【SS】矢澤にこ「感じるVR風俗……?」
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にこ「会社帰りはつらいわねー」
にこ「明日は休みだし、今夜はとことん泥酔してやるわ」
にこ「どの店がいいかしらね」
にこ「フーゾクの看板が目立つわね」
にこ「よし、景気づけに一本抜いていきましょう」
にこ「ん……感じるVR風俗?」 桜内、おひつに持った白米をうちわでパタパタ
花陽「あ……その香りは……」
花陽「きらら397さん! きらら397さんですね!」
桜内「きらら397「そうだよ〜。今日は特別に北海道から花陽ちゃんに会いに来たよ〜」」
花陽「嬉しい……抱きしめて……」 花陽「あっ……きらら397さんが……」
花陽「ほかほかのきらら397さんが花陽の頭のてっぺんから足の先まで覆い尽くしてますぅ!」
桜内、ほかのおひつをパタパタ
花陽「新沼産コシヒカリさんまで……」
花陽「三人でするだなんて……すごすぎるよぉ」 にこ「あわわわわ……」
上原「いったい何が起こっているんですか??」
桜内「見たわね……」
桜内「言ったでしょう、ひとのプライベートは覗くものじゃないと」 桜内「小泉花陽さんはね、現実では満たされない思いをここで果たしているの……」
桜内「そう、彼女の想い人――“お米”に会いにくるために」
上原「花陽さんの恋の相手は米だったんですか!?」
にこ「ええーっ! 人間ですらないの!?」
凛「…………」 桜内「さて、お二人はどうするつもりなのかしら?」
桜内「凛さんの心はますます傷ついたはずよ」
にこ「うっ……」
上原「まずいことに……」 花陽「だ、だれかいるの!?」
凛「かよちん」
花陽「凛ちゃん……」
凛「かよちんの好きなひとはお米さんだったんだにゃ」
花陽「……うん」 花陽「凛ちゃんと付き合い始めてから、ようやく本当に好きなひとが誰なのかわかったの」
花陽「わたしは米が好きなんだって……」
花陽「でも、人と米は所詮違う生き物……思いを遂げられることはないと思ってた」
花陽「その時知ったの。VR風俗というものがあるって。それなら思いを遂げられることができる」 花陽「擬人化したお米と会えるから……」
花陽「それを知ったとき、後先考えずに飛び出してきちゃったの」
花陽「後で、凛ちゃんにひどいことをしてしまったと後悔したけど、」
花陽「もう取り返しがつかなくなっちゃった」
花陽「本当にごめん……ごめんなさい、凛ちゃん」 凛「かよちんは悪くないにゃ」
凛「凛もラーメンばっかり食べて、かよちんにかまってあげられなかった」
凛「きっとかよちんがお米を過剰に好きになったのもそのせいにゃ」
凛「でも、別れてとはいわないよ」
花陽「凛ちゃん……?」 凛、置いてあった米を咀嚼する
凛、花陽に口移しで食べさせる
花陽「お米さんから凛ちゃんの匂いが……」
花陽「これは凛ちゃん米……」
凛「ほら、こうすればVR世界の中で、かよちんが一番好きな凛でいられるにゃ」 桜内「なるほど、お米に自分の唾液を含ませることで、新たな品種としてVR世界に現れたわけね……」
花陽「うわあ……お米の凛ちゃんだ……」
凛米「かよちん、ここが新しいスタートにゃ」
花陽「うん、凛米ちゃん!」
にこ「丸く収まってよかったわ……」グスン
上原「なにこれ」 かすみ「なんだか知らないけれど、解決したみたいですね」
上原「こんどからふたりでこの店を利用して、お米プレイをするらしいわよ」
にこ「私も胸のつっかえが取れたわ」
桜内「さて……三人ともうちの店でよくやってくれたわね」
かすみ「あ……」 桜内「本来なら矢澤さんは出禁レベルだけれど……」
桜内(借金まみれで、こんな金づる逃す手はないか)
桜内「多目にみることにします」
にこ「いやあ、店長ごめんなさいね」
桜内「でも、二人はバツとしてトイレ掃除無償でしてもらいます!」
二人「「ええ〜」」 凛「VRのおかげでこうして復縁できてよかったにゃ」
花陽「私も……凛ちゃん大好き」
凛「凛もかよちんのことが大好きにゃ」
花陽「こんどからあの店で愛を育もうね……!」 後日――
かすみ、ラーメンをうちわで扇ぐ
凛「あ、この匂いはとんこつさん!」
かすみ、他のラーメンもうちわで扇ぐ
凛「こっちは醤油さん!」
凛「三人がかりだなんてすごいにゃ〜〜〜〜〜」 乙!
>>222
>上原「なにこれ」
まさしくコレ。 >>202
ほの×ほのということに気付くのにだいぶかかった 上原「店長、お茶どうぞ。暑いので冷茶にしました」
桜内「あら、悪いわね。気を使わせて」
上原「いいんです。お客様も――」
善子「私は結構よ。堕天使は冷えた緑茶は飲まないの」
善子「イメージがあるから」
上原「はあ」 かすみ「歩夢ちゃん、なんですか? お茶出しなんて点数かせぎですか?」
歩夢「かすみちゃん。当然だよ」
歩夢「それにしても、変わったお客さんだね」
歩夢(アタマ湧いてんのかな?) かすみ「あのひとは、ヨハネさんというひとで、近所で占い師をやってるひとです」
かすみ「なんでも、店長の静岡県時代のお知り合いみたいですよ」
歩夢「ふーん、それならあのキャラも納得できるなあ」
歩夢「夏でも厚いゴシックドレス着ててキャラ作りに精が出て感心するよ」 かすみ「日中は暇なのかよく来ているみたいです」
かすみ「店長とおしゃべりして紅茶飲んで帰って行きます」
歩夢「紅茶は飲むんだね」
かすみ「パピコは食べるようなので持っていってあげてください」
歩夢「なんだかよくわからないひとだね」 善子「最近店の前に変なキリスト教徒が来てこまってるのよ」
善子「信徒大勢連れてきて、「悪魔は出て行け」とかシュプレヒコールあげていくの」
桜内「ああ、その人うちにも来たかも」
善子「リリーのところにも?」
桜内「まあね、即お引取り願ったけど」 桜内「よっちゃんは店名に『堕天使』とか挿れてるんだもん、格好のターゲットだね」
善子「毎日毎日来られるからうんざりよ。あいつら暇なの?」
善子「そうそう、きょうはその件で気になることがあって?」
桜内「どんなこと?」 善子「キリスト教の集団に知った顔がいたの」
善子「内浦のひとよ、確か」
桜内「えっ嘘!? 誰なの!?」
善子「それがねー。喉まで出かかってるんだけど、名前が出てこない」 桜内「どんな外見」
善子「髪型はショートカットで……そんな感じ」
桜内「それだけじゃ全然わからないんですけど」
善子「私にとってはさほど重要人物じゃなかったようね」
善子「まあ、思い出したら教えるわ」 桜内「もう半端に気になるじゃない」
善子「もうひとつ、大きな話題があるわ」
桜内「それも消化不良な話題じゃないでしょうね?」
善子「今度こそビックニュースよ。リリーったら、腰を抜かすわよ」
桜内「本当〜?」 善子「うちの店の近くに、新しい風俗店がオープンするの」
善子「『感じるVR風俗』を謳っているわ」
善子「どう? びっくりした?」
桜内「それって……うちのライバル店ってこと?」 善子「そうなるわね」
桜内「いつオープンするか知ってる?」
善子「もうしてるわよ。三日前だったかしら」
桜内「早く教えなさいよ! 昨日もおとといも来てるでしょあんた!」
善子「そ、そんな怒らないでよ〜」 桜内「こうしちゃいられないわ」
桜内「早速敵情視察に行ってきます!」
桜内、部屋を飛び出すように出ていく
――
善子「じゃあ、私もお暇しようかしら」
かすみ「あの〜ヨハネさん」 善子「あら?」
善子「この堕天使ヨハネになにか用?」
善子「ひょっとしてあなたもリトルデーモンになりたいのかしら?」
かすみ「ヨハネさんのお友だちという方が訪ねて来られているんですが」
善子「へ!?」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています