善子「顔がない」
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ゾンビと同じだと考えるなら思考も単純なはず...
抜け穴を使えば簡単に撒けるはずだわ!
善子「ここを通って....」
ギュッ
善子「....へっ」
お、お尻が引っ掛かった!?
た、確かに通ってたのは小さい頃だし穴自体も決して大きいものでは無いけど....
善子「このっ....ぬんっ!」
すぽっ
やっとのことで抜けることが出来た...
ちょっとお尻の周りがヒリヒリする....
善子「....ちょっとご飯の量減らそうかしら」
なんてことを考えながら空き家の中へと私は入った 空き家の中は以前来たときよりも明らかにボロくなっており不気味さが増している
でも、この闇っぽい感じが私の心をくすぐるのだ
善子「まあ、そういうのを堪能するのはこの現象が解決してからにするとして....」
今の状況を把握しないと....
善子「とりあえず、みんながゾンビ化して同じ言葉を繰り返していると」
ゾンビというのもおかしいかもしれないけど、顔がなくて急に襲ってくるなんてゾンビみたいなものよね
『まきちゃん』って何なのよ...
善子「うっ」ズキ
少し頭が痛む、ストレスかしら....
善子「もしかしたら、私もやがてあんな風に...」
そう考えると嫌でも背筋が凍ってしまう
善子「....そうだ、他のみんなはどうなのかしら」
とりあえずSNSで確認を....
「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」 「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」
善子「うぐっ....ネットでもこれなのね」ズキズキ 善子「これじゃあどうしようも....あれっ」
確かこのアカウント、昨日見た気が....そうっ、昨日「のっぺらぼう」を教えてくれた人....
善子「しまった!!」
音楽のことを教えるのを忘れてた!!
イヤホンして寝落ちするのなんて普通連続でしないし、異常事態になってる時にバンド練習なんかしてる場合じゃない !!
善子「つ、伝えておけば良かった...」
でも、それじゃあ無事なのって私だけ!?
私一人でこの現象に立ち向かわないといけないっていうの!?
善子「.....あっ、そうだ!!」
まだ一人いるじゃない、この現象を誰よりも知っていて対策を教えてくれた人が!! 善子「.....」
よし、ここまで来れたわね
人の目を掻い潜ってたどり着いたのは昨日の公園....
善子「ここにマッキーさんが....」
確かドーム状の遊具に隠れてるって...
善子「マッキーさーん、いますかー?昨日の女子高生ですー」
シーン...
返事がない...寝てしまっているのだろうか?
私は恐る恐る遊具に近付く
ドーム状の遊具には穴がいくつか開いており、その内の1つから覗いてみる
善子「マッキーさーん?」
真っ暗で何も見えない
善子(もっと近付いて...)
私が中を覗こうとしたその瞬間
「まきちゃん」
小さな何かがこちらへ伸びてきた 善子「ひっ」
避けられなっ
ぐいっ!!
善子「ぐえっ」
襟首を掴まれ後ろへ引っ張られる!
ドサッ
私は勢いよく尻餅をついてしまった
マッキー「間一髪ね」
善子「けほっ....あなたねぇ!」
マッキー「走るわよ、急いで」
善子「はっ、何が」
ドームの穴の中から何かが這い出てくる
それは
小さな子ども
違うことは
「まきちゃん」
それが正気ではないこと マッキー「ほらっ、走って!」
善子「わ、わかってますって!」
他のゾンビが来るまでに急いでその場を離れる
......
しばらく走って先ほどの空き家へと戻ることができた
マッキー「ハァ...煙草、止めた方がいいかしら...ゼェ」
善子「ハァ...ハァ...」ズキズキ
頭痛がさっきよりも酷くなってきた気がする...
善子「全く、昨日といい一体何が起こってるのよ!」
マッキー「ゼェ...まさか、こんなにも症状が早く進むなんて」
善子「えっ?」
マッキー「昨日、早ければ1日なんて言ってたけど『モブ化』なんて1日で完了するとは思ってなかったのよ」
善子「モブ化!?どういうこと?」
マッキー「こうなった以上、もう一刻の猶予も許されないわ、急いで準備をしないと...」
善子「ちょっと!!私を置いていかないでよ!!」
マッキー「でも危険よ?」
善子「ここで置いてかれた方がよっぽと危険よ、第一あなた一体何者なの!?」
マッキー「言ったでしょ、ただの医者見習って」
善子「それだけで納得できるわけないでしょ!!」
マッキー「....しょうがないわね、教えてあげる、けど条件があるわ」
善子「条件?」
マッキー「あなたのお家のシャワー貸してちょうだい」
善子「シャワー?何でよ?」
マッキー「いいから」
善子「わ、わかったわよ!その代わり何が起きてるかもしっかり説明しなさいよね!?」
マッキー「ええ....それじゃあとりあえず、私は医者見習いで」
マッキー「元スクールアイドルよ」 善子「.....」
シャワーの音がする
家へと無事戻れたと言うように何故か全く心が休まない
思えば私が人を家に上げるなんていつぶりだろうか
しかも、相手は歳上の女性....
バタン
ドアの開く音にびくっと身体が反応してしまう
マッキー「ふぅ....さっぱりしたわ、ありがとね」
濡れた髪、上気した頬、光る肢体
思わず見蕩れてしまう
善子「綺麗....」
自然とその言葉が口に出てしまった
マッキー「ふふっ、ありがと」 マッキー「...っと」
新しい綺麗な白衣を着て、マッキーさんは椅子に座る
善子「白衣何着持ってるのよ...」
マッキー「なんか無いと落ち着かないのよねぇ」
善子「そうなんですか...」
会話が続かず黙ってしまう
もう一度マッキーさんを見てみる
顔色は良くないが綺麗な顔立ち、スラっとしたスタイルで赤い髪も....
....ん?
やっぱり見たことあるような.... マッキー「どうしたの?」
善子「やっぱりマッキーさん、何処かで見たことあるような気がして...」
マッキー「....え?」
善子「え?」
マッキー「あなた、まだわかってなかったの?」
善子「え....何が?」
マッキー「っ....はぁ、私自意識過剰だったのかしら、スクールアイドルやってたって言うからてっきり知ってるかと」
善子「スクールアイドル?」
ちょっと待って、この人スクールアイドルだったってこと!?
それにこの赤髪....まさか
善子「μ'sの....西木野....真姫?」
真姫「やっと気付いたのね....」
マッキーこと、西木野真姫は深くため息をついた 善子「いやだって....」
やつれた顔して
煙草吸ってて
公園で寝泊まりしてて
白衣で生活してるのが
善子「あんな不審者丸出しの行動してた人が西木野真姫なんて思うワケないでしょ!?」
伝説のスクールアイドルグループ、μ'sのメンバーが目の前にいるというのに私はまだ半分信じられない気持ちだった
真姫「ぐうの音も出ないわね...」
善子「いや、でも....」
真姫『見つかっちゃいけないのよ、私』
『まきちゃん』
善子「あー、だからみんなまきちゃ」
真姫「ダメ」
真姫さんに唇に指を当てられた
善子「っ///」
真姫「私の名前を、言っちゃダメ」 善子「ど、どういうことですか?」
真姫「今から説明するわ」
真姫「これまでの現象についても、ね」
真姫さんが椅子に座り直す
真姫「私たちμ'sは秋葉ドームでラストライブを行った後、解散したわ」
真姫「でも、ファンの中には復活を望んでた人もたくさんいる」
真姫「その熱狂的なファンの中にある『天才』がいたのよ」
善子「天才?」
真姫「そう、脳科学とかの方面の若手一番のホープ」
善子「へぇ....」
μ'sにはそんな人でさえも虜にする魅力があったんだ... 真姫「その科学者は危機を感じていた」
真姫「『復活希望』を望む声が小さくなっているとね」
真姫「依然として活動は続いていたけれど、諦めの声も大きかった」
真姫「彼女達が決めたことを曲げるのはよくないと反対する者もいた」
真姫「そこで科学者は考えた」
真姫「μ'sのファンをまた増やせばいいのだ、と」
真姫「新規のファンは新たに供給されるものがない、復活を渇望し我らの味方になるだろうと」
善子「そんな...もう解散したグループのファンを爆発的に増やすなんて普通無理よ」
真姫「だから彼は自身の知識を使いμ'sのファンを増やす手段に出た」
善子「それってまさか...」
真姫「そう、催眠よ」 善子「そんなの無理に決まってるでしょ!?」
真姫「ええ、そうよ」
真姫「人はそれぞれの個性やアイデンティティを持つ」
真姫「つまり、それぞれに対応した催眠をしなければならない、それを社会現象が起きるまでかけるなんて、そんなの何年かかってもできっこない」
善子「じゃあ何でみんな洗脳されてっ!」
真姫「だったら1度壊せばいい」
真姫「対応できないのならば、一度壊して無個性にして、真っ白な状態にすれば簡単なプログラムで洗脳できる」
真姫「彼の研究は目論見通りになった」
真姫「彼の洗脳装置から発せられる電波は耳から侵入し、無個性になった人物はいわゆる『モブ化』して顔が無くなった」
善子「っ、それって!!」 真姫「洗脳もμ's全員にする必要はない」
真姫「科学者は自身が一番好きな西木野真姫にターゲットを絞り、彼女のファンを作り出す洗脳装置を作った....」
真姫「洗脳内容も単純にしたせいか彼女のファンへと洗脳された者は私の名前をずっと呼び続ける化物へと変わった」
真姫「これが事の顛末よ」
善子「そんな....」
真姫「洗脳装置は特殊な音波を夜に流す、電波はジャックされ全国で流れ現在は音波が届かないような場所に逃げ込むかイヤホン等で防ぐしか術は無いわ」
善子「私を襲ってきたのは?」
真姫「洗脳されている人にも同じようなものが出ててね、彼らに捕まってある程度くっつかれてたら数分後には彼らの仲間入りしてるわ」
善子「っっ...」
....ぞくっと背筋が凍るような気がした 善子「っ....」ズキズキ
真姫「頭痛がするでしょ」
善子「えっ?」
真姫「洗脳された者達...患者って呼んでるけどその子達からの電波は昼夜問わず出てる、それが原因で頭痛がしてるワケ、遅かれ早かれ私たちもこのままじゃ患者入りよ」
善子「そんなっ!」
真姫「私たち、絶対絶命ってワケよ」
善子「じゃ、じゃあ早くその科学者を見つけないと!!」
真姫「......」
善子「その人を説得して治療薬を開発してもらえばこの現象は止まるんですよね?」
真姫「....死んだわ」
善子「....え」
真姫「私が研究所を突き止めて行った時には彼は死んでいた」
真姫「事故か自殺かはわからない、ただわかるのはあの人は死んだということだけ」
善子「ち、治療薬は?」
真姫「無いわ」
善子「嘘....でしょ」 善子「じゃあ、私たちはこのまま患者化するのを待つしか無いって言うの!?」
しかも、それを止められる人はもういない
この世の終わりを告げられたも当然じゃないの!!
真姫「諦めるにはまだ早いわよ」
善子「えっ?」
真姫「『治療薬』は無いとは言ったけど『治療法』が無いなんて私は言ってないわよ」
善子「っ、それじゃあ!」
真姫「ええ、治す方法は1つだけあるわ、これは私にしか出来ないことだけれども...」
善子「えっと、何をするんですか?」
真姫「まずは....テレビ局を襲う」 善子「....は?」
真姫「ここだとテレビ静岡かしら、これから準備するわよ」
善子「ちょ、ちょっとぉ!?」
真姫「私の車に色々と入ってるから今から取りに行くわよ」
善子「待って待って待って!!意味がわからないんだけど!?」
真姫「洗脳者....私が患者と読んでいる人達にはショック療法が必要なの」
真姫「つまり、私がみんなの前に顔を出さなきゃならない」
真姫「広範囲に影響が広がっている以上テレビで放映するのが一番確実なのよ」
善子「えっ....それって」
真姫「どうしたの?道中には患者がたくさんいる、日が沈む前に行かないと不意討ちを食らうことも...」
善子「それって配信じゃダメなんですか?」
真姫「?」 .......
真姫さんの指示で私たちは屋上に移動した
屋上の扉には鍵をかけたし見付かっても多少は時間を稼げるでしょう
真姫「えっと....これで大丈夫かしら」
善子「はいっ、これでスタート押したら放送が始まります」
真姫さんの手には私のタブレットが握られている
真姫「ネットで生放送って...確かにこういうサービスは知ってたけど選択肢になかったわ」
真姫「でも、こういうのって人数制限とか大丈夫なの?」
善子「あっ、ミラーっていうのがあって」
真姫「ミラー?」
善子「生放送の画面を写して生放送するんです」
真姫「?イミワカンナイ」
善子「まあ、たくさんの人が見れるってことですよ」
真姫「まあ、あなたを信じることにするわ....それじゃあスタート」
ポチ 真姫「えーっと皆さんお久しぶりです、μ'sの西木野真姫です」
善子「えっと....それじゃあ人数はっと」
私はスマートフォンで人数を確認してみる
『満員です』
善子「.....は?」
も、もう....?
善子「み、ミラーは!?」
1、2、3、4....まだまだ増える!?
善子「まさかここまで早いの!?」
これ、サーバーパンクするんじゃないわよね!?
善子「これまさか....」
私は一度下に降りて家のテレビをつける
NHK
真姫『えっと....私の声、ちゃんと聴こえるかしら?』
善子「NHKがネットの生放送を生中継って...前代未聞でしょ....」
これ、たぶん他の国でも放送されてそうだわ... 私は屋上に戻り真姫さんに全国で放送されていることを伝える
真姫「わかった、ありがとう....みんな久しぶり、元μ'sの西木野真姫よ」
真姫「私のこと覚えているかしら...って」
『まきちゃん』『まきちゃん』『まきちゃん』『まきちゃん』『まきちゃん』『まきちゃん』『まきちゃん』『まきちゃん』
真姫「っ....」
善子「コメントもそれになるのね...」ズキズキ
真姫さんが言っていた音波というのはあの『まきちゃん』というの反応するのだろう
思えば患者達に会ってされてきたのはずっと『まきちゃん』と言われ続けてきたことだ
善子「でも、まさか文字にまで効果あるなんて....」ズキズキ
さっきよりも頭痛が酷い、本当に早く解決しないとヤバいかも... 真姫「今から、歌を歌います」
真姫「アカペラだし、久しぶりだからボロボロかもしれないけど...でも、見ていてください」
スッ
真姫「................」
善子「あれ?」
どうしたのだろう
真姫「.....ウェールカームソーング♪」
善子「.....綺麗な声」
善子(でも....声が震えてる?)
確かに全世界を救うかどうかを決める唄なんて緊張するに決まってる
でもこれはちょっと毛色が違う....緊張とは違って...そうだ、これは
善子「.....恐怖?」 確かにこれで患者が戻らなければ世界は終わる、そんな事実に人は恐怖せずにいられないだろう
でも、これはそういう恐怖じゃない
プレッシャーとかそういう恐怖じゃなくて確実に訪れるものに対しての恐怖
私の中の直感がそう告げていた
善子(でもだったら何に対して恐怖しているというの?)
嫌な予感がする
善子「想像するのよ、堕天使ヨハネ」
そうだ、私はさんざん不幸な目に散々会ってきた
今回だってもしかしたら私は巻き込まれただけで私が洗脳されていたとしても事件は解決していたかもしれない
そうなれば私は恐怖した分不幸じゃないか
そう、不幸というのは恐怖に寄り添っているもの...
だったら、今まで体験した不幸を元に彼女が何を考えているか当たりがつくかもしれない
善子「私が今考えられる不幸、恐怖は....あっ!」
真姫『洗脳者....私が患者と読んでいる人達にはショック療法が必要なの』 大体ショック療法って何よ!?
今こうやって歌を歌うこと?
違う!!アイドルが歌を歌うなんて別に珍しくもなんともない!!
第一、歌うだけなら屋上に来る必要なんか無い!!
真姫「〜♪」
曲が終わる、真姫さんは.....フェンスの近くに!
このアパートの屋上は基本誰も利用しない!
そのせいでフェンスがボロボロになりところどころ破れてしまっている場所もある!!
善子「やばいっ!!」ダッ
真姫さんが大きく破れてしまっているフェンスに背を向ける!!
私が真姫さんに感じた恐怖は....
善子「死ぬことに対する恐怖よ!!」
真姫「みんな、バイバイ」
タッ
そう言うと真姫さんはゆっくりと後ろへ倒れていった
何もない空中へと
善子「届いてええぇぇぇぇ!!!」グァッ ガッ
真姫「っ......っ、あなた!!」
善子「ぐっ.....あ"あ"!!!」
めちゃくちゃ痛い!!!肩が外れそうだわ!!漫画で見たことあるけどこれめちゃくちゃ痛いじゃない!!
善子「はっ....やくっ....っ....持たなっ」
真姫「っ....でも、私は...」
善子「私がおちっ...んのよぉ!!!」
真姫「ヴェッ!?」
いや、これで持ち上げるとか無理だし!!
かと言って手離すとかも無理だし!!
でもこのままだと二人とも落ちるのよ!!
善子「おっ、お願い....だからっ」
真姫「っ....」
ぐっ、っと手が握り返された
善子「っ....せぇのっ!!」
真姫「やぁっ!!」
合図を出して私は精一杯の力で引っ張る ガシッ
真姫さんが塀の縁を掴み戻ってくる
善子「いっ、〜〜〜っ!!!」ジタバタ
解放された腕に痛みがドッと来て私は転げ回るしか無かった
真姫「っっっ....あ、あなただいじょっ」
善子「アイドルが!!」
真姫「っ!!」
善子「アイドルが...っ、ファンを悲しませて....っ、どうすんのよ!」
真姫「...........それは」
「「「「「まきちゃん」」」」」 善子「!!!」
真姫「!!!」
私たちは急いで塀から乗りだし下を見る!
「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」 「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」 「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」
善子「不味いわ、場所がバレた!!」
真姫「ヤバいわ、私たちが抵抗する手段なんて無いし、屋上じゃ逃げることも出来ないわよ!?」
善子「じゃあ何で屋上なんかにしたのよ!!」
真姫「飛び降りるためよ!!.....やっぱり私が死ぬショックで患者を目覚めさせるしか」
善子「あんた次それ言ったら頬ひっぱたくわよ!!」
真姫「ヴェェ...」 ダダダダ!!
でも時間が無い!
もうじき大量の患者がこの屋上に雪崩れこんでくる!!
善子「何か....何かないの!?」
思い出せ!!思い出すのよ堕天使ヨハネ!!!
真姫さんはショック療法が必要だと言っていた、何かここで衝撃的なものを見せれば
善子「何かっ....」
ダイヤ『善子さん、あなたもしかして....』
善子「っ!!!!」
ガチャガチャ
保険にかけていた鍵ももう壊れそうだわ!!
....もうこれしか!!!
善子「っっ、真姫さん!!」
真姫「ヴェっ!?」
私は真姫さんの両肩を支える!!
ガチャン!!
善子「〜〜っっ!!ごめんなさい!!!」
そう言って私は
真姫「っっっ////!?!?!?」
真姫さんに口付けをした 善子「んっ....///」
真姫「ちょっ、んっ....っ、〜〜〜っっっっ!!?///」ジタバタ
.........
善子「っ///けっ、契約完了...なんちゃって」
真姫「.....///」ポー
善子(....し、舌まで入れたのはやり過ぎだったかしら///)
善子「っ、患者は!?」バッ
患者「....まき、ちゃん」シュワアア...
善子「な、何これ!?」
希「どうやら患者の元になった研究者は百合好きでもあったようやな、患者達は満足感でいっぱいになりショートした...これでみんな元通りや」
善子「....よ、良かった〜、って誰!!?」バッ
善子「い、いなくなってる....」 ...........
あれから一週間が経った
患者達はモブ化した記憶をすっかり失ってみんな元通りとなった
まあ、そのせいで全世界に突発的に起こった大事件として今もワイドショーで話題が持ちきりだけどね
原因不明の夢遊病か、どこかの国のテロ行為か、はたまた宇宙人が侵略か...
まあ、誰も一人のアイドルファンが復活のために起こしたものだなんて思わないでしょうね
曜「善子ちゃん、おはよーそろー!」ビシッ
善子「はいはい、行きましょ」
そんなこんなで私は普段の日常に戻ってきたのだった 曜「....あれっ?」
善子「どうしたの?」
曜「校門前に人だかりが出来てる...」
善子「えっ?」
あれ、あの赤い髪って....
ダイヤ「私、昔からμ'sの大ファンでして!」
真姫「え、えぇ、ありがとう...」
善子「真姫さん!?」 タッ
善子「真姫さん何でここに!?」
真姫「いや、あれから怪我とか頭痛とか色々大丈夫だったかなって気になって」
善子「あっ...うん、頭痛は無くなったし、肩の痛みも大分引いたわ」
真姫「そう、良かった...」
善子「?」
その確認のためにわざわざ来てくれたの?
ダイヤ「よ、善子さん!あなたμ'sの西木野真姫さんと関係がおありでしたの!?」
善子「え、まあちょっと...」
ヤバい、ざわざわしてきた...
みんなに患者の時の後遺症が残っていないとは限らない
こんなところで真姫さんが話題になったらまた再発なんてこともあるんじゃ... 真姫「えぇ、そうよこの子はね...」
グイッ
善子「へっ?」
急に真姫さんに腕を引っ張られて体勢を崩す
そしてウチの学校の大勢が見ている中....
真姫「んっ///」チュッ
善子「っっっ///!?!?!?」
真姫さんは私に唇を重ねてきた
「「「「「!?!?!?!?!?」」」」」
善子「へっ!?ええええええぇ////!?!?」 鞠莉「Wa-o♪」
ダイヤ「スキャンダルですわ!スキャンダルですわ!!!」シュッポポー
果南「ダイヤ!?」
ルビィ「お姉ちゃんが壊れちゃった!!?」
梨子「....」ダラダラダラ
千歌「梨子ちゃん!?」
花丸「梨子ちゃんが鼻血を出したまま気絶してるずら!?」
善子「まっ、真姫さん///これっ、何でっ///」
曜「わっ、善子ちゃん凄く...」
真姫「さん付けなんてダーメ♥??私のことは...」
曜「顔が赤い」
真姫「『まきちゃん』、って呼んで♥??」
終わり エタった時はそのまま飛び降りるルートで書こうとしていましたが思いきってハッピーエンドに変えてみました
読んでいただきありがとうございました、読んだことあるって言ってもらえて嬉しかったです ちゃんとテンプレに従ってて草
エタる前から楽しみだったよ乙 定期ネタを大事にしつつ良い感じにクロスさせてて面白かった
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