで…」

冬海「それだったら西木野さんのほかにピアノ伴奏ができる人がいたほうがいいかと…」

穂乃果「だよねぇ…ヒデコたちにもピアノが弾けないか訊いてみようかな」

真姫「オケに必要な管楽器や弦楽器ができるならそのほうがいいけどね」

冬海「曲はどうしますか?」

穂乃果「それぞれの得意な曲をやったらどうかな?」

真姫「ソロで別々にやるつもり?」

穂乃果「じゃなくて、全部三人でやるの」

冬海「三曲だと結構な時間になりますよね…」

真姫「クラシックだとそうなるかもね。高坂先輩は何をやりたいんですか?」

穂乃果「んー。どれがいいかなぁ」

冬海「“優しい愛の歌”はどうですか?」

真姫「“金色のコルダ”もいいんじゃない?」

穂乃果「あれっ、私のイメージってやっぱりゲームの曲なの?」

真姫「解釈を理解してない付け焼き刃のクラシックよりは…ね」

冬海「そうですね」

穂乃果「うぅ…否定はできないけど」

真姫「じゃあライブの一曲目はそれでいくとして…」
0031名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 20:26:12.62ID:ELuowh7EK
【夕方】

穂乃果「はー、疲れた…こんなに練習したの初めてかも」

冬海「そうなんですか?」

真姫「私も、魔法のヴァイオリンを貰うまではこんなに弾いたことなかったわ」

冬海(二人ともすごく素敵な演奏をするのに…今まであまり真剣に音楽に取り組んでこなかったとしたら、本気を出せばもっと…)

穂乃果「でも驚いたなぁ…想像以上の大豪邸だったから。もう何だか異世界って感じだよね」

冬海「…え?」

穂乃果「えっ。…あれ、ひょっとして冬海さんもすごいお嬢様だったりする!?」

冬海「そ、そんなことないですよ。西木野さんのお家のほうが大きいと思います」

穂乃果(と思います、くらいなんだ…絶対お嬢様じゃん!)

冬海「高坂先輩のお家はどんな感じですか?」

穂乃果「うちは古くて小さい和菓子屋だよ。…そうだ、明日はうちに集まらない?」

冬海「そうですね。私は練習ができればどこでも…」

穂乃果「あ(…そっか、うちだと防音室がないや)」ガクッ

冬海「高坂先輩?」

穂乃果「あ、あの…じゃあせめて今から寄っていかない?」クスン

冬海「えーと…じゃあ家に連絡しておきますね。遅くなっても大丈夫ならお邪魔します」

冬海(高坂先輩のお家…ちょっと楽しみかも)

冬海(音ノ木坂に入るまでは…全然想像できなかった。部活で誰かと一緒に音楽をやることも、こうして先輩の家にお邪魔することも…)

穂乃果「ただいまー」ガララ

冬海(たった数日の間に…たくさんの宝物ができて。私の音楽も、前とはずいぶん変わった気がする)

穂乃果「さ、上がって上がって」

冬海「あ、はい。お邪魔します…」
0032名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 20:28:00.74ID:ELuowh7EK
雪穂「お姉ちゃんのカノジョ!?」

冬海「えぇ!?」

穂乃果「違うよ。昨日話したでしょ?オケ部の後輩の冬海笙子さん!」

雪穂「あ、そう…高坂雪穂です」

穂乃果「雪穂は私の妹」

冬海「そうなんですか。よろしくお願いします…」

雪穂「こちらこそ…なんで敬語?」

穂乃果「雪穂は中学生だよ」

冬海「あ…は、はい。えっと…よろしくね。ユキホ…ちゃん?」

穂乃果(そういえば冬海さん、同級生の西木野さんにも敬語だし…海未ちゃんみたいな感じかなぁ?)

冬海「本当にお店なんですね…西木野さんのお家にもあったお菓子の…」

穂乃果「そうそう。西木野さんのお母さん、うちのお母さんと友達なんだよね」

冬海「なんだか素敵ですね…高校生の頃からずっと仲良しなんて」

穂乃果「そうだね。私も、ことりちゃんや海未ちゃんとそんな関係になるのかなー」

冬海「…」

穂乃果「冬海さん?」

『ことりちゃんや海未ちゃんと』
『ユキホ…ちゃん?』
『冬海さん』

冬海(高坂…穂乃果、先輩)

『穂乃果ちゃん』
『穂乃果!』

冬海「やっぱり、そんなふうに呼べない…」

穂乃果「な、なに?…どうしたの?」

冬海「な、なんでもありません…ごめんなさい」

ほの母「あんた、ことりちゃんと海未ちゃん以外に友達いたのね」

穂乃果「いるよー!フミコとか家に来たこともあったじゃん!」

冬海「お、お邪魔してます…」

ほの母「ゆっくりしてって。なんだったら穂乃果も連れて帰っていいからね」

冬海「え!?」

穂乃果「ちょっと、お母さーん!」
0033名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 20:30:12.24ID:ELuowh7EK
冬海(おみやげのお菓子、もらっちゃった…)

穂乃果「また来てねー!」

雪穂「送ってあげなくていいの?」

穂乃果「あ…えっと、じゃあ途中まで一緒に」

冬海「だ、大丈夫です。ちょっと一人で考えたいこともあるので…じゃあまた」

穂乃果「?…うん。じゃあね」

『お姉ちゃんのカノジョ!?』

冬海(カノジョかぁ…高坂先輩も素敵だけど…)

『何かあったら気軽に呼んで』

冬海(やっぱり西木野さん…かなぁ///)

【翌日・音ノ木坂】

冬海(今日集まる予定はなくなったし、各自練習。お休みの日だけど学校の音楽室も使えます)

冬海(ライブ用の曲を練習しておこう)

リリ「…お前、音が変わったのだ」

冬海「え?」

リリ「若いもんはこれだからなー。…で、相手はどっちだ?高坂?西木野?」

冬海「な、何の話?」

リリ「隠さなくてもいいのだ。我輩にはわかるぞ。相手がどちらでも応援してやろう」

冬海(どちらでも、なんて…相手がいることだし、私の一方的な想いだけじゃダメだよね)

冬海(好きになってもらえるくらい、頑張らなくちゃ)

真姫「クラリネット・ポルカ…」

冬海「あっ、西木野さん」

真姫「曲はきちんと伝わってるのに、誰が作ったのかわからないっていう不思議な曲ね」

冬海「そうなんですよね。…でも私、この曲が好きで…」

真姫「いいと思うわ。冬海さんらしくて」

冬海「私らしい…?」

真姫「作曲者の真意までは知らないけど、結果的に“誰の”曲ということよりも曲そのものを伝えた…あまり自己主張しない冬海さんっぽいなって」

冬海(…でも、それって私にとってはどうなのかな。せめて好きな人には、名前くらいは…)
0034名無しで叶える物語(やわらか銀行) (ワッチョイ 2736-3LpY [126.224.178.70])
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2018/06/06(水) 20:32:42.34ID:WAFxBt0d0
王都生きてんか!
0035名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 20:34:30.03ID:ELuowh7EK
冬海「あ、あのっ。真姫…さん」

真姫「えっ」

冬海「真姫さん…って、呼んでもいいですか?」

真姫「ああ、そうね。いつまでも苗字よりは…っていうか別に“さん”は要らないけど」

冬海「じゃ、じゃあ…真姫、ちゃん?」

真姫「うん。…あなたは、笙子…だっけ?」

冬海「は、はい!…真姫ちゃん」

真姫「ん。じゃあ、よろしく。笙子」

冬海(これで一歩前進?…ううん、すごく近くなった気がする!)ドキドキ

【五月・講堂】

穂乃果「あ、あれぇ…?」

真姫「誰も来ないわね…」

冬海「宣伝してもらったのに…効果が無かったんでしょうか?」

天羽「あー、まあ報道部の存在もあなたたちが知らなかったくらいだし。力不足で申し訳ない…」

リリ「まだ諦めるのは早いぞ!」

ほのふゆまき「えっ」

リリ「聴いてほしい人を探してここまで押してくるのだ!音が届く範囲に入れば聴衆になるのだ」

穂乃果「えぇ…」

冬海「そ、そういえばそんなことができましたね…」

天羽「?」

真姫「こうなったらやるしかないわ!」バーン

希「ウチは帰ろうか…な?」

穂乃果「副会長さん!」グイグイ

希「わっ、高坂さん?な、なんで押すん?」

穂乃果「講堂へ行きますよ!」グイグイ

絵里「な、何事?」

真姫「あなたもよ!」グイグイ

絵里「ちょっ、私はもともと行くつもりで…」

真姫「あ、そう。じゃあ来てください」
0036名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 20:36:21.08ID:ELuowh7EK
冬海「お、お願いします…」グイグイ

にこ「どわぁ!?何なのよ?」

冬海「講堂でオケ部のライブやります」

にこ「わ、わかったわよ。行くから押さないで!」

真姫「あなたたちも来なさい!」グイグイ

花陽「ふ、二人同時押し!?」

リリ「ごく近い距離に複数人いる場合はまとめて押すこともできるのだ!」

凛「すごいにゃ。西木野さんって力持ちなんだねー♪」

穂乃果「よーし。私も…」グイグイ

ミカ「な、何なの?」

ヒデコ「穂乃果!?いつの間にそんな力を…」

フミコ「トランペットの練習しかしてないはずなのに」

ヒフミ「おおー。しんじられぬー」ズルズル

冬海「ふ、普通に話して来てもらったほうがいいんじゃ…?」ゼーハー

リリ「まだまだ!知り合いくらいは全員集めるのだ!」

【再び講堂】

ほのふゆ「」ゼーハー

真姫「集まったわね。じゃあ始めるわよ!」

穂乃果「う、うん」

パララッパー パラララパパパーララー♪

にこ(アイドルならともかく、オケ部のライブなんて…)

ことり「でも三人とも、ちゃんと衣装を着てるんだね」

海未「穂乃果が緑というのが少し意外ですが…」

天羽(高坂さん、すごくいい!)カシャシャ

花陽「西木野さんは赤だね」

凛「オトナっぽくてカッコいいにゃ♪」

冬海(真姫ちゃん…素敵♪)

パチパチパチ

ことうみのぞえりにこりんぱなあもヒフミ「ブラボー!」
0038名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 20:40:52.04ID:ELuowh7EK
※前スレ

英玲奈「六月」穂乃果「一日は」にこ「麦茶の日!」
http://egg.5ch.net/test/read.cgi/gorakubu/1527872313/
0039名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 20:42:02.96ID:ELuowh7EK
穂乃果「たくさんの人に聴いてもらえると気持ちいいね!」

冬海「BPもいっぱい貰えるし…」

真姫「BP?」

リリ「三種類の楽器で合奏を聴かせると、聴衆一人につき50ずつBP(ブラボーポイント)をくれるのだ」

冬海「今日の衣装も貯まったBPで買った物なんですよ」

ほのまき「へー」

冬海「ミントキャンディーやチョコとかお菓子もありますよ」

絵里「話は聞かせてもらったわ!」

ほのふゆまき「えっ」

にこ「BPっていうのがあればタダでお菓子が買えるの?」

冬海「タダというか、楽器を演奏して人に聴いてもらって貯めるんですけど…」

絵里「BPがあれば、ちょっと高級なチョコレートが毎日食べられる…?」

海未「太りますよ」

にこ(お金がなくても、こころとここあにお菓子を買ってあげられるわ!)

絵里「仕方ないわね。私もオケ部に参加するわ」

真姫「いいけど…できる楽器、ありましたっけ?」

にこ「トランペットを吹けばいいんでしょ?」

穂乃果「トランペットは私がいるじゃん。先輩はトライアングルか何かで」

にこ「ぬぁんでよ!もっと目立つ楽器にしなさいよ!」

絵里「じゃ、じゃあ私は…カスタネット?」

冬海「まだ人数が少ないので、管楽器か弦楽器だと助かるんですけど…」

真姫(よくわからないけど、先輩たちも一緒にやってくれるみたい)
0040名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 20:42:31.17ID:ELuowh7EK
絵里「よろしくね。西木野さん♪」ギュ

真姫「…よろしく///」

冬海「!?」

リリ「うーむ。強力なライバルが現れたようなのだ」

冬海「ど、どうしよう…!?リリちゃん、魔法のクラリネット作って!」

リリ「む、無理なのだ」キラキラ←消えた

冬海「そ、そんなぁ…」ガクッ

絵里「練習しなくていいの?」

にこ「そーよ。あんたがトランペット以外の楽器を練習しなさい!」

穂乃果「えぇ!?」

真姫(妖精が見えたり、魔法があったり?…ちょっと想像とは違ったけど、やっぱり音楽って楽しい♪)



おわり
0041名無しで叶える物語(笑) (ワッチョイ 0718-LhHf [106.173.193.194])
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2018/06/06(水) 20:48:06.75ID:hZdjQXXf0
金色のコルダ?ヤッター!!

月森君さえ居ないのかよ!ヤダー!!
0042名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KK4f-u9Ul [05004017452212_ex])
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2018/06/06(水) 21:52:24.28ID:ELuowh7EK
月森難しくない?
攻略対象外で常時ツンなら頑張れば書けそうだけど
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