熊本県の「球磨川」では、川の長さの半分にあたるおよそ60キロもの範囲で氾濫が相次ぎ、場所によっては半日近く氾濫が続いていたことが専門家の分析でわかりました。

河川氾濫のメカニズムに詳しい東京理科大学の二瓶泰雄教授は、球磨川沿いに設置された水位計のうち18か所のデータを使って水位の変化を分析しました。

それによりますと、球磨川の上流と中流では雨が強まった今月4日の未明から急激に水位が上昇し、午前4時前には「中流」で堤防を越え2時間後の午前6時ごろには「上流」でも堤防を越えて氾濫が発生しました。

その後も水位は上がり、午前7時すぎには分析した18か所のうちの14か所、距離にしておよそ60キロの範囲で氾濫が相次いだとみられます。

これは、全長110キロ余りある球磨川の半分の長さにあたり、分析した中では水位が最も高い場所では、堤防を5メートルも上回っていたうえ、氾濫していた時間は、最も長い場所で半日近い11時間半にわたっていました。

二瓶教授は「堤防を大きく越えて水があふれる状態が、広範囲で長時間続いていたため川沿いの地域では被害が大きくなった可能性がある」と指摘しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200723/k10012529231000.html?utm_int=news_contents_news-main_005