それから数日間は日課になっている瞑想を続けていたのだけど、
瞑想前の状態とまったく変化がないため、だんだんしなくなっていった。
というかもう必要ないもののように思えた。
神秘体験直後に感じた、ああ終わったのだ、ようやく終わったのだ、という感覚は、
覚醒者がよく言う、探求の終わりということなのだろうか。
瞑想を行なっていてついに自我が消滅したことで、もう瞑想する必要ない、という思いから、
終わったのだ、と思ったのか。
それとも、自我の消滅による悟りを開いたことで、輪廻転生を解脱したということで
転生が終わったと感じたのか。わからない。
だけど、その神秘体験から瞑想も精神世界の探求もやめてしまった。
というかそれまであった探究心が一切消えてしまったとうか。
なぜ無くなったのかわからない。なんかすべてのものに興味が薄れてしまった。
真理だけじゃなく、物質的な世界のことにも関心がなくなってしまった。
だから何も興味なくボーっとベッドに横になっていると、
まるで涅槃のような気持ちになってくる。