0091名無しで叶える物語(やわらか銀行)
2018/05/12(土) 01:06:48.74ID:W2PjMw5p刀は甲高く会場に水を打ち、いっときの静寂を生んで。
『ネコは再び躍り出ます』
太鼓も、囃子も、棘人も、人も。
『刀を前に、幾百もの冷蔑の前に、その身を晒して、叫びます』
その全てが口を噤む。
『そんなことせずとも、私たちは手を取り合えるはずだろう!』
ダイヤ「希…さん? なにを…」
『トゲを斬り落とすようなーー尊厳を奪うような真似をせずとも!』
希「トゲで身体が傷付いてもいい。ケンカで心が傷付いてもいい」
『ネコは振り向きます』
希「ウチは、ウチを傷付けない相手と仲良くなりたいわけやない」
『構えられた刃に背を向け、泣きじゃくる少女に向き合います』
希「ウチは、黒澤ダイヤと仲良くなりたいんや」
『ネコは無数のトゲをその身に受けて、かたく少女を抱き締めます』
希「行こう。ダイヤちゃん。ウチはウチの意思でーー」
希「貴女の手を握るよ」
占占占