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#スガやめろ というハッシュタグはなぜトレンド入りしたのか
鳥海不二夫 | 東京大学大学院工学系研究科准教授

(略)
分布から見る歪み
 最後に今回のツイッターデモは自然なものだったのか,人工的なものだったのかをデータの歪みから見てみたいと思います.
 まず,リツイート回数の頻度を両対数グラフで示したグラフがこちらになります.

こちらを見ると,リツイートされた回数が低いエリアで直線的になっていないことが分かります.通常,リツイート数の分布というのは両対数グラフで直線に乗るべき分布になることが知られていますが,今回はそうなっていません.
 特に,3-5回,そして13回以上リツイートされたツイートの数がべき分布で予測されるよりも多いことが見て取れます.
 このことから,リツイートは意図的に増やされていたのではないかという疑いがあります.

 また,次にアカウントごとにリツイートした回数の分布をやはり両対数グラフで見てみましょう.

こちらは,先ほどのものと比べると直線的になっていますが,リツイート数11のアカウントと12のアカウントの間に不自然なジャンプがあります.ここからすぐに何かが言えるわけではありませんが,普段から見ているデータと比べるとやはり歪みがあるようで,意図的な動きがあるのではないかという疑いがもたれます.
 なお,この意図的な何かというのは,ボットであるという証拠というつもりはなく,不正な操作だというつもりもありません.
 ただ,自然発生的に生じた現象ではないだろうなということだけは言えるのではないかと思われます.

結論めいたもの
 今回の分析の結果,「#スガやめろ」というハッシュタグがトレンド入りしましたが,一部のアカウントによる積極的なツイートによるものであることが分かりました.
 もともとツイッター上の意見と世間一般の意見とは乖離があることは分かっていましたが,やはりトレンドに乗ればいいというものでもなさそうです.
 もちろん,トレンドに乗せることによって様々な人の目に意見が止まるようになりますので,ツイッターデモ自体には一定の効果があるものだと思います.ただ,単に「トレンドに乗ったから成功だ!」で終わってしまうと,本当に届けたい人たちに情報を届けることができていないかもしれません.
 ツイッターデモでも商品のプロモーションでも同じですが,どのように広がって誰に影響を与え,成功したのか失敗したのか,きちんとデータを分析して,正しく見極めることが重要ではないでしょうか.
(以上)

※長いので抜粋。全文はリンク先参照。
https://news.yahoo.co.jp/byline/toriumifujio/20200914-00198027/






(略)