【SS】矢澤にこ「感じるVR風俗……?」
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にこ「会社帰りはつらいわねー」
にこ「明日は休みだし、今夜はとことん泥酔してやるわ」
にこ「どの店がいいかしらね」
にこ「フーゾクの看板が目立つわね」
にこ「よし、景気づけに一本抜いていきましょう」
にこ「ん……感じるVR風俗?」 にこ「フーゾクはあらかた行ってるけど、こういうのは初めてだわ」
にこ「ちょっと試しに入ってみましょう」
店長「いらっしゃいませー」
にこ「初めてなんだけど、どんなお店?」 店長「こちらはVR世界に没入しつつ、最新のテクノロジーを使ってこれまでにない快感を得ていくという画期的な風俗です」
店長「申し遅れました、私は店長の桜内です」
にこ「ふーん。画期的な、というわりに閑散としているわねえ」
桜内「昨夜オープンしたてなもので」
にこ「まあいいわ。その最新のテクノロジーとやらを堪能してやろうじゃないの」
桜内「一名様、お部屋までご案内〜」 にこ「殺風景な部屋ねえ」
桜内「なにせVR風俗ですから。現実の部屋はこんなものでOKなんです」
にこ「おお、さすがにVRのセットは本格的ね」
桜内「それでは早速ヘッドセットを身に着けてください」
にこ「なにも見えないわよ」
桜内「まだ電源をいれていないもので。ポチッとな」 にこ「わっ。眼の前に女子校の教室が広がっていく…・…!」
女子「はあい」
にこ「はあい……ってこれ店長さんじゃないの」
桜内「初期設定では私になっていますが、任意の方の画像を入力すると、その人になりますよ」
桜内「どなたかご希望はありますか?」
桜内「例えば芸能人とか」 にこ「そうねえ……」
にこ「………」
にこ「に……」
桜内「に?」
にこ「西木野真姫ちゃんのデータってあるかしら?」
桜内「ございますよ」 誰だよこのクソキャラ
名前だけレベルならかかんほうがマシだぞ にこ「はっ眼の前に真姫ちゃんが……!」
真姫「ふふふ、すごいでしょう?」
真姫「標準は制服ですが、オプションでコスプレもさせられますよ」
にこ「みずぎ……ビキニがいいわね」
真姫「それでは五千円プラスになります」
にこ「舞台はビーチで……」
真姫「それではもう五千円プラスになります」 真姫「お客様の服装もチェンジできますよ」
にこ「じゃあ、私も水着に」
(桜内、にこの衣服を剥ぎ取る)
にこ「すごい開放感……本当に脱いでるみたい」
真姫「すごいでしょう? これが感じるVR風俗の骨頂なんです」 にこ「にしても、さっきから真姫ちゃんの口調が引っかかるわねえ」
にこ「真姫ちゃんは私にはそういう話し方はしないんだけど」
桜内「真姫「やあ、にこくん。調子はいかがかな」」
にこ「違うわね」
桜内「真姫「にこちゃーん、真姫だよぉ〜」」
にこ「ますますかけ離れているんだけど!?」 真姫「なによ、にこちゃん。私になにか用?」
にこ「そうそう、そんな感じ」
にこ「で、風俗っていうけどどんなふうにプレイしたらいいの?」
真姫「VRなのでなにしてもいいんですよ」
にこ「じゃあ、早速キスを……」 にこ「すごい……本当にキスされているみたい」
(桜内、にこの唇を貪る)
にこ「浜辺のそよ風が気持ちいい……」
(桜内、うちわであおぐ)
にこ「ああ、波音がリアル……」
(桜内、砂を敷き詰めた平箱を左右にふる) にこ「ああ、真姫ちゃん、抱いて抱いて〜」
桜内「真姫「にこちゃんにこちゃん。好きわよ〜」」
ーー45分後
にこ「はあーすごかった」
にこ「最新のVRってすごいのねえ」
桜内「それはもう、最近のテクノロジーですから」 ほんとつまんないな
どうやったらこんなんかけるんだってレベル にこ「一体どういう技術なの? 気になるわよ」
桜内「企業秘密ですので、残念ながら一切お見せできないんです」
(桜内、平箱とうちわを背中に隠す)
にこ「ふーん。まあいいけど」 桜内「それでは、お会計6万円になります」
にこ「高っ!」
にこ「まあ、いいわ。リアルなスケベを体験できたし、それぐらいは必要な出費ね」
桜内「まいどあり」
にこ「それじゃ、また来るわね」
桜内「行ってらっしゃいませ」 にこ「ふー気持ちよかった」
にこ「さて、どこで飲もうかしら……」
にこ(…………)
にこ(真姫ちゃんは、いまは穂乃果と付き合っているけど……)
にこ(ここに来れば、いつでも恋人に戻れるのね)
にこ「気を取り直して、飲みに行きますか」 桜内「今のお客さん、ロリ入っててシコかったなあ〜」
桜内「このお店、お客さんの知らない間にセクハラできて最高!」
桜内「開店してよかった〜」
園田「こんばんわ」
桜内「あ、連日のご利用ですね。今夜も高坂穂乃果さんのデータでよろしかったですか」
園田「はい」
終わり 以上です。読んでくださったかたありがとうございます ワラタ、乙
庭はクロスオーバーだからキレてたのかな なぜか平和な世界だと思えてしまった
絶妙なスローテンポ ここに乙か書いてるやつも本心ではそんなこと思ってないぞ
完結したから書いてるだけで時間の無駄遣いだったと後悔してるよ 2話
にこ「はーきょうも良かったわ、店長」
桜内「毎度ありがとうございます」
にこ「じゃ、また明日もくるから」
桜内「お待ちしております」 園田「あのー、こっちまだですか?」
統堂「そうだ。早くしてくれないか」
桜内「はいはい、只今」
綺羅「いつまで待たせるの?」
桜内「すみません、もうしばらく……」 桜内「繁盛するのもいいけど、店を回すのが大変ね」
桜内「どうしましょう?」
桜内「そうだ、アルバイトを雇えばいいんだ」
◆求人票
性風俗店接客業【見習可】 - 新着
VR風俗チェリーインサイド - 東京都内
時給 780円 〜 - アルバイト
◆接客及び機械整備業務あり(おやつ休憩有) 桜内「――いよいよ面接の日か」
桜内「応募にあつまったのは五人」
桜内「いいスタッフが揃うといいなあ」
桜内「それでは最初のかた、入室してくださいーい」 中年女性「よろしくおねがいします」
桜内「まずは志望動機を聞かせていただけますか?」
中年女性「東京都千代田区の秋葉原・神田・神保町に挟まれた地域にある学校の理事長をしていたんですが、使い込みがバレて首になってしまったんです」
桜内「まあ」
桜内「こちらは1日に数人とお相手するのですが、体力の方は大丈夫ですかね?」
中年女性「自信ないです」
桜内「申し訳ないですけど、却下で」 クリスティーナ「よろしくおねがいします」
桜内「よろしくおねがいします」
桜内「それでは志望動機を」
クリスティーナ「神の言葉を伝えに来ました」
桜内「えっ?」
クリスティーナ「蒙昧な日本人に神の言葉を伝えに来ました」
桜内「宗教はお断りです」 桜内「次の方」
穂乃果パパ「菓子職人の片手間にできないかと」
桜内「申し訳ありませんが、性別をお間違えでは?」
桜内「却下です。はあ、次こそいい人が現れないかな」 桜内「ご応募の中須かすみさんですね?」
かすみ「は、はい」
桜内「あ、緊張していますか?」
かすみ「い、いいえ! かすみんは緊張なんかしません!」
桜内「ここへはどうして?」
かすみ「ちょっとお小遣いがほしいなあ〜と思って」 桜内「ここは性風俗ですが」
かすみ「全然大丈夫です」
桜内「ときにはお客様を騙したり汚れ仕事になりますけど……」
かすみ「かすみん、人を騙すのが大好きです!」
桜内「それじゃあ、適任かな。採用で」
かすみ「やったあ」 桜内「最後の方〜」
上原歩夢「上原歩夢です」
桜内「かわいいので採用」
桜内「じゃあ、採用の受かったお二人は今夜にでもお店の方に来てください」
二人「「はい」」 かすみ「真姫「ホラホラ、どう、にこちゃん。乳首を責められて感じみはどう?」」
にこ「…………」
かすみ「真姫「あのう、にこちゃん?」」
にこ「なんかしっくりこないのよね」
かすみ「ええ」 にこ、ヘッドセットをはずす
にこ「どうもあなたじゃしっくりこないわ」
にこ「店長、店長、この子替えて頂戴! チェンジよ!」
かすみ「ええええ!」 桜内「しょうがないわね、上原さん、代わりに担当を」
上原「はい」
かすみ「そんな……」
桜内「あの人はちょっとこだわる人だから、しょうがないよ」
桜内「中須さんは、女の子なら誰でも満足する園田さんについてね」
かすみ「はい……」 かすみ「はあ……」
かすみ「きょうは流石に落ち込んじゃうよ……」
上原「店長お疲れ様でーす! あ、かすみちゃんもお疲れ様」
かすみ「ねえ、上原さん、私向いてないかなあ?」
上原「中須さん、きょうのこと気にしているの?」
上原(めんどくせーな、愚痴かよ) かすみ「うん……」
かすみ「最初の頃は楽しかったんだけど、今はなんだか辛い」
上原「そうなんだ」(アッソ)
かすみ「かすみんは、人を騙すのが得意でしょ?」
かすみ「だからドライヤーで南国の風を吹かせたり、馬の糞をうちわであおいで牧場の匂いを演出したりっていうのが楽しくてしかたなかった」 かすみん「店長さんにはたくさんのお客さんにつけてもらってたけど……」
かすみん「今は常連の園田さんか、矢澤さんにしかつけてもらえない……」
上原「そうなんだ」
かすみん「ねえ、上原さんはうまくやれてるよね? どうしてるの?」
上原「適当にやってるよ」 かすみ「そうなの!?」
上原「だって相手は飢えたレズだよ。指示通りに乳触ってやれば満足するんだから」
上原「あまり考えないほうがうまくいくんだよ」
上原(だからあんまり手間とらせるなよ)
かすみ「かすみ、最近は自分が楽しむだけじゃだめかと思って、相手も喜ばせようと頑張ってたんだけど……」
上原「それが逆によくなかったんじゃないかな。知らねーけど」 桜内「じゃあ、今日も頑張っていきましょう」
上原「はい」
かすみ「はい」
桜内「じゃあ、上原さんは新規のお客さんについて」
桜内「中須さんは――そうね、矢澤さんに」
かすみ「えっ!? きのうのきょうで!?」 かすみ(うわわっ。きっとかすみん試されているんだ……)
かすみ(また矢澤さんを不快にさせたら……多分クビにされちゃう!!!)
かすみ「あわわ……適当に、適当に、適当に頑張らないと……」
桜内「ねえ、中須さん?」 かすみ「は、はい。なんでしょうっ」
桜内「あんまり緊張しないで。矢澤さんはそんなに怖い人じゃないから」
かすみ「でもぉ……きのうはあんなに怒られて」
桜内「大丈夫。あなたがしたいことをすれば、矢澤さんはきっと答えてくれるから」
かすみ「私がしたいことと言っても……」
桜内「ほら、あまりおまたせ出来ないわよ。早くお部屋へ案内して」 にこ「ふーん、またあなたなの?」
かすみ「よ、よろしくお願いします」
にこ「まあいいわ、初めてちょうだい」
かすみ(ああーどうしようどうしよう!) にこ、ヘッドセット装着
にこ「久しぶりに教室で行こうかしら」
かすみ、制汗剤をプシュー
にこ「ああ、学校の香り……女子校の香り……」
にこ「よしよし、今日も真姫ちゃんでお願いするわ」 にこ「じゃあきょうのシチュエーションは――グガボッ!」
かすみ「真姫「だまりなさい」」
にこ「んがっんがっ」(どうしていきなりコッペパンを口に!?)
かすみ「真姫「好きなんでしょう、これが! ほらぁ!」」コッペパンぐりぐり
にこ「んがああああんぐっ!」 真姫「まったくにこちゃんはドMの変態ね」
にこ「わ、わたしは変態なんかじゃ。いやあっ」
真姫「口答えしない! 体中コッペパンで犯してあげるわ!」
にこ「いやあ、こんなのいやあ! こんなの真姫ちゃんじゃない!」
真姫「ほら、二本目のコッペパンよ。口に咥えなさい!」
にこ「んがぼぐっ!」 ――45分後
にこ「…………」
かすみ(ああ……やってしまいました……)
かすみ(緊張のあまり、完全に地が出ちゃった……)
にこ「あなた……」(震え声)
かすみ「はいっ!」 にこ「あなたの名前は?」
かすみ「か、かすみといいます」
にこ「ふーん。次からは乱暴な設定にししないでよ? 私、優しい真姫ちゃんがすきなんだから」
かすみ「は、はいいっ!? 次?」
にこ「指名して上げるって言ってんの。あなたの操作するVRマシンはなかなかよ」
かすみ「矢澤さんっ……」 桜内「あら、矢澤さんお帰りですか?」
にこ「ええ」
桜内「どうでしたか? うちの新人は?」
にこ「なかなかみどころがあるわね」
桜内「私もそう思っていたんです」 桜内「ですって、良かったわね、中須さん」
かすみ「はい……!」
かすみ「私、これからもお仕事がんばります!」
上原「フッ」
桜内「そう? これからもよろしくお願いね」
二話終 青ジャンは私を讃える歌とかいう口にはコッペパン突っ込んでやるのが正解だったんや にこまきだからあいつ荒らしに来るだろうなって思ったら早速希ハー庭沸いてんのかw
うち意外と浮気は許さないやんね! 3話
園田「さて、今夜も行きますか」
園田「店が見えてきました」
園田「いつもながら盛況ですね」
園田「おや? どこかで見た顔が出来てきますよ?」 園田「花陽〜!」
園田「おっと、私としたことが風俗店のど真ん前で後輩の名前を大声で呼んでしまうとは」
園田「これは失態ですwww」
園田「花陽〜」(小声)
園田「あらら、こちらに気づかずにいってしまいました」 桜内「あ、園田さんいらっしゃいませ」
園田「店長さん。今日もお世話になります」
園田「そういえば、さっき私の後輩の小泉花陽という女性がこの店から出てきたんですが、彼女も常連なんですかね?」
桜内「申し訳ありませんが、お客様の個人情報に関わることはお伝えできかねます」
園田「それもそうですね。いいえ、忘れてください」 上原「穂乃果「ああんっ、ああんっ、気持ちいいよう」」
園田「ことり「あ、あ〜ん、穂乃果ちゃ〜ん。こ、ことりも〜!」」
上原「穂乃果「ことりちゃん、一緒に逝こう!!!」」
園田「ことり「うん、ことり、穂乃果ちゃんと一緒に果てたい!!!」」 園田「ことり「はぁあ〜〜〜んっっっっ」」
園田「ふぅ……ことほの最高……」
ヘッドセットを外した園田、アヘ顔
園田、キリッとした顔 園田「さて、お世話になりました」
上原「お客様、玄関までご案内しますね」
桜内「ご利用ありがとうございました〜」
園田「今日も最高でした。好きな人二人の絡みは最高です」
桜内「ご満足いただけてよかったです」 桜内「本日のご会計7万円になります」
園田「はいどうぞ」
桜内「またのご利用を〜」
園田「それではまた明日!」 桜内「あ、中須さん、上原さん、常連の矢澤さんをお通しして」
中須「えっ? 二人でですか」
桜内「いいえ、矢澤さんお友達を連れてきてくれたみたいなの」
中須「それはありがたいですね」
上原「園田さんはいつもひとりだけど、矢澤さんはよくお友達を連れてくるので儲かりますね」 矢澤「凛、緊張している?」
凛「うん……凛はこういうところ初めてだから……」
矢澤「私のオゴリなんだからね。今日はじっくり楽しみなさいよ」
凛「わかったにゃ」
矢澤「あんたも……花陽を忘れられるように……」 凛「よろしくおねがします」
上原「はじめてのご利用ですね?」
凛「は、はいですにゃ」
上原「まずはヘッドセットを着用してください。それから好みの女の子のデータを……」 上原(この人知ってる……)
上原(確か矢澤さんと同じグループだった人だ)
上原(確か幼馴染の子と付き合っていて……)
凛「あの、小泉花陽ちゃんのデータでお願いします」
上原(やっぱり……) 花陽「凛ちゃ〜んっ、花陽だよ!」
凛「あ………」
凛「花陽ちゃんだ……」
凛、ぽろぽろと涙を流す
上原(ええっ!?) 凛「ごめんなさい、取り乱してしまって……」
桜内「いいんですよ」
にこ「私が悪いのよ。良かれと思って連れてきたけど、逆効果だったみたいね」
にこ「店長さんも、休憩室借りて済まなかったわね」
桜内「いえいえ。落ち着くまでごゆっくりしていってください」 にこ「ちょっと失恋の痛手が残っていてね……」ヒソヒソ
桜内「そうなんですか……」ヒソヒソ
凛「もう大丈夫にゃ、にこちゃん行こう」
上原「またお越しください」
凛「う、うん……」 桜内「さて……そろそろ店じまいにしましょうか」
桜内「風営法にひっかかっちゃう」
??「こんばんわ〜」
かすみ「店長店長、お客さんですよ」
桜内「今日は終了なんですよ、ごめんなさ――」
??「チャオ、梨子!」 桜内「ま、ままままま、小原鞠莉さん……」
鞠莉「もう水臭いなあ、マリーって呼んでって言っているでしょう!?」
上原「お知り合いですか、店長?」
桜内「ふたりとも、今日はもう上がってちょうだい」
かすみ「え、いいんですか?」
桜内「いいから上がってちょうだい!」 鞠莉「ふうん、なかなかいいお店じゃない?」
桜内「ま、鞠莉さんも利用していく? 鞠莉さんなら無料で……」手もみ
鞠莉「どうしようかな〜遠慮しておくわ」
鞠莉「女の子には不自由してないし」 桜内「前に果南ちゃんを寝取られそうに……」
鞠莉「相手ごと寝取り返してやったもの」
桜内「さすが」
桜内「それで……今日の本題は?」 鞠莉、グラサンを取り出す
鞠莉「シャイニーファイナンス社長の小原鞠莉です」
鞠莉「おい桜内! 今日こそ借金耳揃えて返してもらおうか!」
桜内「きゃあああああ」 鞠莉「これだけ儲けてたら借金返済なんてすぐやろうが!」
桜内「わたしもそう思っていたんですけど、なかなか資金を回すのが大変でぇ……」
鞠莉「うちはトイチで信用貸しのニコニコ金融やで!?」
鞠莉「まいどまいど甘い顔はできないデース!」 桜内「本当に、本当に今回ばかりは……」
桜内「来月、来月になったらしっかり払いますから!」
鞠莉「本当ね? 嘘はないわね?」
桜内「耳を揃えてお返ししますっ」 鞠莉「ふうん」
鞠莉、桜内の財布から数万抜き取る
鞠莉「今日のところはこれで勘弁してあげるデース!」
桜内「ははーっ!」土下座 桜内「はあ……帰ってくれた」
桜内「まさか借金が膨らんでこんなことになるとは……」
桜内「ボロい商売だと思っていたのになあ」
桜内「来月完済なんて無理だよお……」 園田ショックがデカ過ぎて、凛ちゃん失恋やマリーファイナンスとかが癒しに見えるw かよちんと書くべきをはなよちゃんと書いてしまった不覚 かすみ「なんだか、店長ずいぶん慌てた感じでしたね」
上原「本当。まあ、後片付けほっぽりだして帰れたから良かった」
かすみ「それはともかくとして、どう思います?」
上原「どうって、なにが?」 かすみ「きょうのお客さんのことですよ」
かすみ「歩夢ちゃん、きょう担当だったんでしょう?」
上原「ああ。なにかただならぬ様子だったね」
かすみ「一体なにがあったんですか?」 上原「うーん。VR上で別れた恋人に対面したら、いろいろと辛かったみたいで」
かすみ「忘れられないんですねえ、その人のこと」
上原「そうみたい」
上原「……ん? あの人……」 かすみ「どうしたんですか、急に立ち止まって! かすみん転んじゃうところでしたよ」
上原「あの人だよ…!」
上原「横道に入っていった……やっぱりあの人だ!」
かすみ「あの人ってなにがです?」
上原「今日倒れたお客さんの恋の相手!」 花陽「…………」
花陽(きょろきょろと左右を見渡す)
花陽「……よし、だれも見てない」
花陽、古い建物の中に入っていく かすみ「なんか怪しい店に入っていきましたよ?」
上原「あそこで何が行われているんだろう……?」
かすみ「よし、乗り込んでやりましょう」ニヤッ
上原「ええっ!!!???」 かすみ「うすぐらい店内ですね……」
上原「ちょっとかすみちゃん……お客さんのプライベートに踏み入るのはまずいよ……」
かすみ「まあまあ、ここまで来ちゃったんだし」
上原「もう……しょうがないんだから」
かすみ「それにしても変な匂いで満たされていますね、ここ?」 上原「なんか白い煙が漂っていて怪しい雰囲気……」
かすみ「カーテンで仕切られた個室がたくさん……」
かすみ「個室から出てきたひとの表情……心ここにあらずって感じです」
上原「ここ、ヤバイところなんじゃない!? 帰ろうよ!」 かすみ「あっ、目当ての人物がいましたよ」
上原「花陽さんね」
かすみ「個室まで近づいてみましょう」
上原「いいから、帰ろうよ」
??「――あんたたち、何やってるの!?」
かすみ「きゃあっ!」 ―― 一年前
花陽「あのね……凛ちゃん」
凛「かよちんどうしたにゃ?」
凛「今夜もラーメンを用意したにゃ。ラーメン食べるにゃ」
花陽「話が……あるの」
凛「ラーメンよく煮えてるにゃ〜」 花陽「別れましょう……私たち」
凛「いい煮え加減にゃ」ズルズル
凛「味玉も必要……」
凛「えっ……今……なんて……」
花陽「ごめんなさい……ごめんなさい……」
凛「待って!行かないで!」 にこ「――ということだったのよ」
にこ「ウエイトレスさん、お水おかわり」
かすみ「そんなことが……」
上原「それで凛さんは長い間苦しんでいたんですね……」 にこ「そういうことね」
にこ「それにしてもあんたたちが、この問題に顔突っ込んでくるとは思わなかったわ」
かすみ「いやあ、気になっちゃって」
上原「あんなに悲しんでいたから……」 にこ「あんたたち、優しいところあるのね」
にこ「わたしもあの二人のことは気にかけていたんだけど……」
にこ「結局は二人の問題だからね……」
かすみ「………」 にこ「凛は泣いてばっかりだし……」
にこ「花陽は花陽でああやって、ご飯バー通いの毎日……」
かすみ「あの怪しいお店、ご飯愛好家の集まるお店だったんですね」
かすみ「あんなところがあるなんてびっくりしました」 上原「花陽さんはなぜか一方的に別れを告げて……」
上原「凛さんはその理由がわからない」
上原「つまりちゃんと話し合いが出来ていなかったことが今回の原因……」
上原「それなら、ちゃんと話し合いの場所を用意すればいいのでは」 にこ「それが出来たら苦労はないんだけどねえ……」
上原「うまくいきますよ。だって二人は私達のお店の常連さんですから」
にこ「そうだったの!?」
上原「にこさんは遅く来るので知らないでしょうが、花陽さんもけっこうな頻度できてますよ」
かすみ「無料チケットとかでうまくおびき寄せれば……」
にこ「二人を引き合わせることができる!?」 いきなりのシリアス展開w
早くしてくれ梅雨のせいで風邪をひきそうだ にこ「もしもし」
かすみ「はいかすみんです」
にこ「わざわざ名乗らなくていいわよ」
にこ「きょうの作戦の確認よ」
かすみ「はい」 にこ「まず……店長の協力は得られなかったわけね」
上原「そうなんです。凛さんと花陽さんのことを話題に出してみたら……」
桜内「うーん。お客さんのプライベートに踏み込むのはどうかと思うわ」
桜内「そういうことは個人間で解決すべき問題でしょう?」
かすみ「ですって」 にこ「なかなかお硬いわね。まあ、店長という立場上しょうがないと思うんだけど」
にこ「それで、作戦の確認よ」
にこ「まず、花陽がタイムサービスの無料クーポンに惹かれて、規定の時間にやってくる」
にこ「それから私は凛を連れて適当に飲んでるから、二人のどっちかが連絡をちょうだい」
にこ「すぐに駆けつけるわ」 上原「そして、私たちのどちらかが、強引に花陽さんの担当につく」
にこ「店長の目をかいくぐり、店に侵入して、私が凛と花陽を引き合わせる」
にこ「うまくやれるわね?」
かすみ「一つ難しい点が。花陽さんはいっつも店長ご指名なんですよねえ」
上原「それでは私が雑談でも振って店長を引き止めて置きます」
にこ「その間に強引にかすみちゃんが花陽を部屋に連れ込めばいいんだわ」 かすみ「でもでも、そもそもの問題として花陽さんが店に来なかったら?」
上原(心配性だなコイツ)
上原「かすみちゃん、無料券は書き換えて時間指定にしてあるから、絶対来ると思うよ」
にこ「もし来なかったら、後日やり直すだけよ」
にこ「じゃあ、それぞれインカムは身につけた? 作戦開始よ」
二人「「はい」」 かすみ(そろそろ予定の時間だ……)ヒソヒソ
上原(来てくれるよね……)ヒソヒソ
かすみ(十分経過……)
かすみ(ここで来てくれないと……)ハラハラ
上原(いいから落ち着いて) にこ(もう時間は過ぎてるけど……作戦は失敗かな……?)
凛「ラーメン肴に食べるお酒はおいしいにゃ〜」
凛「にこちゃん、ホッピーぜんぜん減ってないよ。もっと飲むにゃ〜」
にこ「そ、そうね」
かすみ(にこさん、にこさん!)
かすみ(来ました、花陽さんです!) 上原「花陽さん来た!」
かすみ(にこさん、にこさん!……)
かすみ「にこさんに連絡しました!」
上原「じゃあ、私は店長を!」
かすみ「ちょっと待ってください……まずい状況かもしれないです」
上原「あ……」 園田「いやあ、偶然ですねえ」
花陽「海未ちゃんも常連さんだったんだね」
園田「ええ。毎日通っていますよ」
園田「毎日シコシコです」
花陽「ふふふ。海未ちゃんってば変わってないね」 上原「なんで園田さんも一緒なの!?」
かすみ「たまたま居合わせたみたいですけど……」
上原「しょうがないか」
上原(にこさん、プランBです!) 園田「ええっ時間指定の無料券!?」
花陽「うん。今の時間行くと無料だって」
花陽「きのう店員さんからもらったよ」
園田「私はもらってないですよ!?」
園田「私のほうが通っているのに〜」 桜内「はあ…どうやったら赤字を解消できるかしら…」エクセルカタカタ
桜内「あら? 電話……」トゥルトゥルトゥルトゥル……
桜内「親子電話になってるけど……上原さんも中須さんも忙しいのかしら」トゥルトゥルトゥルトゥル……
桜内「……」トゥルトゥルトゥルトゥル……
桜内「もしもし」
にこ「……」 にこ「警察「警察のものですが」」
桜内「え゙っ!!!!」
にこ「警察「こちらで本番行為があったと匿名で連絡がありました」」
にこ「警察「つきましてはお話を聞かせてはもらえないでしょうか。三十分ほど」」
桜内(金貸しのつぎは警察……ひゃー。頭がいたいよお) かすみ「よしっ。これで時間を稼げますよ」
上原(こいつもまたゲスいプラン考えるなあ……)
上原「とにかくっ。これで安心して二人に対応できるね」
上原「あれ? それだと凛さんを誰がここまで連れてくるの?」
かすみ「考えてませんでした。でも、そのへんはどうにでもなるでしょう」
かすみ「とにかく中に案内してしまえばいいんですよ!」 花陽「こんばんわ」
園田「こんばんわ!」
かすみ「はいはーい。お二人ともさっそく中へどうぞ!」
園田「その前に一言あります! 無料チケットってなんですか!」
上原(あっ……) 園田「店長、店長を出してください!」
上原「園田さん、落ち着いて!」
かすみ「声が大きですよ園田さん!」
花陽「海未ちゃん泣いてるの……?」
園田「ええ、泣きますとも!」
園田「私も特別扱いしてください!」 にこ「警察「そういうことが違法だという認識はあったわけですね?」」
桜内「は、はいぃぃ。十分なほどにぃぃ」
にこ「警察「ではどうしてこういうことが起こったのか、ほら、説明してくださいよ!」」
凛「にこちゃん、さっきから誰と話しているにゃ?」
にこ「しっ。しずかに」ボソボソ 桜内「でもうちは、VR風俗だから本番なんてありえないんですけどぉ……」
にこ「警察「ほらコレです。そんな甘い認識だから犯罪が生まれる余地を残してしまうですよ? 理解していますかあ?」」
桜内「ん……?」
にこ「警察「どうしたんです?」」
桜内「すみませんが……部屋の外からお客さんが私を呼んでる声が」
にこ「警察「そんなのは放っておけばいいんです!」」
桜内「でも……」 園田「離してください! 店長と直に話があります!」
上原「かすみちゃん、押さえて!」
かすみ「無理ですよぉ。園田さん力つよすぎ……」
園田「店長、失礼します!」バアンと扉を開ける
桜内「園田さん!? なにごと?」 園田「……というわけなんですよ」
園田「花陽からしっかり聞きましたよ」
桜内「なるほどねえ……」ちらりとかすみ、上原を見る
桜内「事情はわかりました。お二人は本日のところは無料でお通しします」
園田「やったあ!」 桜内「それでは小泉花陽さんは私と来てください」
桜内「中須さんと上原さんはどちらか園田さんのお相手を」
桜内「それから二人にはあとでたっぷりお話を聞かせてもらいます」
かすみ「あわわ……プランB失敗ですぅ」
上原「なんとか食らいつこう!」 上原「店長、ここは私達にご案内させてください」
かすみ「そうですよ。小泉花陽さんも私達がご案内しますので!」
花陽「ええっ!?」
桜内「結構です! 私がやりますので」
上原「でも……」
桜内「でもじゃなくて、小泉さんは特別なオプションをご希望なので私専属にしているの!」
かすみ「花陽さんは店長ご指名ってことですか!?」 にこ「電話が切れた……」
にこ「少しは時間稼ぎになったかしら……?」
凛「ねーねー、電話長いよにこちゃーん。凛飽きたにゃ〜」
にこ(そう信じるしかない)
にこ「凛、じゃあ行くわよ!」
凛「へ? どこに???」 上原(にこさん、にこさん)
にこ(あ、そっちはどう?)
上原(プランB失敗です)
にこ(それじゃあ……)
にこ(プランC……強行突破よ!) かすみ「穂乃果「だめえ……そんなところ……」」
園田「穂乃果「どう? 気持ちいい?」」
かすみ「穂乃果「だめだよ、穂乃果ぁ…」」
園田「穂乃果「ふふ……穂乃果ったらかわいい」」
かすみ(あとは…みなさんがんばってください) にこ「来たわよ! 部屋はどこ!」
上原「にこさん! こっちです!」
凛「にこちゃんここって……」
凛「やだよ……ここはやだ……」
にこ「凛、よく聞いて。ここに花陽が来ている!」
凛「……かよちんが!」 にこ「ここでしっかりと話するのよ」
凛「そんな……心の準備が……」
にこ「ここで話さなきゃ一生すれ違ったままよ!」
凛「……!」
上原「ここです。この部屋です」 にこ「一番大きな部屋ね……」
にこ「当然ながら鍵がかかっているわ」
上原「頑丈な扉ではありませんよ」
にこ「そのようね……」
にこ「申し訳ないけど、強行突破させてもらうわよ!」ガアン! にこ「…………」
にこ「…………え」
上原「な、なによこれえ……信じられない」
凛「かよちん……」 桜内、おひつに持った白米をうちわでパタパタ
花陽「あ……その香りは……」
花陽「きらら397さん! きらら397さんですね!」
桜内「きらら397「そうだよ〜。今日は特別に北海道から花陽ちゃんに会いに来たよ〜」」
花陽「嬉しい……抱きしめて……」 花陽「あっ……きらら397さんが……」
花陽「ほかほかのきらら397さんが花陽の頭のてっぺんから足の先まで覆い尽くしてますぅ!」
桜内、ほかのおひつをパタパタ
花陽「新沼産コシヒカリさんまで……」
花陽「三人でするだなんて……すごすぎるよぉ」 にこ「あわわわわ……」
上原「いったい何が起こっているんですか??」
桜内「見たわね……」
桜内「言ったでしょう、ひとのプライベートは覗くものじゃないと」 桜内「小泉花陽さんはね、現実では満たされない思いをここで果たしているの……」
桜内「そう、彼女の想い人――“お米”に会いにくるために」
上原「花陽さんの恋の相手は米だったんですか!?」
にこ「ええーっ! 人間ですらないの!?」
凛「…………」 桜内「さて、お二人はどうするつもりなのかしら?」
桜内「凛さんの心はますます傷ついたはずよ」
にこ「うっ……」
上原「まずいことに……」 花陽「だ、だれかいるの!?」
凛「かよちん」
花陽「凛ちゃん……」
凛「かよちんの好きなひとはお米さんだったんだにゃ」
花陽「……うん」 花陽「凛ちゃんと付き合い始めてから、ようやく本当に好きなひとが誰なのかわかったの」
花陽「わたしは米が好きなんだって……」
花陽「でも、人と米は所詮違う生き物……思いを遂げられることはないと思ってた」
花陽「その時知ったの。VR風俗というものがあるって。それなら思いを遂げられることができる」 花陽「擬人化したお米と会えるから……」
花陽「それを知ったとき、後先考えずに飛び出してきちゃったの」
花陽「後で、凛ちゃんにひどいことをしてしまったと後悔したけど、」
花陽「もう取り返しがつかなくなっちゃった」
花陽「本当にごめん……ごめんなさい、凛ちゃん」 凛「かよちんは悪くないにゃ」
凛「凛もラーメンばっかり食べて、かよちんにかまってあげられなかった」
凛「きっとかよちんがお米を過剰に好きになったのもそのせいにゃ」
凛「でも、別れてとはいわないよ」
花陽「凛ちゃん……?」 凛、置いてあった米を咀嚼する
凛、花陽に口移しで食べさせる
花陽「お米さんから凛ちゃんの匂いが……」
花陽「これは凛ちゃん米……」
凛「ほら、こうすればVR世界の中で、かよちんが一番好きな凛でいられるにゃ」 桜内「なるほど、お米に自分の唾液を含ませることで、新たな品種としてVR世界に現れたわけね……」
花陽「うわあ……お米の凛ちゃんだ……」
凛米「かよちん、ここが新しいスタートにゃ」
花陽「うん、凛米ちゃん!」
にこ「丸く収まってよかったわ……」グスン
上原「なにこれ」 かすみ「なんだか知らないけれど、解決したみたいですね」
上原「こんどからふたりでこの店を利用して、お米プレイをするらしいわよ」
にこ「私も胸のつっかえが取れたわ」
桜内「さて……三人ともうちの店でよくやってくれたわね」
かすみ「あ……」 桜内「本来なら矢澤さんは出禁レベルだけれど……」
桜内(借金まみれで、こんな金づる逃す手はないか)
桜内「多目にみることにします」
にこ「いやあ、店長ごめんなさいね」
桜内「でも、二人はバツとしてトイレ掃除無償でしてもらいます!」
二人「「ええ〜」」 凛「VRのおかげでこうして復縁できてよかったにゃ」
花陽「私も……凛ちゃん大好き」
凛「凛もかよちんのことが大好きにゃ」
花陽「こんどからあの店で愛を育もうね……!」 後日――
かすみ、ラーメンをうちわで扇ぐ
凛「あ、この匂いはとんこつさん!」
かすみ、他のラーメンもうちわで扇ぐ
凛「こっちは醤油さん!」
凛「三人がかりだなんてすごいにゃ〜〜〜〜〜」 乙!
>>222
>上原「なにこれ」
まさしくコレ。 >>202
ほの×ほのということに気付くのにだいぶかかった 上原「店長、お茶どうぞ。暑いので冷茶にしました」
桜内「あら、悪いわね。気を使わせて」
上原「いいんです。お客様も――」
善子「私は結構よ。堕天使は冷えた緑茶は飲まないの」
善子「イメージがあるから」
上原「はあ」 かすみ「歩夢ちゃん、なんですか? お茶出しなんて点数かせぎですか?」
歩夢「かすみちゃん。当然だよ」
歩夢「それにしても、変わったお客さんだね」
歩夢(アタマ湧いてんのかな?) かすみ「あのひとは、ヨハネさんというひとで、近所で占い師をやってるひとです」
かすみ「なんでも、店長の静岡県時代のお知り合いみたいですよ」
歩夢「ふーん、それならあのキャラも納得できるなあ」
歩夢「夏でも厚いゴシックドレス着ててキャラ作りに精が出て感心するよ」 かすみ「日中は暇なのかよく来ているみたいです」
かすみ「店長とおしゃべりして紅茶飲んで帰って行きます」
歩夢「紅茶は飲むんだね」
かすみ「パピコは食べるようなので持っていってあげてください」
歩夢「なんだかよくわからないひとだね」 善子「最近店の前に変なキリスト教徒が来てこまってるのよ」
善子「信徒大勢連れてきて、「悪魔は出て行け」とかシュプレヒコールあげていくの」
桜内「ああ、その人うちにも来たかも」
善子「リリーのところにも?」
桜内「まあね、即お引取り願ったけど」 桜内「よっちゃんは店名に『堕天使』とか挿れてるんだもん、格好のターゲットだね」
善子「毎日毎日来られるからうんざりよ。あいつら暇なの?」
善子「そうそう、きょうはその件で気になることがあって?」
桜内「どんなこと?」 善子「キリスト教の集団に知った顔がいたの」
善子「内浦のひとよ、確か」
桜内「えっ嘘!? 誰なの!?」
善子「それがねー。喉まで出かかってるんだけど、名前が出てこない」 桜内「どんな外見」
善子「髪型はショートカットで……そんな感じ」
桜内「それだけじゃ全然わからないんですけど」
善子「私にとってはさほど重要人物じゃなかったようね」
善子「まあ、思い出したら教えるわ」 桜内「もう半端に気になるじゃない」
善子「もうひとつ、大きな話題があるわ」
桜内「それも消化不良な話題じゃないでしょうね?」
善子「今度こそビックニュースよ。リリーったら、腰を抜かすわよ」
桜内「本当〜?」 善子「うちの店の近くに、新しい風俗店がオープンするの」
善子「『感じるVR風俗』を謳っているわ」
善子「どう? びっくりした?」
桜内「それって……うちのライバル店ってこと?」 善子「そうなるわね」
桜内「いつオープンするか知ってる?」
善子「もうしてるわよ。三日前だったかしら」
桜内「早く教えなさいよ! 昨日もおとといも来てるでしょあんた!」
善子「そ、そんな怒らないでよ〜」 桜内「こうしちゃいられないわ」
桜内「早速敵情視察に行ってきます!」
桜内、部屋を飛び出すように出ていく
――
善子「じゃあ、私もお暇しようかしら」
かすみ「あの〜ヨハネさん」 善子「あら?」
善子「この堕天使ヨハネになにか用?」
善子「ひょっとしてあなたもリトルデーモンになりたいのかしら?」
かすみ「ヨハネさんのお友だちという方が訪ねて来られているんですが」
善子「へ!?」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています