北海道警札幌厚別署は8日、札幌市厚別区の70歳代女性が、約1400万円をだまし取られる被害に遭ったと発表した。女性のマイナンバーカードの情報などを基に、女性名義のインターネットバンキングの口座を無断で作り、振り込ませたとみられる。同署は、新たな特殊詐欺の手口の可能性があるとして注意を呼びかけている。

 発表によると、女性の自宅に1月中旬、「総合通信局」の職員や警察官を名乗る人物から「口座の情報が流出している」などと電話があった。女性はスマートフォンの機種変更を指示され、スマホのビデオ通話機能で自分の顔やマイナンバーカードを相手側に示した。

 その後、相手は「あなたの口座が凍結される」などとして預金の移し替えを持ちかけ、振込先に女性名義のネットバンク口座を提示。女性は、口座が開設されたことを知らなかったが、不審に思わず2月28日、二つの金融機関の窓口から現金を振り込んだという。

 窓口の職員も詐欺と気付かず、同署は「振込先が本人名義の口座のため、不審に思わなかった可能性が高い」としている。

読売新聞
2024/03/10 13:42
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240310-OYT1T50036/