不法滞在の外国人男性に埼玉県知事が感謝状を渡したことで、行政庁が不法滞在者を容認しているという誤解を与える可能性等に関する質問主意書

第213回国会(常会)

質問主意書
質問第六八号

(略)

  令和六年三月十一日

浜田 聡


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

(略)

 令和六年一月二十二日、埼玉県の大野元裕知事は五回目の難民認定申請中のトルコ人男性(以下「トルコ人男性」という。)に対し、トルコ人男性が実質経営する解体工事会社が埼玉県シラコバト長寿社会福祉基金に百万円を寄附したとして感謝状を手渡した。同日の産経新聞の報道によると、「県福祉政策課は「ご本人が難民申請中で仮放免中なのは確認した。寄付は法人からのもので、ご本人は「会長」と名乗っているが法人の役員ではないことも確認している。感謝状は必ずしも法人の代表者が受け取るものではなく、贈呈式は本人から希望があったので行った」と話した。」とされている。

 この感謝状を受け取ったトルコ人男性は、クルド人として国内メディアに多数の出演歴のある人物と考えられる。同氏に関して私の方で把握している情報を以下羅列する。

・現在は五回目の難民申請中、すでに四回却下されている。

・トルコのパスポートを持っている。

・トルコと日本を何度か往復している。

・難民申請中であり日本で就労できないことになっている。

・解体工事会社の会長を名乗っている。

・自身所有と思われる高級外車複数やクルーザーなどをSNS上で紹介している。

 他方、令和五年六月九日、第二百十一回通常国会において「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律」(以下「改正入管法」という。)が成立し、同月十六日に公布されている。改正入管法は、難民認定手続中の外国人は、申請の回数や理由等を問わず、また、重大な罪を犯した者やテロリスト等であっても、退去させることができなかったことなど、退去を拒む外国人を強制的に退去させる妨げとなっている事情等を解決するため改正され、改正内容の一つには、三回目以降の難民認定申請者は難民認定手続中であっても退去させることを可能としている。令和三年四月二十一日の衆院法務委員会の参考人質疑では、観光、留学、技能実習などの正規のビザで入ってきた後に、本来の目的から外れた段階で難民申請をするケースや、また、中には不法滞在や犯罪で退去強制手続に入ってから難民申請するケースも多く、その中から真の難民を見出すのが困難な状況になっている等の問題も指摘されている。

 これらを踏まえて、以下質問する。

一 警察庁ウェブサイト「不法入国・不法滞在者対策」によると、難民認定申請者の中には、不法就労等の違法行為を行う者も少なくないとされている。難民認定申請者が関わっている事が明らかな法人等においては、不法就労等の違法行為がないか実態調査等をすべきと考えるが、現在の対応状況も含め、政府見解を伺う。

二 前述の不法滞在者へ都道府県知事などの行政府又は地方自治体の長が感謝状を出すことは当該行政庁が不法滞在者を容認しているという誤解を与えかねず、さらには当該行為によって、不法滞在を行う外国人が増える等の懸念も十分想定されるが、難民認定申請を繰り返しているトルコ人男性へ都道府県知事などの行政府又は地方自治体の長が感謝状を出すことによる国内外への影響についてどのように考えるか、政府見解如何。

三 当該トルコ人男性のような不法滞在者への指摘として、不法滞在者は住民税を納めていない、というものがある。この指摘は正しいか否か、政府見解如何。なお、不法滞在者一般の住民税納付状況についても答弁されたい。

四 当該トルコ人男性はこれまで複数回の難民申請を繰り返してその度に却下されている状況である。当該トルコ人男性は長年日本に滞在をしており、本人による日本滞在の願望は強いものと想定される。不法滞在外国人が、難民申請を繰り返す以外の方法で、日本に滞在できる手段・態様についてどのようなものが考えられるか、政府の見解を示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。

※答弁はリンク先で(PDF)

https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/213/meisai/m213068.htm