0003名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@無断転載は禁止
2017/06/16(金) 00:11:30.43ID:9kK68GB2絵里「い、いえ…」
雪穂「いらっしゃいませ」ペコ
絵里「こんにち…は」
パタパタ
穂乃果「アハハ…なんかすみません。慌ただしくて」
絵里(家族みんなでやってるお店って感じね。だから長続きするのかしら?)
雪穂「お茶です。どうぞ」コト
絵里「ありがとう。…いい香りね」
穂乃果「今日のは鹿児島の新茶ですよ♪」
絵里「鹿児島…そんなに遠くのお茶を取り寄せているの?」
穂乃果「新茶は南のほうから順番にできて、鹿児島が一番早いんです。甘みがあって渋味が少ないのが新茶の特徴で…飲むだけならいいけど、たとえばお菓子に使う抹茶が新茶でない物になると、それだけで味が変わっちゃうんですよ」
絵里「なるほどね…お菓子を作る上で材料の味の違いは重要ね」
穂乃果「はい。だから毎年できるだけ早めに新茶を確保します」
絵里「おいしい…熱さもちょうどいいわ」
穂乃果「ようかんはどうですか?」
絵里「あんこを寒天で固めた物が、こんなに美味しいなんて…」
穂乃果「材料の小豆や砂糖も、品種や産地などこだわって選んでますから。そのぶん、どうしてもお値段は高くなっちゃいますけど…ちょっと高級な贈答品として、ようかんは根強い人気があるんです」
絵里「和菓子ってすごいのね…これなら」
穂乃果「これなら?」
絵里「廃校を阻止できるかも!?」
穂乃果「え。…い、いやぁ…それはどうでしょう…」
絵里「高坂さん!」ギュ
穂乃果「は、はい?」
絵里「音ノ木坂の未来のために、あなたの…いえ、和菓子の力を貸してくれる!?」
雪穂「菓子だけに…」
穂乃果「かして?」
ガラッ
凛「ちょっと寒くないかにゃー?」ピシャ
絵里「こうしてはいられないわ…作戦を考えなくちゃ!」