ダイヤ「あら……さっきと時間が変わってませんわね」
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◇生徒会室◇
ダイヤ「……では、まさか」パカッ
ダイヤ「19時……そんな!」
ダイヤ「……」チラッ
ザーッ
ダイヤ(豪雨のせいで空模様は変わらず)
ダイヤ(放送機器故障で下校の鐘も……)
ダイヤ「花丸さんも気づかなか──」
花丸「気付いてたずら」
ダイヤ「え?」
花丸「時計の電池は抜いたずら」
花丸「……わざと」スッ
ダイヤ「なぜ……そんなことを?」
花丸「ダイヤさんと二人きりになるため……ずら」ニコッ ダイヤ「……意味が、分かりませんわね」
ダイヤ「花丸さんにそんなことをする理由はないと」チラッ
ダイヤ「思いますが……」
ダイヤ(嫌な予感しかしませんわね……)
ダイヤ(逃げ場は……花丸さんの後ろ)
ダイヤ「……」
花丸「鍵は締まってるずら」
花丸「マルを抜いても鍵を開けるまでに捕まえるから」
花丸「無駄ずらよ」
ダイヤ「逃げるなんて……」
花丸「嘘は良いずら」
花丸「つまらないから」
花丸「分かってるから」
花丸「知ってるから」
花丸「無意味だから」
花丸「でも……」ガタンッ
ダイヤ「!」
スッ……
花丸「分かりきったマルを騙せたら凄く格好良いから……」
花丸「聞かせてほしいずら」ニコッ ダイヤ「ぅ……」
ダイヤ(な、なにか……)
ダイヤ(ですが、適当なことを言えば)
ダイヤ(きっと花丸さんは許さない)
ダイヤ(何をされるかわからない)
ダイヤ(ですが、嘘をつかなかったら)
ダイヤ(花丸さんは落胆して)
ダイヤ(なにかしてくるのでは……)
ダイヤ「実は……」
花丸「ずら?」
ダイヤ「花丸さんがおかしなことを言うので」
ダイヤ「何かあったのかと花丸さんを見ていただけですわ」 花丸「それは嘘ずらね」
花丸「マルがダイヤさんの視線を感じ取れないわけがない」
花丸「マルがダイヤさんの視線を追えないわけがない」
花丸「ダイヤさんの目はマルを見ていなかった」
花丸「後ろを見ていたずら」
……ギリッ
ダイヤ「ひっ」
花丸「いつものように」
花丸「マルなんか眼中に無かったずら!」
ダイヤ「も、申し訳ありません!」ビクッ
花丸「そんな怖がらなくて良いずら」
花丸「いつものように」
花丸「格好良いダイヤさんでいて欲しいずら」ニコッ
ダイヤ「……」
ダイヤ(花丸さんは終始笑顔)
ダイヤ(でもだからこそ聞こえた歯軋りが)
ダイヤ(強い怒鳴り声が)
ダイヤ(とても恐ろしい)
ダイヤ(まるで……断頭台で聞こえる砥石の音のようで) ダイヤ「すみません、逃げることを考えました」
ダイヤ「あまりにも突然で」
ダイヤ「まだ理解が追い付いていなくて」
ダイヤ「つい」
花丸「知ってたずら」
花丸「内心動揺しながら」
花丸「平静さを保って逃げ道を探そうとしてるから」
花丸「ワクワクしたずら」
花丸「もしかしたら出し抜かれるかもしれないって」
花丸「けど、残念」
花丸「……でも」パンッ
花丸「不意をつかれると弱いダイヤさんも」
花丸「可愛くて好きずら」
ダイヤ「あ、ありがとう……」
花丸「ダイヤさん、マルは好きずらか?」
花丸「それとも嫌い?」
ダイヤ「それは……」
ダイヤ(どちらかと言われれば)
ダイヤ「好き、ですわ」
ダイヤ「そもそも」
ダイヤ「嫌いな人と二人きり」
ダイヤ「それがあり得ませんでしょう?」 ダイヤ「……意味が、分かりませんわね」
ダイヤ「花丸さんにそんなことをする理由はないと」チラッ
ダイヤ「思いますが……」
ダイヤ(嫌な予感しかしませんわね……)
ダイヤ(逃げ場は……花丸さんの後ろ)
ダイヤ「……」
花丸「鍵は締まってるずら」
花丸「マルを抜いても鍵を開けるまでに捕まえるから」
花丸「無駄ずらよ」
ダイヤ「逃げるなんて……」
花丸「嘘は良いずら」
花丸「つまらないから」
花丸「分かってるから」
花丸「知ってるから」
花丸「無意味だから」
花丸「でも……」ガタンッ
ダイヤ「!」
スッ……
花丸「分かりきったマルを騙せたら凄く格好良いから……」
花丸「聞かせてほしいずら」ニコッ 花丸「確かにそうずら!」
花丸「ダイヤさんはマルのこと好き」
花丸「……ふふふっ」
花丸「嬉しいずら」
ダイヤ(そう笑う花丸さんはいつものようで)
ダイヤ(さっきまでが夢にも思えて)
花丸「じゃぁ、ルビィちゃんとどっちが好きずら?」
ダイヤ「え?」
花丸「教えて欲しいずら〜」ニコニコ
ダイヤ(やはり違うなにかだと)
ダイヤ(改めて感じる笑みだった)
ダイヤ「実の妹ですから」
ダイヤ「そう言われるとルビィになりますわね」
ダイヤ「花丸さんには申し訳ありませんが」
ダイヤ「やはりルビィに変わるものは……」
花丸「家族としてルビィちゃんが好き」
花丸「ダイヤさん」ジロッ
ダイヤ「!」
花丸「じゃぁ、恋愛的な意味ではどうずら?」
ダイヤ「なっ」
花丸「知りたいずら」ニコッ ダイヤ(花丸さんのことですから)
ダイヤ(わたくしが家族的な意味で答えると)
ダイヤ(分かっていたことでしょう)
ダイヤ「恋愛……ですか」
ダイヤ(……問題はそこではありませんわ)
ダイヤ(問題は、わたくしとルビィ)
ダイヤ(二人だけの秘密を知っている可能性があるということ)
ダイヤ(学校ではもちろん)
ダイヤ(家でも本当に安全な時にしか行わない秘密)
ダイヤ(それを……)チラッ
花丸「正直に答えてくれて平気ずら〜」ニコニコ ダイヤ(花丸さんが知っていた場合)
ダイヤ(わたくしが嘘をつけば今度こそ……)
ダイヤ(逆に花丸さんが知らない場合)
ダイヤ(わたくしが真実を口にしたら弱味を握られてしまう)
ダイヤ(わたくしだけでなく、ルビィまでも)
ダイヤ(それは恋愛的な意味ではないと誤魔化す?)
ダイヤ(誤魔化すことができる……?)
ダイヤ(この、花丸さんを騙せる?)
ダイヤ(……怖い)
ダイヤ(花丸さんが、怖い)
ダイヤ(せめてルビィだけは、守らないと)
ダイヤ(……守るために)
ダイヤ「恋愛的な意味ですと、スク」
花丸「スクールアイドルは恋愛禁止は禁止ずら」
ダイヤ「……」
花丸「……それなら断捨離必須ずら」ボソッ
ダイヤ「そ、そうですか」
ダイヤ「あまり他言したくはないのですが……」
ダイヤ(無理、ですわね) ダイヤ「……それでも、ルビィ。ですわ」
ダイヤ「ですが、それはわたくしの一方的なもの!」
ダイヤ「ルビィはただ受け入れてくれているだけですから」
ダイヤ「どうか……」
ダイヤ「ルビィを嫌いにならないで」
花丸「……?」
花丸「どうして嫌いになるずら?」
ダイヤ「どうしてと言われましても……」
ダイヤ「近親で……ですから」フイッ
花丸「心配しなくてもそんなことで嫌いにはならないずら」
ダイヤ「花丸さん……」
ダイヤ(ルビィとの関係に対する驚きはなく)
ダイヤ(やはり知っていたと、察して)
ダイヤ(しかし)
ダイヤ(花丸さんは穏やかだったから)
ダイヤ(わたくし達の関係を否定したりしないから)
ダイヤ(安堵して……)
花丸「ルビィちゃんが死んでも愛せるずらか?」
ダイヤ「は……?」
ダイヤ(また、戦慄する) 花丸「例えば交通事故」
花丸「小さな体はあらぬ方向に曲がり、いたるところから赤い液体が流れ出ていても」
花丸「例えば溺死」
花丸「矮躯はぶよぶよと大柄になって見る影もなく、ぐちゃぐちゃでも」
花丸「例えば焼死」
花丸「綺麗な肌はこんがりと真っ黒で、さらりとした髪はどこにもなくても」
花丸「例えば中毒死」
花丸「可愛らしい顔は苦しみに喘ぎ、苦痛に歪んだ酷いものだとしても」
花丸「例えば転落死」
花丸「握り潰したトマトのように果肉が飛び散りルビィちゃんらしさが砕けていても」
花丸「ダイヤさんはルビィちゃんを愛せるずらか?」 ダイヤ「は……」
ダイヤ「え……」
ダイヤ「いや……」
ダイヤ「ま、待って下さい!」
ダイヤ「なんなんですの……その質問は!」
花丸「ダイヤさんがどこまでルビィちゃんを愛せるか気になったずら」
ダイヤ「な……」
ダイヤ(花丸さんはとても純粋な表情で、さらっと言う)
ダイヤ(まるで、他愛ない会話の一つのように)
ダイヤ(それがまた……恐ろしさを上乗せしていく) ダイヤ「そんな悲惨な死など……」
花丸「ダイヤさんがさせないずらか?」
ピカッ
ダイヤ「っ!」
ーードンッ
ダイヤ(どこか……)
ダイヤ(しかしけして遠くはない場所に雷が落ちて)
ダイヤ(校舎が強く揺れる)
花丸「でも、今。ここにルビィちゃんはいないずら」
花丸「ダイヤさんは傍にいないずら」
ダイヤ「あ……」
ダイヤ「っ……いや、ルビィはもう帰りました!」
ダイヤ「大分前に……家に!」
花丸「でも、ダイヤさんはここにいるずら」ニコッ ダイヤ「それが……なんですの?」
花丸「ルビィちゃんは優しいから」
花丸「ダイヤさんの帰りが遅いのを心配してるずら」
花丸「……こんな風に」パカッ
ダイヤ(そう言って花丸さんが見せたのは)
ダイヤ(わたくしが持っていたはずの携帯電話)
ダイヤ(時間を確認した際、机に置いてしまって)
ダイヤ(今の今まで忘れていた……)
花丸「お姉ちゃん、大丈夫?」
花丸「そう、来てるずら」
花丸「返事次第で、ルビィちゃんは出掛けるずら」
花丸「この雨、この雷の中」
花丸「雷で焼死、感電死、波に拐われ溺死」
花丸「飛んで来た物で頭蓋が割れて死に」
花丸「不安定な車に轢かれて交通事故」
花丸「大丈夫……ずら?」 ダイヤ「や、やめて!」
ダイヤ「それを今すぐーー」
花丸「もちろん返すずら」
ダイヤ「……え?」
花丸「マルは別にルビィちゃんを殺したいわけじゃないずら」
花丸「ただ、ルビィちゃんにこの時間を邪魔されたくないだけ」
花丸「……だから返事は、分かるずらね?」
ダイヤ「……」
ダイヤ(迎えを呼ばせるな……ということですわね)
ダイヤ(……)
ダイヤ「もちろんですわ……ただ、花丸さんは平気なのですか?」
花丸「平気ずらっ」
花丸「だから、さっさと送るずら」
花丸「時は金なり、過ぎては遅し。ずら」ニコッ ダイヤ(ルビィには心配無いこと)
ダイヤ(状況が状況で外泊することも伝えた)
ダイヤ(わたくしではあり得ないイレギュラーな遅い連絡に)
ダイヤ(親からも真偽の電話が来ましたが)
ダイヤ(花丸さんに代わったことで)
ダイヤ(変なことに巻き込まれていないと安心させてしまった……)
ダイヤ(いえ……それでルビィが守られるのなら)
ダイヤ(当然のことですわね)
花丸「ダイヤさん、マルはダイヤさんが好きずら」
ダイヤ「……わたくしは」
花丸「知ってるずら」
花丸「でも近親相姦なんてダメずら」
花丸「許されないずら」
花丸「だから……マルと付き合う方が良いと思うずら」
ダイヤ「わたくしは実妹を愛している」
ダイヤ「そこに、良し悪しなど関係ありません」
花丸「付き合ってくれないならバラすずら」
ダイヤ「……」
花丸「マル以外の誰かは容認するずらか?」
花丸「ルビィちゃんは、周りの目に堪えられる子ずらか?」 ダイヤ「わたくしを脅すのですか?」
花丸「ダイヤさんが欲しい」
花丸「ダイヤさんがいないなら」
花丸「ダイヤさんが手に入らないなら」
花丸「ダイヤさんが誰かのものになるなら」
花丸「マルはそんな世界」
花丸「どうなろうと知らないずら」
ダイヤ(急に、怖かった花丸さんが怖くなくなった)
ダイヤ(何を考えているのかわからない状況から)
ダイヤ(人間味……は薄いけれど)
ダイヤ(欲が顔を覗かせたから)
ダイヤ「それで……花丸さんは満足出来るのですか?」 ダイヤ「ぅ……」
ダイヤ(な、なにか……)
ダイヤ(ですが、適当なことを言えば)
ダイヤ(きっと花丸さんは許さない)
ダイヤ(何をされるかわからない)
ダイヤ(ですが、嘘をつかなかったら)
ダイヤ(花丸さんは落胆して)
ダイヤ(なにかしてくるのでは……)
ダイヤ「実は……」
花丸「ずら?」
ダイヤ「花丸さんがおかしなことを言うので」
ダイヤ「何かあったのかと花丸さんを見ていただけですわ」
花丸「それは嘘ずらね」
花丸「マルがダイヤさんの視線を感じ取れないわけがない」
花丸「マルがダイヤさんの視線を追えないわけがない」
花丸「ダイヤさんの目はマルを見ていなかった」
花丸「後ろを見ていたずら」
……ギリッ
ダイヤ「ひっ」
花丸「いつものように」
花丸「マルなんか眼中に無かったずら!」
ダイヤ「も、申し訳ありません!」ビクッ ダイヤ「……それで、わたくしの心が動くと?」
ダイヤ「好きになられないままで」
ダイヤ「花丸さんは満足出来ると?」
ダイヤ「空っぽのわたくしで良ければどうぞお持ちくださいな」
ダイヤ「好きになれ。命じられれば愛しましょう」
ダイヤ「ボタンを押せば計算してくれる電卓のように」
ダイヤ「従順でありましょう」
ダイヤ(可愛そうだと思った)
ダイヤ(惨めだと、ちっぽけだと)
ダイヤ(花丸さんに……同情した)
花丸「……」
ダイヤ「ですがけして、わたくしの本心を得られることはありません」
花丸「……」
花丸「良いずら」
花丸「それでも、ダイヤさんがマルの一部になるなら」
花丸「それでも、良い」ギュッ
ダイヤ「……そう、ですか」 ダイヤ(抱きついてきた花丸さんは)
ダイヤ(とても弱々しくて)
花丸「撫でて、欲しいずら」
ダイヤ(言われた通りに頭を撫でてあげると)
ダイヤ(嬉しそうに笑う)
ダイヤ(まるで先程までの姿が嘘のように)
ダイヤ(でも、誤魔化されない)
ダイヤ(心は動かない)
ダイヤ(ただ、可愛そうだと思うだけだっ た)
花丸「……ダイヤさん、好きずら」
ダイヤ「そうですか……」
ダイヤ(そして、わたくしと花丸さんの)
ダイヤ(けして心を許すことはない)
ダイヤ(同情で成り立つ脆い関係が始まった) ◇翌日◇
ダイヤ「では、ここまでといたしましょう!」パンパンッ
千歌「っはぁ〜疲れた……」
鞠莉「千歌っちは特に狙われていたからねぇ」ジー
ダイヤ「なんですの?」
鞠莉「べっつに〜? ダイヤが千歌っちを」
鞠莉「特に気にかけているとか、もしかしてなにかあるとか」
鞠莉「ノーシンキング。でーす」
ダイヤ「はぁ……?」
ダイヤ「残念ながら違いますわ」
ルビィ「あのね、お姉ちゃん。今日なんだけど……」
花丸「ルビィちゃん!」
ルビィ「は、花丸ちゃん?」ビクッ
花丸「ダイヤさんはマルがお願いしてることがあるずら」
花丸「悪いけど……」
ルビィ「そ、そうなんだ」
ルビィ「でも、今日は帰ってくるよね?」
ダイヤ「心配せずとも」
ダイヤ「今日は昨日とは違いますから」
ダイヤ「ちゃんと帰りますわ」 ダイヤ(更衣室でみんなを見送ってから)
ダイヤ(もう一度施錠する)
ダイヤ(誰かが忘れ物をして戻って来ても)
ダイヤ(施錠されていれば諦めるか)
ダイヤ(予備の鍵を取りに行ってる間に取り繕えるから)チラッ
花丸「……ダイヤさん」
ダイヤ「あんなことをされては困りますわ」
ダイヤ「確かに従順になると言いましたが」
ダイヤ「あれでは怪しまれますわ」
花丸「そ、そう……ずら」
花丸「でも……我慢できなくて」ギュッ
ダイヤ「……」
花丸「良い匂いずら」 ダイヤ「本当に分かっていますの?」
花丸「気を付けるずら……」
花丸「……だから、ルビィちゃんにしてるみたいにして欲しいずら」
ダイヤ「……」
ダイヤ「はぁ……高望みしすぎですわ……」
ダイヤ「同じようには不可能です」
ダイヤ「わたくしは花丸さんを本心で愛してはいないのですから」
ダイヤ「しても、これは紛い物ですわ」
花丸「分かってるずら」
花丸「それでも」
花丸「少しでも……欲しい」
ダイヤ「……」 ダイヤ「……仕方がありませんわね」
ダイヤ(そういう約束)
ダイヤ(ルビィの生活を壊さないために……)
ダイヤ「花丸さん、力を抜いて」スッ
ダイヤ「ゆっくり目を閉じて」
花丸「こ、こう……?」
ダイヤ「……ええ」
ダイヤ(初めてルビィにしたときを思い出す雰囲気)
ダイヤ(ゆっくり閉じた瞼は強く瞑られて)
ダイヤ(微妙に震えているのが初々しい)
ダイヤ「っ」フルフル
ダイヤ(ルビィとは違う)
ダイヤ(こんな紛い物が重なるなんて)
ダイヤ(烏滸がましい)
……チュッ
花丸「ぁ……」
ダイヤ「以上ですわ。ルビィにしていることは」 花丸「口付け……ずら……」
ダイヤ「ええ」
ダイヤ「ルビィとは触れ合う際に必ずしています」
花丸「なら、マルとも必ずしてくれる……?」
ダイヤ「……」
ダイヤ「わたくしから自主的にするのはルビィだけですわ」
ダイヤ「して欲しいなら、命じてくださいまし」
花丸「……命令」
花丸「それが、マルとルビィちゃんの違い」
花丸「……」
ダイヤ(花丸さんはどこか影のある表情で呟くと)
ダイヤ(黙り混んで、首をふる)
ダイヤ「嫌ならやめても構いませんのよ?」
ダイヤ「わたくしには、思い入れなどありませんから」 花丸「そっか」
花丸「じゃあ、して欲しい……」
花丸「じゃない」
花丸「ダイヤさんはマルに必ずするずら」
ダイヤ「……」
ダイヤ「わかりましたわ」
……チュッ
花丸「ん……っ」
ダイヤ「これは、誓い」
ダイヤ(紛い物の、偽りの)
ダイヤ(可愛そうな花丸さんを慰めるための)
ダイヤ(わたくしの心無い接吻) ダイヤ「今日は遅くなるわけにはいかないので」
ダイヤ「もう帰りますわよ」
花丸「待って」
ダイヤ(そう言った傍から)
ダイヤ(花丸さんはしがみついてきて)
ダイヤ「離れてくださいな……」
ダイヤ「言いましたでしょう?」
ダイヤ「今日はルビィのことがありますから」
ダイヤ「帰らなければならないと」
花丸「……ルビィちゃん」
花丸「また……ル……ま……」ボソ
ダイヤ「花丸さん?」
花丸「それなら、仕方ないずら」ニコッ ダイヤ「今、何か……」
花丸「あー聞こえちゃったずら?」
花丸「ルビィちゃんは羨ましいって言っただけ」
花丸「……ただ、それだけ」
花丸「だから別に、なんでもないずら」
ダイヤ(花丸さんは笑う)
ダイヤ(照れ臭そうに)
ダイヤ(でもわたくしには……どこか)
ダイヤ(それが歪に思えた)
ダイヤ(それから毎日)
ダイヤ(わたくしは花丸さんと口付けをした)
ダイヤ(朝早い校舎)
ダイヤ(授業の合間)
ダイヤ(昼休み)
ダイヤ(放課後)
ダイヤ(使用している教室で)
ダイヤ(使用されていない教室で)
ダイヤ(体育倉庫……更衣室)
ダイヤ(図書館……花丸さんの家)
ダイヤ(まるで、それが日課のように)
ダイヤ(いえ、日課だった)
ダイヤ(花丸さんに命じられた)
ダイヤ(慰めるための、日課) ◇黒澤家◇
ダイヤ(あれから一週間……)
ルビィ「んっ……っは……」チュッ
ルビィ「んぅ……」
ルビィ「んちゅ……はぁ……ふ……」
ルビィ「お姉ちゃ……」ギュッ
ダイヤ「っは……」
ルビィ「なんか、上手に……なった感じがする」ニコッ
ダイヤ「……それは、良かったですわ」
ダイヤ(ルビィの嬉しそうな顔が)
ダイヤ(胸を痛めるような感覚を覚えるようになった)
ルビィ「お姉ちゃん、少し前までなんかぶつかって痛かったのに」
ルビィ「今は優しくて」
ルビィ「柔らかくて」
ルビィ「でも、強くて」
ルビィ「ルビィ……好き」
ダイヤ「ふふっ、そう言われると嬉しいですわ」
ダイヤ(……嬉しい?)
ダイヤ(ルビィが喜んでいるのは)
ダイヤ(わたくしが花丸さんと関係を持ってしまった結果)
ダイヤ(そんなこと……)
ダイヤ(素直に喜べるわけがありませんわ) ルビィ「……ところで、さ」
ダイヤ「はい?」
ルビィ「お姉ちゃん、最近花丸ちゃんと」
ルビィ「凄く仲が良いよね」
ルビィ「……何か、あったの?」
ダイヤ(ここで自白できたらどれだけ……)
ダイヤ(ですが、したら最後)
ダイヤ(全てが壊れてしまう)
ダイヤ(当然、Aqoursも)
ダイヤ(そんなことは……)
ダイヤ「一応、花丸さんとはユニットを組んでいるもの」
ダイヤ「進展もありますわ」 ルビィ「そっか」
ルビィ「そうだった」
ルビィ「果南さんとは変わらないけど」
ルビィ「元から仲が良いからそういうものだよね〜」ニコッ
ダイヤ「!」ゾクッ
ルビィ「じゃぁ、さ」
ルビィ「今日のお昼休みと放課後」
ルビィ「……予約、出来る?」
ダイヤ「え、ええ……」
ダイヤ「ですが、放課後はせーー」
ルビィ「ルビィも手伝う!」
ルビィ「それなら、良いよね?」
ダイヤ「……ええ、構いませんわ」 ◇学校◇
ダイヤ「っ……」ビクッ
花丸「ん……ちゅ……」
花丸「っは……ぁ……」
花丸「首……出して」
ダイヤ「……」グイッ
花丸「ぁむっ」パクッ
ダイヤ「ーーんっ!」
花丸「……ダイヤさん、朝、ルビィちゃんとした?」
花丸「いつもより、感度が良いずら」
ダイヤ「それは……」フイッ 花丸「別に良い……」チュッ
ダイヤ「っ……」
……ペロッ
花丸「んちゅっ……はぁ……んっ」
ダイヤ「んっ……ぅ……ぁ……」
……ポタッ
花丸「あ……」
花丸「ダイヤさんの……涎……」
花丸「……ちゅっーーじゅるっ」
ダイヤ「んぐっ」ビクンッ
ダイヤ「っは……!」
ダイヤ「そ……そこまで許した覚えは!」
花丸「舌は入れてないのに」ハァ… 花丸「ならダイヤさんは抵抗するの禁止」
グイッ……チュッ
ダイヤ「んっ……離……」
チュルッ……チュッ……
……ジュルッ
ダイヤ「はぁ……ぁ……はぁ……ふ……」
花丸「……そう、ダイヤさんはマルに反抗したらダメずら」
花丸「これは、命令」
ダイヤ「命令……ですが……」
ダイヤ(体は意に反して正直で)
ダイヤ(疼かないと言えば嘘になる)
ダイヤ(ですが、さすがに許容範囲を越えていると)
ダイヤ(すぐに頭では否定が囁かれました)
ダイヤ(しかし、ルビィとの件がばらされるのではないか)
ダイヤ(すべてを壊されるのではないか)
ダイヤ(そんな恐怖があって……)
ダイヤ「……」
花丸「舌は入れない」
花丸「だから、溢れ出る湧水に口をつけるくらいは」
花丸「許して欲しい……ずら」ギュッ ダイヤ「……猫を、かぶらないでくださいな」
ダイヤ(懇願してみせる花丸さんを止めて)
ダイヤ(一息)
ダイヤ(唇に空気が触れる度)
ダイヤ(ルビィの小さく、薄く柔らかな唇と)
ダイヤ(花丸さんの少し厚く、微かに乾いた名残の濃い唇が)
ダイヤ(脳裏に浮かぶ)
ダイヤ「……どうせ、拒否すればルビィを傷つけるのでしょう?」
ダイヤ「好きに、して下さい」
ダイヤ(もう、キスの回数は花丸さんの方が上だった)
ダイヤ(それからまた、何度かキスをして)
ダイヤ(口元から伝う度に)
ダイヤ(花丸さんの舌が滑り、唇が張り付く)
ダイヤ(それはとても……)フルフル
花丸「……今日の昼休みと、放課後はルビィちゃんの予約」
花丸「それで間違いないずら?」
ダイヤ「……はい」
花丸「出来なくて残念……」
花丸「マルはそう思うけど」
花丸「ダイヤさんはどう?」
ダイヤ「ルビィが優先」
ダイヤ「わたくしは変わりませんわ」 花丸「そっか」
花丸「ダイヤさんは相変わらずずら」
花丸「……でも、そんな頑ななダイヤさんが」
花丸「マルは好きずら」スッ……
ダイヤ「っ!」
パシンッ
ダイヤ「そこは……」
ダイヤ「そこは命令でも、触れさせるわけにはいきませんわ」
花丸「もっと気持ちよくなれるのに……残念」ニコッ
ダイヤ「それでも……」
ダイヤ「許せないことはありますわ」
ダイヤ(花丸さんの言う気持ちの良いこと)
ダイヤ(それがどのようなものか)
ダイヤ(わたくしは解っている)
ダイヤ(ルビィとまだ越えていない一線の先)
ダイヤ(下腹部への接触)
ダイヤ(愛し合う者達の触れ合いはきっと)
ダイヤ(蜜よりも甘く、心は砂糖よりも溶けやすくなる)
ダイヤ(一人で触れて感じるものが魅惑的なものとなって脳裏に響く)
ダイヤ(これよりも、心地良いのに。と、囁く)
花丸「……仕方ないずら」
花丸「それならまた後で……ダイヤさん」
ダイヤ(一足先に出ていく花丸さん)
ダイヤ(その姿を見送ってから)
ダイヤ(一人……情欲に触れる)
ダイヤ(可哀想なのは……花丸さん?) ルビィ「お姉ちゃん!」
ダイヤ(昼休みになると、すぐにルビィが声をかけてきた)
ダイヤ(3、2、1)
ダイヤ(学年ごとに階層が違うにも関わらず)
ダイヤ(ルビィが来たのは授業の終わりとほとんど同時)
ダイヤ「ルビィ……貴女、授業を抜け出したりはしていませんわよね?」
ルビィ「してないよ?」
ダイヤ「しかし……」
ルビィ「お姉ちゃんは、ルビィに早く来られるとダメな理由でも」
ルビィ「ーーあるの?」
ダイヤ「いえ、そんなことは」
ルビィ「なら良いよね! ルビィはちゃんと授業受けたもん」
ルビィ「でも、心配なら花丸ちゃんに聞けば?」
ダイヤ「なぜ、花丸さんなの?」
ルビィ「だって仲良いでしょ?」ギュッ
ルビィ「……今日も、花丸ちゃんの臭いがするし」
ダイヤ「今日はルビィとの約束があると伝えに行ったので」
ルビィ「そっか」
ルビィ「お姉ちゃんはルビィに嘘つかないもんね」
ルビィ「そういうことに、するね」ニコッ 鞠莉「相変わらずのシスターラブ」
ダイヤ「鞠莉さん……」
鞠莉「仲良きことは美しきかな」
鞠莉「良いことデース」
ルビィ「えへへっ」
ルビィ「ちょっとお姉ちゃんを借りますね!」グイッ
ルビィ「いこっ、お姉ちゃん」
ダイヤ「ええ……では鞠莉さん。また後程」ガタッ
鞠莉「はーい」フリフリ
鞠莉「……」
鞠莉「また」
鞠莉「……フフッ」
果南「? どうかしたの鞠莉」
鞠莉「ううん……なんでもないわ」ニコッ ルビィ「ここなら誰も来ないよ」
ダイヤ(離れた空き教室……まさか)
ダイヤ「ルーー」
グイッーーッダン!
ダイヤ「痛っ……」
ルビィ「ごめんね、お姉ちゃん」サッ
ルビィ「でも、お姉ちゃんが悪いんだよ?」
ルビィ「今日はルビィが……お弁当食べさせてあげるね」パクッ
モグモグ……チュッ
ルビィ「ん……ちゅ……」
ダイヤ「んっ……んぐ……ぅ……」ゴクッ
ルビィ「まだまだ、たくさんあるからね」 ルビィ「次、何が食べたい?」
ダイヤ「はぁ……はぁ……」
ダイヤ「す、少し……休憩を」
ルビィ「ダメだよ、お昼休みが終わっちゃう」
ルビィ「次、唐揚げにするね」パクッ
ルビィ「モグモグ……ん……ちゅ」
ダイヤ「んぅ……ん……」ゴクッ
ダイヤ(ルビィの咀嚼したドロリとした何かが喉を下っていく)
ダイヤ(おかずも、お米も関係なく)
ダイヤ(ルビィの唾液にまみれているからか)
ダイヤ(味は不安定に崩れ交わり)
ダイヤ(それでは何かとして送り込まれてくる)
ダイヤ(抵抗は、簡単……だけど)
ルビィ「っは……えへへ、お姉ちゃん」
ダイヤ(それでは、ルビィが傷ついてしまうから……)
ダイヤ(受け入れて、飲み下す)
ダイヤ(ルビィの愛情を) ルビィ「ごちそうさまでした!」
ダイヤ「……ごちそうさまでした」
ルビィ「えへへ、お姉ちゃんのお腹〜」ナデナデ
ダイヤ「……なんですの?」
ルビィ「この中にルビィがいっぱい入ったんだなぁって」
ダイヤ「何を言って……」
ルビィ「これでお姉ちゃんが妊娠してくれたら良いのに」
ルビィ「あっ、でもそうすると子育てとか仕事とか大変だよね」
ルビィ「でもそうしたらルビィが頑張れば良いかなぁ」
ダイヤ「できない話をしても仕方ありませんわよ?」
ルビィ「むぅっ、ルビィも頑張れば仕事できるもん」
ダイヤ「そう、ですわね」
ダイヤ(わたくしが何をできないと言ったのか)
ダイヤ(分からないはずがない)
ダイヤ(それでもそう口にしたルビィに)
ダイヤ(わたくしが出来たのは肯定だけだった) ……ザーッ
梨子「こう、雨が降ると練習もしにくくて辛いですね」
ダイヤ「梨子さんはまだ作曲の方がありますし」
ダイヤ「わたくしは生徒会、鞠莉さんは理事長の仕事がありますが……」チラッ
善子「な、なによぅ!」
善子「私にだって悪魔によって作成された闇の書の解読っていう」
善子「大事な仕事があるんだから!」
千歌「その方が面白そう……」
曜「千歌ちゃん逃げちゃダメだよー」
ダイヤ「……一応、みなやることはあるようですし」
ダイヤ「今日もひとまず解散としましょうか」
千歌「あっ、ダイヤさん!」
ダイヤ「はい?」
千歌「なんかマリーが理事長室に来て欲しいっていってました」
ダイヤ「理事長室ですか……?」
ダイヤ「わかりました、ありがとう千歌さん」
ダイヤ(学院のことについての話)
ダイヤ(わたくしを呼び出しての話など)
ダイヤ(それしかないと思って)
ダイヤ(少しだけ足早に理事長室に向かう)
ダイヤ(扉を叩くと鞠莉さんの声がすぐに聞こえて)
ダイヤ(すぐに中へと入った) ダイヤ「鞠莉さん、何か問題でも起きたのですか?」
鞠莉「んートラブルと言えばトラブル」
鞠莉「で す が」
鞠莉「ノープロブレム」
ダイヤ「はぁ……」
ダイヤ「茶番は結構ですから、問題だけをーー」
鞠莉「実は、空き教室で淫らなことをしている人がいるのよ」カチッ
鞠莉「これを見て」
ルビィ……
……ハナマルサン
ダイヤ「なっ……」
鞠莉「とても、困ったことデース」
ダイヤ(鞠莉さんがパソコンで再生した動画)
ダイヤ(そこには間違いなく)
ダイヤ(黒澤ダイヤの醜態が撮されていて)
鞠莉「しっかーし」
鞠莉「私もただでさえ少ない生徒をーー」
ダイヤ「鞠莉さん!」
ダイヤ「要件を……」
ダイヤ「要件だけを伝えていただければ」
ダイヤ「……従います」グッ 鞠莉「そんな脅すみたいな……」モジモジ
ダイヤ「そのためにこんな動画を撮り」
ダイヤ「わたくしをここに呼んだのでしょう……!」
鞠莉「……ふふっ」
鞠莉「イッエース」
ダイヤ「っ……!」グッ
鞠莉「殴りますか?」
鞠莉「アングリー?」
鞠莉「それとも……性的にハングリー?」
ダイヤ「なぜ……」
鞠莉「why? それは私の台詞デース」
鞠莉「なぜ、ダイヤはこんな愚かなことをしたのデースか?」
鞠莉「ダイヤがこんなことしなければ」
鞠莉「私はなにもしなくて済んだのに」 ダイヤ(それはまるでわたくしが原因であるかのような言い方だった)
ダイヤ(確かに問題がわたくしにあることは)
ダイヤ(否定しようもない事実)
ダイヤ(しかしながらそれは結果であって原因ではない)
ダイヤ(あの部屋は誰も使わない、誰も通らない)
ダイヤ(だからこその行為)
ダイヤ(誰かからのリーク……あるいは……)チラッ
ダイヤ(誰かが不貞を働くと期待しての盗撮)
鞠莉「私を盗撮で訴えますか?」
鞠莉「黒澤家の長女の醜態が広まることになるけれど……」
ダイヤ「……いえ」
ダイヤ(何があろうと)
ダイヤ(わたくしに勝ち目はない)
ダイヤ「鞠莉さんに従いますわ……なんなりと」 ダイヤ「ただ、生徒会室にルビィを待たせていますので」
ダイヤ「……可能な限り手短にお願いしますわ」
鞠莉「私よりも、ルビィ?」
ダイヤ「約束、していたので」
鞠莉「ふふっ……ふふふっ」
鞠莉「あははははははっ!」
鞠莉「イッツ、ソー、クレイジー!」
ダイヤ「……」
鞠莉「あはははははは!」
鞠莉「あはは……」
鞠莉「はは……」
ガンッ!
ダイヤ「っ」
鞠莉「大和撫子のジャパニーズ土下座」
鞠莉「それでお願いしてくれたら考えマース」ニコッ ダイヤ(笑いだしたかと思えば)
ダイヤ(理事長の机を蹴り飛ばして……)
ダイヤ(情緒不安定に思える鞠莉さんは)
ダイヤ(土下座をしたら考える。という)
ダイヤ「……」スッ
ダイヤ(膝を折り、床に手をつき、頭を下げる)
ダイヤ(たとえ、鞠莉さんが要望を呑まないと解っていても)
ダイヤ「鞠莉さん……どうか、お願い致します」
ダイヤ「わたくしにはルビィ……妹との先約があります……」
ダイヤ(今のルビィとの約束は破りたくない)
ダイヤ(でも……)
鞠莉「絶対に嫌」
鞠莉「私と一緒にいるのに他の子……?」
鞠莉「その子の為に譲歩して欲しい?」
ガンッ…ガンッ!
鞠莉「アイドンノー! 全くもって理解できない!」
鞠莉「はぁ……はぁ……」
鞠莉「絶対に、ルビィに返さない」 ダイヤ(馬鹿正直に先約を口にしてしまったから……)
ダイヤ(ルビィにまた、きついお仕置きをくらいそうですわね……)
ダイヤ(いえ、あれはもはや躾)
鞠莉「ダイヤ」スッ
ダイヤ「……」
鞠莉「分からないとは、言わせないわ」
ダイヤ(鞠莉さんは理事長の机に腰かけると)
ダイヤ(右足の上履きとニーソックスを脱いで)
ダイヤ(わたくしへと差し向ける)
ダイヤ「……ええ」
ダイヤ「させていただきーー」スッ
バシッ
ダイヤ「痛っ」
鞠莉「汚い手で触らないで」 鞠莉「自分のデリケートな場所に触れた手で」
鞠莉「私の足に触るなんて……止めて」
ダイヤ「……申し訳、ありません」
鞠莉「スクールという神聖な学舎で」
鞠莉「卑しく、汚らわしく、下品に」
鞠莉「淫らなことしたとを理解し、恥じて」
鞠莉「自分がダーティであることを自覚しなさい」
ダイヤ「……はい」
鞠莉「オーケー?」
鞠莉「なら……して」
ダイヤ(跪いたまま、鞠莉さんの足に顔を近付けて)
ダイヤ(舌を這わせて、口付けをして)
ダイヤ(特別汚れていない足を綺麗にする)
鞠莉「ダイヤが悪いのよ」
鞠莉「私だってノーサンキュー……こんなことはしたくない」
鞠莉「でも、ダイヤが」
鞠莉「ダイヤが勝手にあんなことするから……」
ダイヤ(鞠莉さんの訴えが耳に届く)
ダイヤ(けれどわたくしは悔しくて)
ダイヤ(自分の惨めさが憎くて……辛くて)
ダイヤ(なぜ、こんなことにならなければいけないのか)
ダイヤ(どうして、こうなったのか)
ダイヤ(深い悔恨に囚われて)
ダイヤ(ただただ、この時間が少しでも早く終わることを願った) ◇生徒会室◇
ダイヤ「ルビィは、もういませんわね」
ダイヤ「……けほっ」
ダイヤ「まだ、鞠莉さんの足の感触が取れない」
ダイヤ(唾液が分泌される度に)
ダイヤ(鞠莉さんの足に感じたほんの僅かな塩っぽさが甦る)
ダイヤ(そして……足を舐めさせられるという屈辱が)
ダイヤ「っ……ぅ……」ギュッ
ダイヤ「うぅ……」
ダイヤ「駄目……駄目……っ」フルフル
ダイヤ(今すぐにでも泣きそうな自分を抱き締めて)
ダイヤ(堪えようと息を呑む)
ダイヤ(一度決壊したら本当に駄目になると)
ダイヤ(そう、思ったから)
コンコンッ
ダイヤ「!」
梨子「失礼しまーす……」コソッ
梨子「あっ、やっぱりダイヤさんだった!」 ダイヤ「り、梨子さん……?」チラッ
ダイヤ「まだ、残っていたんですの?」
梨子「それが、思いの外ピアノに夢中になっちゃいまして……あはは……」
梨子「気付いたらこんな時間で」
ダイヤ「それで、帰ろうとした矢先にわたくしを見かけて」
ダイヤ「一人よりは誰かと……と思い」
ダイヤ「ここまで追ってきたと」
梨子「大体その通りです」
ダイヤ「はぁ……」
ダイヤ「梨子さんも意外と抜けていますのね」
梨子「たまたまです」
ダイヤ「ふふっ」
ダイヤ「そういうことにしておきましょう」
ダイヤ(梨子さんは普通だった)
ダイヤ(背筋を凍らせるような笑顔もなく)
ダイヤ(普段の梨子さんそのもの)
ダイヤ(だから少しだけ、心が落ち着いて)
ダイヤ(笑うことができた)
梨子「ーーところで、何かあったんですか?」
ダイヤ「っ」ビクッ
ダイヤ「それはまた……どういうことでしょうか」 梨子「え、いえ、ただダイヤさん、理事長室に呼ばれたっきりだったので」
梨子「また何かあったのかなーって」
ダイヤ「……」
ダイヤ「なるほど、そういうことですか」
梨子「それ以外にあります?」
ダイヤ「ふふっ、そうですわね」
ダイヤ(確かにそう)
ダイヤ(呼ばれてそれっきりだったのだから……)
ダイヤ「……」
ダイヤ「……え?」
梨子「ダイヤさん?」
ダイヤ(思わずこぼれた間の抜けた声)
ダイヤ(梨子さんは不思議そうに首をかしげて……わたくしを見る)
ダイヤ(ドキドキと脈打つ心臓は痛みを伴い)
ダイヤ(息苦しささえ感じるほどで)
ダイヤ「い、いえ……帰り、ましょうか」
ダイヤ(下手なことは言わず)
ダイヤ(下手なことはせず)
ダイヤ(流れに身を任せておくべきだと)
ダイヤ(わたくしは言葉を飲み込んで笑みを浮かべた) ◇バス車内◇
ダイヤ(普段でも決して利用者の多くないバスは)
ダイヤ(時間帯の関係もあってさらに少ない)
ダイヤ(というよりわたくし達だけで)
ダイヤ(いくつもの座席の中)
ダイヤ(ポツリと二人並んでいるだけなのが異質で)
ダイヤ(世界に二人きりのようで……)
梨子「なんだか、ダイヤさんとこうしてるっていうのが不思議です」
ダイヤ(梨子さんは変わらず他愛ない話を振ってくる)
ダイヤ(音楽室にいた梨子さんがわたくしがずっと理事長室に居たことを知っているのか)
ダイヤ(それを忘れたくなるくらいに)
ダイヤ(普通だった)
梨子「……ダイヤさん」スッ
ダイヤ「梨子……さん?」
梨子「つまらないことを聞いても良いですか?」
ダイヤ(梨子さんの細い指が手を探り)
ダイヤ(一つ一つが意思あるようにわたくしの指に絡み付いていく)
ダイヤ(でもけして、梨子さんはわたくしに目を向けようとはしない)
梨子「ダイヤさんは、やっぱり……お見合いとかするんですか?」
梨子「すでに婚約者がいるとか」
梨子「……あるんですか?」
ダイヤ「……」
ダイヤ「本当に、つまらない話。ですわね」 ダイヤ「そうですわね……学院を卒業して」
ダイヤ「そういった話は当然出てくると思いますわ」
ダイヤ「黒澤家の人間として」
ダイヤ「その長女、黒澤ダイヤとして」
ダイヤ「継がなければならないこともありますから」
梨子「……」ギュッ
ダイヤ「……」
梨子「どうしてもですか?」
梨子「ダイヤさんじゃなければいけないことなんですか?」
梨子「だとしたら、なんのために……」
梨子「なんのためにアレは居すわってるんですか……」ギリッ
梨子「図々しくふてぶてしく鬱陶しく忌々しく我が物顔で……ッ」
梨子「なんのやくにもたたないのに……」ガタガタガタ…
梨子「……はぁ」
梨子「でも、ダイヤさんだからこそのことですもんね……」ニコッ
梨子「ルビィちゃんには無理ですよね」
ダイヤ(今のを……無かったことにするのですか……?) 梨子「厳しくて、頑なで」
梨子「でも本当は優しくて、明るくて」
梨子「人を思う気持ちを忘れないダイヤさんが私は好きです」
梨子「……」トンッ
ダイヤ(どこか気恥ずかしさを織り混ぜた声色で)
ダイヤ(梨子さんは静かに語り)
ダイヤ(体をわたくしへと委ねる)
梨子「駄目ですか?」
梨子「私じゃ……力不足ですか?」ギュッ
ダイヤ(先程の発言を聞かなかったことにしたい)
ダイヤ(気のせいだと思いたい)
ダイヤ(もしもそうなら)
ダイヤ(これはラブストーリーの1ページだから) ダイヤ(言葉は悪いですが)
ダイヤ(梨子さんも普通ではない)
ダイヤ(下手に断ればまた)
ダイヤ(ルビィ、花丸さん、鞠莉さん、梨子さん……)
ダイヤ(これ以上増えるのは……)
ダイヤ「梨子さん」
梨子「……嫌です」
ダイヤ「……梨子さん、お気持ちはとても嬉しく思います」
ダイヤ「ですが、黒澤家というものは優しいものではありません」
ダイヤ「軽いものでもありません」
ダイヤ「辛く、苦しく、厳しく、重く」
ダイヤ「通常の幸せなどありはしません」
ダイヤ(そもそも……同性ですが)
ダイヤ「ですから……どうか」
梨子「嫌です……」
梨子「辛い? 苦しい?」
梨子「一緒にいたい人と居られない以上に苦しくて辛いことなんてない」
梨子「どうしたら一緒になれますか?」
梨子「何が邪魔ですか?」
梨子「お見合いさせる両親? 役に立たない紛い物?」
梨子「それともそもそも黒澤家という存在ですか?」
ダイヤ「何を言ってーー」
梨子「だって、黒澤家だから駄目。なんですよね?」
梨子「だったら黒澤家なんて無くしちゃえば良いじゃないですか」ニコッ ダイヤ「ま、待ってください!」
ダイヤ「梨子さん、落ち着いて考えてください」
ダイヤ(梨子さんは本気……)
ダイヤ(このままにしたら確実に騒動を起こす)
ダイヤ(そうとしか思えなくて)
ダイヤ(慌てて、止める)
ダイヤ「それこそわたくしと離ればなれになりますわ」
梨子「この歳なら少年法があるので」
梨子「別にーー」
ダイヤ「とにかくそれは駄目です!」
ダイヤ「絶対に」
梨子「……そう、ですか」
梨子「なら何か別の方法考えないとですね……」 ◇黒澤家◇
ダイヤ「……」
ガチャガチャ……
ダイヤ「……本気ですの?」
ダイヤ(何とか梨子さんを宥めて)
ダイヤ(家に帰って来ることができたかと思えば)
ダイヤ(まさかの締め出し)
ダイヤ(両親がいないのが最悪の布石でしたか……)
ダイヤ(ルビィからの連絡は)
ダイヤ(どうせ、お姉ちゃんにルビィは要らないんだ。という一文のみ)
ダイヤ「……」
ザーッ…
ダイヤ「雨、降っているのですが……」 ダイヤ「ルビィ……どうしても、ですか」
ダイヤ(玄関口の扉の奥にルビィがいるのは分かる)
ダイヤ(けれど、ルビィは何も言わない)
ダイヤ(わたくしが悪いと認めても、謝罪しても)
ダイヤ(ルビィは……)
ダイヤ「わかりました……ルビィ」
ダイヤ「寝坊と食事、歯磨き、宿題」
ダイヤ「忘れないようにするのよ」
ダイヤ(さて……どこに行けばいいのでしょう?)
ダイヤ(近くにいるわけにもいきませんし)
ダイヤ(とりあえずバス……乗ってどうしますか……)
ダイヤ(行く宛がないのに) ダイヤ(普段なら、Aqoursのメンバーに助けを求めますが)
ダイヤ(花丸さんは無理。梨子さんも無理)
ダイヤ(梨子さんに見つかるので千歌さんも無理)
ダイヤ(鞠莉さんも無理、同じ理由で果南さんも無理ですね)
ダイヤ(……)
ダイヤ「……善子さんは」
ダイヤ「……沼津の自宅で見つかる可能性は低い」
ダイヤ「根は優しい方ですから」
ダイヤ「言えば黙っていてくださるでしょう」
ダイヤ「……お願いします」カチカチッ ◇津島家◇
ダイヤ「……というわけでして」
善子「なんでわざわざウチなのよ……」
ダイヤ「信頼してのことです」
ダイヤ(候補としては曜さんもいましたが)
ダイヤ(あの明るさだからこそ、裏が怖い)
ダイヤ(その一方、善子さんは安定感がありますから)
ダイヤ「ふふっ」
善子「何笑ってんのよ、追い出すわよ」
ダイヤ「すみません」
ダイヤ(そんなこと、いえるわけがありませんわね)
善子「ったくルビィと喧嘩して追い出されるとか」
善子「なにしてるんだか……」
ダイヤ「まったくですわね」
ダイヤ「本当……何をしているんでしょうね」
善子「……」チラッ
善子「……はぁ」フルフル
善子「ま、良いわよべつに」
善子「面倒臭いから詳しく聞かない」
善子「今日はお母さんもいないし」
善子「こっそり泊めてあげるから秘密にしなさいよ!」
善子「勝手したら煩いから、ほんと」 ダイヤ(善子さんは何も聞かない)
ダイヤ(善子さんは何も言わない)
ダイヤ(その沈黙はありがたく)
ダイヤ(しかしながら罪悪感と恐怖が募る)
ダイヤ(鞠莉さんは微妙なラインではあるけれど)
ダイヤ(他はみんな他人を傷つけることを厭わない)
ダイヤ(善子さんもその手にかけられてしまうのではないか)
ダイヤ(それが、恐ろしい)
善子「ねぇ、ダイヤさん」
ダイヤ「なんでしょうか」
善子「お風呂と夕飯どっちがいいのかなって」
善子「夕飯って言っても冷食だけど」 ダイヤ「夕……は……っ」
ダイヤ「ぅっ」バッ
ダイヤ「っ……」フルフル
ダイヤ(食事のことを考えると)
ダイヤ(昼間のルビィに流し込まれた流動食)
ダイヤ(そのどろどろとしたものが這うように喉を掠めていった感覚が甦ってきて)
ダイヤ(思わず吐きそうになって、口を押さえる)
善子「……?」
善子「大丈夫なの?」
善子「顔、真っ青だけど」
ダイヤ「だ、だい……ぅぇ……っ」
ダイヤ「大丈夫……です、ので……」
ダイヤ(今更ながら……)
ダイヤ(いや、安堵し油断したからこその吐き気は思いの外辛くて)
ダイヤ「おかまい、な、く……」ポロポロ
ダイヤ(無意識に涙が流れ落ちていく) 善子「ちょっ、はっ!?」
善子「ちょ、だ、ダイヤ?」サッ
ダイヤ「ぅぇ……ぁっ」
善子「よ、よしよし……」サスリサスリ
ダイヤ(その接触が、決定打だった)
善子「良く分からないけど少し頑ーー」
ダイヤ「うぇっあ゛ぇ゛」
……ポタタ
善子「ちょっ」
ダイヤ「う゛ぅ゛ぅ゛!」ブシュッ
善子「ぬわぁぁぁぁっ!?」
ダイヤ(最初に溢れた少量の液体が口元から滴って)
ダイヤ(追い討ちのように駆け上がってきた本体は)
ダイヤ(口を塞ぐ手にぶつかり指の隙間から吹き出して)
ダイヤ(目の前にいた善子さんを吐瀉物にまみれさせていく)
ダイヤ「あっ……は……かふ……」ポタポタ…
ダイヤ「申し訳……」
ダイヤ「申し訳ありません……」
ダイヤ「ごめんなさい……ごめんなさい……」
ダイヤ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
善子「……うぇ」
善子「……ダイヤ!」
ダイヤ「ひっ」ビクッ
善子「謝る暇あるなら風呂場いきなさいよ」
善子「今すぐに!」 ザーッ…
グスッ
ウゥ…
…ザーッ
ダイヤ「……」
ダイヤ(暖かみのある雨を全身に浴びていても)
ダイヤ(惨めな嗚咽を耳に煩く響いてきて)
ダイヤ(最悪ですわ……最低ですわ……)
ダイヤ(強い後悔が胸を締め付ける)
ダイヤ(我慢するべきでしたのに堪えきれず)
ダイヤ(あまつさえ善子さんを汚してしまうなんて……)
ダイヤ(出ていけと言われたら……)ギュッ
コンコン
ダイヤ「!」ビクッ
善子「入るわよ」ガチャ ダイヤ「よ、善子さん……なぜっ」
善子「いや、あのままとか死んでも嫌なんだけど」
善子「というか、死んでからあんなことされたら」
善子「化けて出て祟り殺すわよ」ハァ
ダイヤ「すみません……申し訳ありません……」
善子「……」
善子「ダイヤ」ナデナデ
ダイヤ「っ」ビクッ
善子「……直前に食べ過ぎたとか、悪ふざけの結果なら本気で軽蔑するけど」
善子「そういうわけじゃないんでしょ?」
ダイヤ「善子さ……」
善子「見てれば分かるわよ……ダイヤに何かあることくらい」
善子「だから気にしなくて良い」ナデナデ
ダイヤ「よし……よっ……」ポロポロ
善子「……もう少しだけ、シャワー使っときなさい」 ダイヤ「……ありがとうございました。善子さん」
善子「かっ、勘違いしないで欲しいわね!」
善子「我が名はヨハネ!」
善子「悪魔らしく手込めにするために飴を与えたに過ぎないんだから!」
善子「ふはははははっ!」
ダイヤ「ふふっ……ふふふっ」
善子「っ」カァッ
ダイヤ「そうですわね、貴女は堕天使さんでしたわ」クスクス
ダイヤ「ありがとうございます……ヨハネさん」
善子「……ふ、ふんっ」ベチッ
ダイヤ「ひゃっ!」
善子「生意気なリトルデーモンには洗礼をくれてやるわ!」
ダイヤ「んっ! ぁっ、あらっ……」
ダイヤ「洗えますっ、じぶっ……」
善子「覚悟!」モニュッ
ダイヤ「ぁぁぁっ!」 ニュルッ……
……プチュ
クチュッ
ダイヤ「んっ……っふ……」
善子「変な声出しすぎ」
ダイヤ「でっ、ですがーー」
モニュッ
ダイヤ「んんっ!」ビクッ
善子「なに? もしかして気持ちいいの?」
ダイヤ「っ」カァッ
善子「せっかくだし……少しだけする?」
ダイヤ「なっ、何を言って……」
善子「後始末は簡単だし」
善子「匂いだって無くせる」
善子「おまけに嫌なことを忘れさせてあげられる」
……クプッ
ダイヤ「んぅっ」ビクッ
善子「悪いことなんてーー」
……ふーっ
ダイヤ「ひぁっ」ゾクゾクッ
善子「なぁんにも……ない」ギュッ
善子「どうするかは、ダイヤ……し・だ・い」ニコッ
ダイヤ「善子……さん……」 ダイヤ(体が……熱い……)
ダイヤ(視界は揺らいで……善子さんの声が頭に響く……)
ダイヤ(後ろからの……甘くて、優しい……声……)
ダイヤ(艶がかった一糸纏わない肌の感触……)
ダイヤ「善子……さん……」ギュッ
善子「……ふふっ」
クチュッ
ダイヤ「っ!」ビクンッ
善子「こっち向いて」
ダイヤ「ん……」クルッ
善子「ちゅっ……んちゅ……」
ダイヤ「んっ……ふ……ぁ……」
クニュッ
プチュ
ダイヤ「んっ……んんっ!」ビクッ
善子「んぁ……チュルッ……」
善子「……」ニヤッ 中断データ再構築ここまで
復帰完了。
一部ミスったからもう一回埋め茸…(ボソッ  ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
_., .,、._,r hh.、 y...u,_ 、 、.,.,
.yl!).彳}゙.^゙冖^^^゙゙'⌒゙゙「{ .〕:!|ァ_ l.r.
.rl!.「.゙.′ .゙.^゙「.|^|'!.,.ri,、
_,.u:l 「″ _,..vv-─--v、、.,__゙ ´「 リ゙ .r
.-i(┴^ ,.v‐ ′ i!、 厂^'ー、_ .'゙/
.,l| .,.‐'゙r '=, .|ト! .. /_ ┘ _,
.[.′ .,r(,,vv!冖h厂 _,、、、,_ ¨゙() .゙゙il|リ冖ミ(ミ,.l|/レ'
.|| _,yr!^″ [.zli》ニ《)ミ|l;, |ノ冖ーu「.,zzzzy,{丁′
.!ミ .yr(l「′ 〔″ `.,i^ .〔.!!干「「)v)《フ
i| __,/′.} . \,,,,,_,,,,,,vr″ .゙)z ,メ゙'ly
|゙/|レr》! } .}.. /,v--r ,、u_:rフ'¬ー^″ ゙ミ
》゙|′ .ミ .| .∨ ,、 {lzトrr┘ \从,,) }:! .《
}}.,rー ミ,,ェ , .'|フ .,,zu厶  ̄ ゙'^ l!
゙|从 》″ | r -:(工ェ」zミv_ n. 〔
.》ト .′ ∨ 7vv=(干=─干ミl||l,_,z ″ 》
.《l,_ .'|! .__ , . ゙̄.. 〕
《^¨′ .゙冖'^^'''冖 v\ }
[ 、 . 〕 〔 .′ .」_ .ll′
.| | 」 ._} .hノ .:| ,.. .,.トト 〕
.} .^′ ゙《,_ .、,ノ ...厂、 .il
} _ .、 .゙゙'〜 .y,_ _,r;|¨ <、、‐ . ノ
.{, 〔 」 ´ ‐ 「ilリiアアァァァ;lllllli(リ゙} ┌ 冫.. .ア
\ ∨゙ . _ .- . ' .`゙厂¨厂゙厂'. .゙ 、' .゙. ヽ‐,r|
.ノy .´ 、 .: ' ..: .、 ' ` ' _ . .冫 -.',y;|^ ダイヤ「んっ……っは……ぁ」
クニュッ
チュプッ
ダイヤ「んんっ!」ビクッ
ニュプ……
ムニッ
ダイヤ「はぁ……は……んくっ」
善子「ダイヤ」クイッ
チュッ……レロッ
ピチャッ……クチュ
善子「ん……っふ……んちゅ」
ダイヤ「んぅ……ふーっ……ふー……んきゅ……」
善子「はふ……コクッ……今日は誰かに触られた?」
ダイヤ「っぇ……?」
善子「……体」
善子「誰に汚されたの?」
ダイヤ「体……は……」
ダイヤ「花丸さん……と、ルビィに……」 何で落ちてんのかと思ったらあれか
何が気に入らない要素あったっけ 善子「……他は?」
ダイヤ「ほか……」
ギュッ……
ナデナデ
ダイヤ「っ」
善子「今は二人きりだから」
善子「嫌なことを忘れるため、流すためだから」
善子「全部……吐いて。ダイヤ」
キュッ……キュッ
ニュルッ……
チュプッ
ダイヤ「んっ!」ビクンッ
ニュプ……
チュッ……
ダイヤ「っん!」ビクッ
善子「聖域は……誰かに汚された?」 ダイヤ「せい……いき……?」
善子「そう……聖域」
ニュルッ……
モニュッ……
……クチュッ
ダイヤ「っあ!」ビクンッ
ツゥッ……
善子「ほら、汚れが出てきたわよ」ボソッ
クニュッ…
チュプ
ニチュ……
ダイヤ「んんっ……っは……ぁんっ」
善子「この、割れ目は……誰が触れたの?」 ダイヤ「そこ……は……」
ダイヤ(善子さんの手が、大切なところに触れる)
ダイヤ(花丸さんを拒み)
ダイヤ(ルビィさえ、まだ敬遠しているのに)
善子「良いのよ……誰か。じゃなくても」ボソッ
クチュッ……クイッ
ダイヤ「ひぅっ……っあぁっ!」
ダイヤ(善子さんを……拒めない……)
善子「寂しかった? 物足りなかった?」
善子「誰かに触れられるのが怖かった?」
善子「だから……自分でしか、管理してないんでしょ?」スッ
ダイヤ「ぁ……あ……」
チュクッ…クチャ…
善子「だからほら……」
ツゥゥ……ポタッ
善子「ダイヤさんのはこんなに糸を引く」
善子「許した相手に……しがみつこうとしてる」ボソッ また埋められたらしたらばで書いてくださるとありがたいです 善子「卑しい」
ダイヤ「っ!」
善子「汚らわしい」
ダイヤ「ひっ」
善子「売女……淫乱……」ボソッ
ダイヤ「ちっ、違っ……」
ニュルッ……クチュッ
ダイヤ「んんっ!」ビクッ
ヌチュヌチュ……
ダイヤ「っは……ぁっ……よし……こ、さ…」ギュッ
…クプッ
ダイヤ「んんぅ!」ビクンッ
善子「ほら何も違わない……ダイヤはそういう汚れた女」
善子「いやらしい女」
……パッ
ダイヤ「ぁ……」 ダイヤ「善子……さん……?」ハァハァ…
善子「ここまで汚れてるんじゃさすがの堕天使ヨハネにも」
善子「手に余る」
ダイヤ「え……?」
ダイヤ「善子さん……?」
キュルキュルッ……
ジャーッ
善子「今、私と同じ力を持つ清めの水をここから出しておいてあげる」
善子「その汚れに満ちた場所にこれを直接落としなさい」
ダイヤ「そ、そんな……」
善子「自分の意思で、汚らわしい自分を流したい、消したい」
善子「そう思って自分でしないと意味がない……」
善子「出来なきゃ……もうここでお別れ」
ダイヤ「ま、待ってください……!」
ダイヤ「待ってください……」ギュッ ダイヤ「善子さんだけがわたくしの救いなんです……」
ダイヤ「ここで見捨てられたらわたくしはまた……っ」
ダイヤ(ことあるごとに呼び出されては汚され)
ダイヤ(吐くほど辛い食事を与えられ)
ダイヤ(奴隷のような扱いを受け)
ダイヤ(家を締め出され……)
ダイヤ(そんな人達に……また)
ダイヤ「……したら、出来たら」
ダイヤ「嫌なことを忘れさせて……くださるのですか?」
ダイヤ「わたくしのこと……」
善子「もちろんよ」ギュゥッ
善子「だから……受け入れて」
ダイヤ「善子さん……」ギュッ
ダイヤ「お清め……致します……」 善子「良い? 受け入れるのよ」
善子「少し怖いかもしれない」
善子「痛いかもしれない」
善子「それでも」
ダイヤ「はい……」ドキドキ
ダイヤ(浴室に寝転がって)
ダイヤ(蛇口から勢い良く流れる善子さんの力)
ダイヤ(そこに向かって秘所を近づけていく)
ダイヤ(迫ってくる音が怖い)
ダイヤ(飛沫がかかる度にピクピクと)
ダイヤ(デリケートな場所が疼く)
ダイヤ(そしてーー)
ジャー……バシャバシャバシャ!
ダイヤ「っ!」ビクッ
ダイヤ(流れ出るそれが直接、割れ目を押し開けるように降り注いでいく) ダイヤ(水圧に抉じ開けられ)
ダイヤ(善子さんの力が流れ込んでいく)
ダイヤ(少しずつ、少しずつ)
ダイヤ(体の中が温まって)
ダイヤ「んっ……あっあぁっ」ビクッ
ダイヤ「はぁっ……はっ……っあぁぁ!」ビクビクンッ
ダイヤ(流れに踊る敏感な部分)
ダイヤ(その刺激は容赦なく、力強く)
ダイヤ(わたくしは、善子さんがみている前で何度も……極限までの心地よさに震えて)
ダイヤ(いやらしい)
ダイヤ(善子さんのその言葉が真実ではないかと、痛感する)
善子「……」
キュルキュルッ…
キュッ
ダイヤ「はぁ……はっ……ぁ…」
善子「……ダメね」ボソッ
善子「ダイヤ、洗って一旦出ましょ」
ダイヤ「善子……さん……」ギュッ
善子「無駄に疲れさせてごめん」
善子「次で、ちゃんと、ね」ナデナデ 善子「触るわよ」
ダイヤ「はい……」
ダイヤ(力の抜けた体は善子さん便りで)
ダイヤ(ふんわりとしたタオルに抱かれるような形で)
ダイヤ(体中の水滴が拭われて)
ダイヤ(善子さんの優しい声、優しい手)
ダイヤ(それらがわたくしを包み込む)
ダイヤ(善子さんはいやらしいわたくしを……)
ダイヤ(見捨てようとはしていない)
ダイヤ(その安堵が、その安らぎが、善子さんへの想いを強くする)
ダイヤ「善子さん……ありがとうございます……」
善子「……良いわよ。別に」
善子「このまま儀式に入るから、ダイヤはリビングで待ってて」
ダイヤ「わかりました」
ダイヤ(疑う理由も、拒む理由もない)
ダイヤ(いまはただ……絶え間無い苦痛から逃れられるのなら)
ダイヤ(善子さんがそばにいるのなら)
ダイヤ(それで……良かった) 弱々しいダイヤさんとか、そりゃみんないじめたくなるよね ダイヤ「……」
ダイヤ「……片付いてる」
ダイヤ「善子さん……すみません」
ダイヤ(わたくしがしてしまった嘔吐跡は)
ダイヤ(すでに綺麗に片付けられていて)
ダイヤ(芳香剤特有の科学的な匂いが部屋に広がっていた)
ダイヤ(あんなもの……)
ダイヤ(吹きかけられた以上)
ダイヤ(触ることなどもはやどうでも良かったかもしれないけれど)
ダイヤ(ルビィ……)
ダイヤ(わたくしには、ルビィの愛が重すぎるのかもしれません)
ダイヤ(いくら愛があっても、天秤が釣り合わなければ……)
ダイヤ「……」
……ガチャ
ダイヤ「!」
善子「待たせたわね」
ダイヤ「い、いえ!」ドキドキ
ダイヤ(善子さんが来た途端……)スッ
ダイヤ(心が、善子さんの一挙一動に期待してる……のね) ダイヤ(善子さんはわたくしが醜態を晒しても)
ダイヤ(それを糧にわたくしを責めるのではなく)
ダイヤ(気付き、諭し、慰めてくれた)
ダイヤ(……嬉しかった。救われた)
ダイヤ(だから)トクン…トクン…
ダイヤ(善子さんを、求めている)
善子「今度は確実にやるわ」
善子「今度こそ痛いかもしれないけど……」
ダイヤ「……いえ、大丈夫です」
善子「そう。でも安心して良いわ」
善子「出来る限りの痛みがないようにしてあげるから」ナデナデ
ダイヤ「よ、よろしくお願いします……」 善子「そしたら取り敢えずついてきて」
善子「私の部屋で儀式をするわ」
ダイヤ「リビングではないんですのね」
善子「リビングは共有スペースだから」
善子「儀式を行うならヨハネの結界内がベスト」
ダイヤ「ヨハネさんの……結界内……」ドキドキ
善子「ん?」クルッ
善子「もしかして怖い?」
ダイヤ「い、いえ、恐れるなど!」フルフル
ダイヤ「ただ、汚らわしくていやらしいわたくしなんかが」
ダイヤ「そんな高尚な場所に踏みいっていいのかと……」 善子「あぁ……」
善子「……そういう」
善子「ふふっ」
ダイヤ「っ」ビクッ
ーーギュッ
ダイヤ「あっ……」
善子「そのために、お風呂場で仮契約をしたのよ」
スッ……ナデナデ
善子「今、この中には私の力が宿り」
善子「少しずつ流れてダイヤを守護してるのよ」
善子「その証拠に、触ってみなさい」
善子「濡れてるから」 ダイヤ「……」スッ…
ニュチュ……
ダイヤ「っ!」ビクッ
善子「ふふっ、どう? 濡れてるでしょ?」
ダイヤ「は、はぃ……」
ダイヤ(気付かなかったのがおかしいくらいに)
ダイヤ(下着は水浸しで)
ダイヤ(蒸れた匂いがイヤらしく漂って)
ダイヤ(善子さんは苦笑いを浮かべる)
善子「でね? ダイヤは仮契約を結び」
善子「私の魔力で卒倒しないようになってるの」
善子「生身で浴びたら……壊れるから」
ダイヤ「壊れ……る……」
善子「そう。壊れて人形になられたらこれには意味がなくなる」
善子「黒澤ダイヤでいて貰わないといけないのよ」スッ…
善子「部屋で行う全てはダイヤの意思」
善子「部屋で抱く想いはダイヤの想い」
ダイヤ「……部屋で行う全てはわたくしの意思」
ダイヤ「……部屋で抱く想いはわたくしが想い」
善子「そう……自分自身を強く持ってーーほら、おいで」
……ガチャッ
ダイヤ「はい……ヨハネさん」 ダイヤ(部屋からはヨハネさんの匂いだけが感じられた)
ダイヤ(ヨハネさんの魔力)
ダイヤ(それを頭でも心でも感じ取り)
ダイヤ(息を吸う度に眩暈のようなものがきて)
ダイヤ(一瞬、自分がわからなくなって)
善子「頑張って、ダイヤ」
ダイヤ(ヨハネさんの声が貫いて、自分が黒澤ダイヤなのだと思い出す)
善子「ダイヤ、ベッドに座って……そう、ゆっくりでいいわ」
ダイヤ「……っ」
ポタッ…
ポタッ…
ダイヤ(貯水を諦めた下着から滴が滴って)
ダイヤ(けれど、ヨハネさんは良いから。と)
ダイヤ(わたくしをベッドに座らせーー)
……チュッ
ダイヤ(軽く、キスをした) ダイヤ「っふ……ぁ……」
善子「ん……んちゅ……」
ピチャ……
クチュッ
善子「っふ……んっ」
ダイヤ「んんっ……んぅ……」
ツゥゥ……
善子「ジュルッ……ちゅ……」
ダイヤ「ふぁ……んっ……」
善子「っふ……」
ダイヤ「ぁ……ヨハネ……さっ」ギュッ
善子「欲しがりね……ん……」チュッ ダイヤ(ルビィとは、違う)
ダイヤ(花丸さんとも、違う)
ダイヤ(ヨハネさんの接吻は身体中を巡って)
ダイヤ(浸透していくような不思議な感覚があった)
ダイヤ(この人の者になりたい)
ダイヤ(この人に奪われたい)
ダイヤ(下腹部が切なく疼いて)
ダイヤ(粗相をしてしまったのと同じくらい)
ダイヤ(ひどい有り様なのを肌に感じる)
ダイヤ「ヨハネ……さん……」
ダイヤ(求めて、求めて、求めて)
善子「っふ……ん……ゴクッ」
ダイヤ(わたくしとヨハネさんの交わった唾液を)
ダイヤ(ヨハネさんは満面の笑みで飲み下して)
善子「ダイヤ、少し脱がすわ」
ダイヤ(ヨハネさんの手が上着のボタンをはずし)
善子「ぁー……カプッ」
ダイヤ「っ!」ゾクゾク
ダイヤ(パクリと、ヨハネさんは鎖骨を咥えこんだ) チゥー…
ダイヤ「っふ……んっ……はっ……ぅ」ゾクゾクッ
チュパッ
ダイヤ「っあぁ!」ビクンッ
善子「……ふーっ」
ダイヤ「ひぅぅ……んっ!」
ダイヤ「はぁっ……はー……ぅぅっ」
善子「ダイヤ」ピトッ
ダイヤ「よ、ハネ……さーーんんっ!」
チュッ……ジュリュ……
……コクッ
ダイヤ「っは……ぁ……ぁふ……」
善子「……ぁー」
ペロッ
ダイヤ「っっ!」ビクッ
善子「もう少しよ」
ーーカプッ
ダイヤ「ひぃぅっ」 ダイヤ(黒澤ダイヤでいなければいけない)
ダイヤ(そう分かっているのに)
ダイヤ(ヨハネさんの唇が触れる度に)
ダイヤ(なにかが吸いとられていく)
ダイヤ(なにかが塗り替えられていく)
ダイヤ(もう、黒澤ダイヤを止めて)
ダイヤ(ヨハネさんの眷族になってしまいたくなる)
ダイヤ(名前も……なにもかも……)
ダイヤ(ヨハネさんのものに……)
善子「黒澤ダイヤ!」
ダイヤ「っ!」ビクッ
善子「目が虚ろになってるわ」
善子「呑まれないで……ダイヤ」ギュッ
ダイヤ「よ、ハネ……さん……」
善子「あと少しだから……」スッ
サワッ……チュプッ
ダイヤ「ひあぁぁっ!」ビクビクンッ
プシッ……
ダイヤ(ヨハネさんの声に覚醒した瞬間)
ダイヤ(下腹部の一番欲しいところに)
ダイヤ(ヨハネさんの指が触れて……悲鳴が上がる) ダイヤ「あっ……はっ……」ビクッ
善子「だいぶ流れてきてる……」
善子「人形になったらダメ」
善子「ダイヤじゃなきゃ……」
ニュプッ
ダイヤ「んんっ!」
チュプッ……
ダイヤ「っふー……ふーっ!」ビクビク
クチュッ…ニチュ…
ダイヤ「んぅーー」
クイッ
ダイヤ「っ〜〜〜!!」ビクンッ
ピシュッ……プシュ……
善子「……」 善子「ダイヤの準備も出来たし……そろそろやるわ」
ダイヤ「な、にを……」
善子「儀式の最終フェイズ」
善子「ーー除膜式」
ダイヤ「それは、一体……」
善子「ダイヤの聖域を侵し、根付いた汚れ」
善子「その忌々しい結界を破り」
善子「嫌な記憶を封じるのよ」
ダイヤ「よく、わかりませんが……」ギュッ
ダイヤ「この身は、ヨハネさんに委ねます……」
善子「ん……任せなさい」スッ…
ニチュ…
クチュッ
ダイヤ「っ」
善子「ーー貰った」
グプッ…!
ダイヤ「んんぅぅぅ!」ビクビクンッ
プシュァァァ…
ダイヤ(ヨハネさんの指が捩じ込まれた瞬間)
ダイヤ(ほんの微かなピリッとした痛みと)
ダイヤ(大きく弾けるような……突き抜ける快感を感じて)
ダイヤ(ヨハネさんにしがみつきながら)
ダイヤ(イヤらしく牝の蜜を垂れ流す)
ダイヤ「あっは……はぁっ……はーっ……んぅ……」
善子「……良く頑張ったわね。ダイヤ」ナデナデ
ダイヤ(その意味もわからないままに)
ダイヤ(わたくしはヨハネさんの温もりに浸った) ◇翌朝。津島家◇
善子「ダイヤ……ダイヤ」ユサユサ
ダイヤ「っ……」
善子「おはよ、今日も学校よ」ニコッ
ダイヤ「……」
ダイヤ「っっ///」バッ
ダイヤ(善子さんに起こされて)
ダイヤ(なぜ善子さん? と困惑して数秒)
ダイヤ(瞬く間に甦った昨日の記憶)
ダイヤ(一糸纏わない自分の体を慌てて隠して)
善子「……ダイヤってば」
ガシッ
…グイッ
善子「今さら、隠さないでよね」チュッ
ダイヤ「っふ……ぁ……」
ダイヤ(善子さんに簡単にほどかれてしまう) ダイヤ「善子さん……」ギュッ
ダイヤ(キス一つで体が善子さんを求めてしまう)
ダイヤ(善子さんに従順になってしまう)
ダイヤ(学校がある)
ダイヤ(そんなことはどうでも良いと思ってしまう)
善子「はぁ……学校行かないとルビィ達が煩いでしょ」
ダイヤ「ルビィ……」
ダイヤ「ルビィなんて……っ!」
ダイヤ(どうでも良い)
ダイヤ(そう、一瞬でも思ってしまった)
善子「……」
善子「……ふふ」
ナデナデ
ダイヤ「ぁ……」
善子「怖い思い、嫌な思い」
善子「したら私に会いに来なさい」
善子「その分気、持ち良くしてーー」
善子「 あ げ る 」ボソッ
ダイヤ「は……はい……///」ビクッ ◇学校◇
ダイヤ「……はぁ」トボトボ
ダイヤ(善子さんの一緒だと面倒が起こる)
曜「ダイヤさーん?」
ダイヤ(その言葉は理解しますが)
ダイヤ(やはり、一緒が良かった)
ダイヤ(そばに……)
曜「ダーイーヤーさーんっ」ガバッ
ダイヤ「っ!?」
ダイヤ「よ、曜さん……?」
パッ
曜「さっきから呼んでたんですけど」
曜「反応が無かったので」
曜「つい、千歌ちゃんと同じことしちゃいました」
曜「すみません」エヘヘ ダイヤ「考え事をしていたわたくしもいけませんが」
ダイヤ「気を付けてくださいまし」
ダイヤ「後ろから飛び付かれたら怪我をしかねませんわ」
曜「はーい」
ダイヤ「はいはしっかりと!」
曜「はい!」バッ
ダイヤ「敬礼は余計ですわ」
ダイヤ「よーー」
曜「ところで、ダイヤさんは朝風呂ですか? 夜風呂ですか?」ニコッ ダイヤ「何ですか藪から棒に」
曜「あー……いえ」
曜「大したことじゃないんですけど」アハハ
曜「ダイヤさん……凄く臭いんですよ」
ダイヤ「えっ?」
ギリッ
曜「善子ちゃんの臭いが酷い……」
曜「マーキングされてるじゃないですか」
曜「許したんですか? そんなこと」
ガシッ
ダイヤ「痛っ!」
キュキュッ……ジャー……
曜「流さなきゃ……」
グイッ…バチャバチャバチャ…
ダイヤ「ぅぐっ……ぇ゛……がはっ……よ゛ぅ……」
曜「臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い!」
ガシガシガシガシ……
グィッ
ダイヤ「っはぁ……げほっけほっ……」ポタポタ…
曜「……スンスン」
曜「おえっ……まだ、まだまだまだまだまだまだ!」グググッ
ダイヤ「ひぃ゛っ」
バチャバチャバチャ……
ダイヤ「や゛めっ……痛……がぼっ……げはっけほっ」ジタバタ
曜「暴れないで、ダイヤさんのためだから!」
曜「綺麗にするだけだから!」ググッ バシャッ……
……ポタポタ
ダイヤ「げほっけほっ……」
ダイヤ「はぁっ……は……」
スンスン
曜「ふぅ……臭いのはスクールアイドルとして致命的」
曜「念のためシャンプーセット持ってて良かった」
フキフキ
曜「ごめんね、ダイヤさん……」
曜「苦しくて辛かったですよね」
曜「でも、ダイヤさんが無防備だからいけないんだ」
曜「あんな堕天使とかいう人に惑わされるから……」フキフキ
曜「制服……ダメだ」グイッ
ダイヤ「待っ……」
パサッ
曜「練習着は怒られるだろうし……」
曜「今日はジャージで過ごしてください」
曜「制服は……責任持って乾かすので」
曜「ほんと、気を付けて下さい。ダイヤさん」 曜「ところで……善子ちゃんとは何したんですか?」
ダイヤ「っ……」ビクッ
ダイヤ「な、なにも……」
曜「うーん……あんなに堕天使臭かったのに」
曜「なにもしてない……?」ジーッ
曜「というかそもそも、お風呂入ったのに」
曜「なにもしてない……?」
ダイヤ「き、昨日ルビィに家を閉め出されたので」
ダイヤ「善子さんに助けて頂いただけで……」
曜「それで体を貸したんだ……」
ダイヤ「そ、そんなことーー」
曜「……してないんだ」
曜「へー……まぁ、良いや」
曜「疑わしきは罰せよって言葉もあるし」
曜「堕天使……だっけ……」
曜「今度は腕でもへし折って堕人間させるか……」
ダイヤ「ひっ」ゾワッ ダイヤ「ま、待って!」
ダイヤ「待ってください……待ってください曜さん!」
ダイヤ「善子さんとは本当になにも!」
ダイヤ「ただ助けて頂いただけです!」
ダイヤ「謝礼もなにも受けとりませんでした!」
ダイヤ「お願いします……ただ……善意を……」
曜「……」
曜「……はぁ」
スッ……ピトッ
ダイヤ「っ」ビクッ
曜「私も別にダイヤさんを疑いたいわけじゃない」
曜「……信じたいよ」ギュッ
曜「本当になにもないんだよね?」
曜「善子ちゃんはただ善意でダイヤさんを助けただけなんだね?」
ダイヤ「……はい」
曜「じゃぁ……私とえっち出来るよね?」
曜「善子ちゃんに」
曜「昨日はありがとうございましたってさ」
曜「電話しながら」 |c||;^.- ^|| この渡辺..強いですわ.. ダイヤ「そ、そんなはしたないこと!」
曜「はしたない?」
曜「ダイヤさんが我慢すれば良いだけなのに」
曜「それとも」
曜「善子ちゃんの声聞くと昨日のことを思い出す?」
曜「余計に気持ち良くなっちゃう?」
ダイヤ「そういう問題ではーー」
曜「そうかな?」
曜「善子ちゃんとなにもないならさ」
曜「善子ちゃんの声なんかどうでも良いよね」
曜「感じやすくなったりしないよね」
曜「だって善子ちゃんになにもされてないなら」
曜「気持ち良くなりたいって気持ちより」
曜「絶対に駄目だって気持ちが強いはずだから」 曜「体はね、覚えてるよ」
曜「善子ちゃんに気持ち良くされたいって思ったこと」
ダイヤ「そんなこと……」
曜「だからほら、電話しよう?」
ダイヤ「っ……」
曜「早く」
ダイヤ「よーー」
曜「早く!」ダンッ
ダイヤ「ひっ」ビクッ
曜「あ……ごめんね」
曜「でも、不安だから……嘘、つかれてないか」
曜「なのに躊躇われると……不安になるよ……」 ダイヤ「は、はい……」
ダイヤ(痛いくらいに心臓が高鳴る)
ダイヤ(出ないで欲しい)
ダイヤ(不幸で家に忘れていて欲しい)
ダイヤ(そう願いながら……)
サワッ
ダイヤ「っ」ビクッ
曜「コール続けて」
曜「出る前にイったら……終わりにしてあげる」
サワッ……
ダイヤ「っ……」
曜「渇いてる……流石だね……」
……チュッ
ダイヤ「んっ」
曜「んっ……っふ……」 プルルルル…ガチャ
善子『はいはいはい、誰?』
善子『って、ダイヤさんよね?』
善子『何かあった?』
ダイヤ「ぁ……」
曜「……」クイッ
ダイヤ「んっ!」ビクッ
善子『おーい』
ダイヤ「よ、善子さ……っ」
善子『なに? 家に忘れ物した?』
ダイヤ「い、いえ……そういーー」
スッ……
モニュ…
ダイヤ「わっけ……」ビクッ
クニュッ
ダイヤ「では…っ!」 善子『何してるの……?』
善子『なんか変じゃない?』
ダイヤ「い、いえっ!」
ダイヤ(善子さんに気づかれたくない恐怖がある)
ダイヤ(しかし同時に、傷付いた分だけ。という)
ダイヤ(善子さんの言葉が浮かび上がって……体が期待する)
ダイヤ(曜さんに無理矢理触られ)
ダイヤ(善子さんに電話させられ)
ダイヤ(いけないと……解っているのに)
チュクッ……
ダイヤ「んんっ!」ビクッ
ダイヤ(いやらしい音がして)
ダイヤ(心地よさが体に広がっていく)
ダイヤ「あっのっ……」ビクンッ
ダイヤ「よ、善子……さんっ」 ジュクッ…
ヌチュッ
ダイヤ「昨日は……あ、ありがっ」
クチュッ…
クイッ…ジュプッ
ダイヤ「っうんん!」ビクッ
ダイヤ「ごじゃ……ござひっ……」
ヌプ……
ズリッ
ダイヤ「ましぃっ!?」ビクビクンッ
善子『……何してるの?』
善子『誰がいんの?』
ダイヤ「ふーっ…ふー……」
ダイヤ「なんでも、ない……でふ……っ」 ダイヤ(あんなことを言われて)
ダイヤ(あんなことをされて)
ダイヤ(善子さんの声を体が覚えてしまったのに)
ダイヤ(我慢なんてーー)
善子『ねぇ、ダーー』
曜「堕天使臭いから、今掃除してるんだよ……」
ダイヤ「!」
曜「……嘘つき」ボソッ
ダイヤ「っ!」
曜「なに勝手なことしてんの!」
曜「堕天使なんかがさぁッ!」ギリッ
善子『いや、勝手したから堕天したわけだし』
善子『馬鹿なこと言う前にプール飛び込んで』
善子『頭冷やした方がいいんじゃないの?』 曜「はぁッ!?」ダンッ
曜「なにそれ……」
善子『ダイヤさんが好きならさ』
善子『普通こんな電話させないでしょ』
善子『確かに私とダイヤさんはシたわよ』
善子『助けてあげるんだからつまんだって良いじゃない』
善子『それを黙っててとも言った』
善子『だってそういうことしたって言いふらしくないでしょ』
曜「……っ」
善子『それを言わないから騙したとか裏切ったとか』
善子『それでダイヤさん傷物にするとか』
善子『曜さんさ……ダイヤさんを愛してるって胸張って言えんの?』 曜「そ、そんなの当たり前だよ!」
曜「だから心を鬼にしてダイヤさんをーー」
善子『じゃぁ、ダイヤさんを見なさいよ』
曜「は……?」
善子『曜さんのしてること』
善子『それが愛情たっぷりなら』
善子『賢いダイヤさんは自分が悪いことしたって思うはず』
善子『それなら、ダイヤさんは曜さんをまっすぐ見る』
善子『もしも違うなら、ダイヤさんは曜さんから目を反らす』
善子『自信あるなら、見なさいよ』
善子『ほら、早く!』 じ…じも┗|c||;^.-^||┓ ┗|c||^.-^;||┓ あい じも┏|c||;^.-^||┛┏|c||^.-^;||┛あい…。 曜「っ……」
ダイヤ「……」
曜「ダーー」クルッ
ダイヤ「っ」フイッ
曜「なっ……なんで!」
曜「私はダイヤさんを思って!」
ダイヤ「よ、曜さん……は」フルフル
曜「ぅ……」
曜「わ、私……違……」
曜「私は……だって……ダイヤさんを……」
ダイヤさん「曜……さん……?」
曜「そんな怯えた目で見ないでよ!」ガタッ
曜「私……ただ……」
ガチャ……タタタタタ…… ダイヤ「ぁ……」
善子『もしもーし』
ダイヤ「っ」カタッ
善子『もっ』
ダイヤ「善子さん!」
ダイヤ「善子さん善子さん善子さん……」ポロッ
ダイヤ「わたくし……っ」
善子『……なにされたのかは知らない』
善子『でも……解ってるから』
善子『まだ、声をあげる元気があって良かった』
ダイヤ「うぅ……」
ダイヤ「善子さん……」
善子『ルビィ達がいるから迎えにいけないけど、頑張れる?』
ダイヤ「は、はい……っ」
善子『じゃぁ、頑張って』
善子『そうしたら放課後……ご褒美あげるから』
ダイヤ「はいっ……頑張ります!」 善子『良い返事ね』
善子『頑張って……ダイヤ。それじゃーー』
ダイヤ「ま、待って……」
善子『ん?』
善子『なに?』
ダイヤ「あの……善子さんは……」
ダイヤ「善子さんは……わたくしのこと……」
善子『あぁ……』
善子『ふふっ……それが聞けたら頑張れる?』
ダイヤ「頑張れますわ……!」
善子『ならーーちゅっ』
ダイヤ「!」
善子『愛してるわ、ダイヤ』ブツッ
ツーッ……ツーッ……
ダイヤ「善子さん……」ギュッ
ダイヤ(そばにいなくても)
ダイヤ(善子さんの言葉の余韻が、心に寄り添ってくれる)
ダイヤ(それが、それだけが……救いだった) ダイヤ(曜さんにあんなことをされたこともあり)
ダイヤ(わたくしは午前の授業の一部を欠席して)
ダイヤ(後片付けなどを行った)
ダイヤ(靴箱に靴があるのに、遅刻)
ダイヤ(更にジャージを来ている)
ダイヤ(その異常さに、みんなが心配していた)
果南「本当に大丈夫?」
ダイヤ「ええ……なにも……」
果南「とても大丈夫そうには見えないんだけど」
果南「何かあるなら言いなよ?」
ダイヤ「お気持ちはありがたく思いますが」
ダイヤ「本当に大丈夫です」 果南「そうは言うけど……」
果南「最近様子がおかしい時あるし」
果南「今日なんてこれでさ……心配だよ」
ダイヤ「……すみません」
果南「なんで謝るの?」
果南「心配させてごめんねってやつ?」
果南「違う……違うよダイヤ」
果南「心配させられるのは別に良いんだよ」
ギュッ
ダイヤ「っ」
果南「ダイヤが好きなことしてるなら」
果南「でも」
果南「今のダイヤ……凄い疲れてるよね」 果南「ダイアさ、苛められてる?」
ダイヤ「そんな、こと……」
果南「……いつもと匂いが違う」ギュゥッ
果南「体温も平熱より少し高いよね」
果南「心臓もちょっと煩いよ」
果南「……怖いことでもあった?」
果南「私にしっぺ返しがあるかもって思ってる?」
果南「良いんだよ、そんなの」
果南「ダイヤを傷つけるようなやつなんて」
果南「海に沈めてやるから……」
果南「心配要らない」
果南「だからさ、教えてよ」
果南「誰がダイヤを苦しめてんの?」 ダイヤ「か、果南さん……」
果南「そう言えば、花丸ちゃんに呼び出されること多いよねぇ」
果南「あーでも」
果南「昨日……鞠莉がなぜかダイヤだけ呼……」ブツブツ
ダイヤ「果南さんっ」ギュッ
果南「っ」
ダイヤ「本当になんでもありませんの」
ダイヤ「花丸さんは相談事、鞠莉さんは仕事の手伝い」
ダイヤ「ただそれだけですから!」
ダイヤ「ですから……」
果南「あのさぁ……」
ガンッ
ダイヤ「っ」ビクッ
果南「嘘はさ……止めよ?」
果南「Aqoursメンバーだからとか」
果南「すっごくどうでも良い」
果南「ダイヤを傷付けるなら、そんなやつら要らない!」 >>160
屋上で7個のスイカ大のモノを並べて踊る闇っちー ダイヤ「果南さん、どうかっどうか冷静に」
ダイヤ「わたくしは本当に……」
ダイヤ「本当に大丈夫ですわ」
ダイヤ「むしろここで果南さんが事件を起こす方が」
ダイヤ「わたくしには……」フイッ
果南「……」
果南「はぁ……」
果南「……あー」ガシガシ
果南「あー……もう!」バンッ
ダイヤ「っ」ビクッ
果南「わかった、わかったよ」
果南「ダイヤがそこまで言うなら我慢するよ」
果南「我慢したら良いんでしょ!」
果南「でもさ、一応釘刺すよ?」スッ
果南「全員に」
果南「あんまりダイヤに迷惑かけるなって」 ダイヤ「それくらいなら……」
果南「でもさ、ダイヤも分かってね?」
果南「心配だし、嫌だからさ」
果南「何かあったら言ってよ」
果南「今日なんか靴あるのに来ないし」
果南「遅れて来たかと思えばジャージ」
果南「乱暴されたのかと思ったよ」ハァ
果南「それも違うんだよね?」
ダイヤ「ええ……」
果南「じゃぁ、はい」サッ
ダイヤ「……何か?」
果南「いやいや、分かるでしょ」
果南「パンツ」
果南「今履いてるやつ、貸して」
果南「確かめるから」
ダイヤ「……え?」 果南「ん?」
果南「なんで呆けてんの?」
果南「来たときに凄い感じたんだよね」
ジロッ
果南「……女の匂い」
ダイヤ「っ」ビクッ
果南「別に直に嗅いでも良いんだよ?」
果南「でも流石にダイヤも恥ずかしいだろうから」
果南「仕方がなくパンツの匂いを嗅ぐ程度にしようって妥協したんだよ?」
果南「なんにもなかった」
果南「なにもされなかった」
果南「なにもしなかった」
果南「疚しい理由ないならさ」
果南「ほら、早く」
ダイヤ「か、果南さんっ」
果南「言葉よりもパンツ出してって言ってるでしょ!」バンッ
ダイヤ「ひっ」 果南「なに……?」
果南「嘘ついたの?」
グイッ
果南「ねぇ、ダイーー」
ダイヤ「息抜き!」
果南「ぁ?」
ダイヤ「け、今朝……息抜きを……」
果南「息抜き?」
ダイヤ「っ……じ、自慰行為……ですわ……」フイッ
ダイヤ「ですから……どうか、見逃して下さいまし」
ダイヤ「匂いなんて……死にたくなりますから」
果南「……」
果南「そう」
果南「そっか……」
果南「ダイヤもそういう歳だし」
果南「その可能性もあったか」
果南「ごめんね、気づかなくて」ギュッ ダイヤ「いえ、初めから言わなかったから……」
ダイヤ「心配させた果南さんに隠すことではありませんでした」
ダイヤ(果南さんの激しい憎悪、怒り)
ダイヤ(それが段々と鎮火していく)
ダイヤ(それを感じながら)
ダイヤ(思わず安堵のため息をついてしまう)
ダイヤ(一歩間違えば殺人事件)
ダイヤ(善子さん……わたくしは……) ◇屋上◇
千歌「すみません」
千歌「こんなところに来て貰っちゃって」
ダイヤ「いえ……」
ダイヤ(放課後、果南さんの釘を受けて)
ダイヤ(千歌さんは今日の練習を無くし)
ダイヤ(その上で屋上に来てほしいと言う連絡をしてきて……)
千歌「体の方は平気ですか?」
ダイヤ「ええ、大丈夫ですわ」
ダイヤ「果南さんが少し大袈裟に言っただけですから」
千歌「あははっ」
千歌「果南ちゃん、ダイヤさんのこと好きだから」
千歌「きっと倍くらいに考えちゃったのかな」 ダイヤ「ふふっ、そうですわね」
千歌「もー果南ちゃんってば」
千歌「凄い心配しちゃったよ」
千歌「はぁ」
ダイヤ「すみません、わたくしのせいで」
千歌「ううん、全然」
千歌「元はと言えば花丸ちゃんが余計なことしたせいだから」
千歌「そこから鞠莉さん、梨子ちゃん、ルビィちゃん、善子ちゃん、曜ちゃん」
千歌「そして……果南ちゃん」
千歌「保ってきた均衡が崩れてこの有り様」
千歌「いやー参っちゃうなぁ……」ニシシ
ダイヤ「千歌さん……?」
千歌「せっかくスクールアイドルやって」
千歌「奇跡と輝きを見せて」
千歌「夢を叶えさせて」
千歌「好感度上げて……」
千歌「ぜーんぶだーいなーし」
千歌「……みんな死ねば良いのに」ボソッ ダイヤ「千歌さーー」
ドンッ
ーーガシャンッ
ダイヤ「っ……な、何を!」
千歌「何をって……わからないんですか?」
千歌「みんなダイヤさんが好きなんですよ」
ガシャンッ!
ガシャンッ!
ダイヤ「やめっ」
ダイヤ「フェンスが壊……っ」
千歌「だから、ダイヤさんが死ねばみんな死ぬ」
ガシャンッ!
ーーピシッ
千歌「ダイヤさんの居ない世界に価値はないんだから、当然ですよね」ニシシ ダイヤ「ち、千歌さんもでは……」
ダイヤ「千歌さんもそうなのでは……!」
ガシャンッ!
ピシピシッ…
ダイヤ「っ」
千歌「そうですよ。そうですけど」
千歌「欠けて汚れて傷付いたダイヤに価値なんて無いですよね」ニコッ
ダイヤ「なっ」
千歌「だから、たった一人にしかできない特別なことをするんですよ」
千歌「これ以上無いほど深い傷を!」
ガシャンッ!
千歌「刻み付けて!」
ガッシャンッ……ピシピシピシ…
千歌「ダイヤさんの心を私で満たすんですよ!」
ガシャンッ!
ビシッ
ダイヤ「っ!」ガクンッ
ーーガシャッ
千歌「私への深い憎悪……それはきっと」
千歌「愛よりも深く想い続けてくれるから!」
ガシャンッ!
バキッ…ピシッ…
千歌「それじゃぁ……ダイヤさん」
ダイヤ「ま、待って……」
ダイヤ「こんな」
ダイヤ「こんな死に方……っ!」
千歌「嫌だからこそするんですよ。ダーイヤさんっ」ニコッ ダイヤ「ちーー」
ガシャンッ
ドンッ
ダイヤ「あ」
バキパキ……
千歌「……大丈夫ですよ」
ダイヤ「助けーー」
ズルッーーガシッ
ダイヤ「ち、千歌さん……考えなおし……」
千歌「私も一緒に逝くので」
ガチャ……
善子「ダイヤ!」
ダイヤ「善子さーー」
千歌「アハハ! 堕天使は……羽なんて要らないでしょ?」ニコッ
善子「やめっ」
タンッーー
……ドシャッ 善子(ダイヤさんは即死だった)
善子(助かる余地もなかった)
善子(……そしてAqoursは解散)
善子(浦の星女学院は即時廃校となって)
善子(元Aqoursは私を残し)
善子(みんな廃校になった学院の校舎内で)
善子(自殺した)
善子(学院は今度……取り壊される)
END 出来上がった物↑
書きたかった物→花丸によるダイヤNTR 面白かったけどいきなり終わって笑う
花丸によるダイヤNTR楽しみにしてるわ >>195
ダイヤ自身がこうなるきっかけを作ってたら完璧だったな おいおいおい、完結したかと思いきやなんだこれw
花丸NTR楽しみにしてるよ。そのままこのスレ使っても良いし ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています