そこで博士は乳がんに対する世界中の統計を調査。
そしてケニアの乳がん発生率の驚異的な少なさに気が付きます。
なんと1978年の統計ではケニアの乳がん発生率はアメリカの82分の1でした。
博士はその他の癌でも驚くべき事実を発見します。
1958年の日本全体において前立腺がんによる死亡者は18人だ。
日本全体でわずか18人だった。
この数値は博士の人生で最も驚かされた統計だった。
同じ年アメリカの人口は日本の2倍程度でしたが、
前立腺がんによる死亡者は14000人以上。
さらに1970年代初頭の中国農村部では、
心臓疾患のリスクがアメリカのわずか12分の1。
パプアニューギニアの高地ではほぼゼロでした。
これらの地域の共通点は明白です。
「肉や乳製品など欧米型食生活が存在しない」
さらに博士が注目したのはある古いデータです。
第二次大戦中ドイツがノルウェーを占領。
兵士の食料を確保するため真っ先に家畜を没収しました。
そのため現地民は菜食化したのです。
心臓疾患と脳卒中の死亡数はドイツに占領された1940年から1945年まで激減した。
薬でこれほど心血管疾患に効果が現れた例は一度もない。
バイパス手術やステント治療でも不可能だ。
1945年に終戦を迎えると肉や乳製品が再び消費され心臓発作も増加している。
これほどの教訓を得ながら我々は学ばなかった。
これらの実証を受け博士は推測を立てます。
それは動物性食品が重大疾患の原因というもの。