そろそろフランの散歩の時間だな
犬小屋に行くとフランはまだ小屋の奥で丸まって熟睡していた
仕方が無いので爆竹を放り込んでやる
『ウンビャビャビャビャぁやあああああああ!!!!!!!!』
「どうした奇声を発して!何かあったのか」
ひょっとしたらゴキブリが入り込んだのかも知れないと思い
慌ててバルサンをセットして犬小屋に放り込み、すぐにベニヤ板で入り口を密閉した
『う゛も゛ぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ・・・』
とくぐもった呻き声が聞こえてくる
これはひょっとしたらフランが悪霊に憑かれているのかもしれない
いやきっとそうに違いない
霊といえば火葬で成仏させるのが一番だろう
さっそくフランのいる犬小屋の屋根からガソリンをぶっかけ、火を点ける
『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁ』
悪霊が苦しんでいるようだ、頑張れフラン!
『あ゛あ゛あ゛熱いあづいあづいのぉぉぉだずげでなのぉぉぉぉぉぉ』
おのれ悪霊め、フランの声を真似て助けを請うとは卑怯千万な!
僕はまだ半分しか使っていないヘアスプレーを放り込んだ
すると凄まじい爆発と共に犬小屋は木っ端微塵になった
あれ?フランの姿がどこにも見えないぞ
黒焦げになった布や肉片や宝石の羽の破片が散らばっているのみだった
フランは何処いったのかな?一人で散歩に行ったのかな?
ならいつか帰ってくるだろう
僕は家に戻り昼食をとることにした