「領収書不要の内閣のヤミ金ではないか」

 13日の衆院予算委員会でこう声を荒げたのは、日本共産党の穀田恵二国対委員長(77)だった。

 穀田氏は、松野博一前官房長官(61)が昨年12月、自民党の裏金問題を理由に官房長官を事実上、更迭されるまでの約2週間に4660万円の内閣官房機密費(報償費)を支出していたことを報じた「しんぶん赤旗」の記事を取り上げ、事実関係や「何に支出したのか」を質問。ところが、答弁に立った村井英樹官房副長官(43)は、「内閣官房報償費は国の機密保持上、使途等を明らかにすることが適当でない」「個別具体的な使途に関するお尋ねにお答えは差し控えている」と繰り返すばかりだった。

 さらに立憲民主党の山岸一生議員(42)も松野氏の機密費支出について、「5000万円近くの支出は事実か」「(支出は)おかしいと思わないか」と追及。これに対し、林芳正官房長官(63)は「支出は事実」としつつも、「(松野氏)個人への支出ではない」「個別具体的な使途に関するお尋ねにお答えは差し控えている」と真正面から答えなかった。

■立憲の泉代表は松野氏の機密費支出を懸念していた

 SNS上でも、《なぜ、答えを差し控えるのだろうか》《これって、ほとんど公金泥棒ではないか》といった声が上がった松野氏の機密費支出問題。だが、この機密費“食い逃げ”を懸念していたのが立憲民主党の泉健太代表(49)だ。

 泉氏は昨年12月、松野氏が官房長官を退く見通しとなった際、自身のX(旧ツイッター)に《まさか、まさか、辞任の際に首相官邸の官房長官室の金庫から官房機密費を持ち出すことはしないだろうな!》と投稿。松野氏は当時、この泉氏の発信内容について会見で問われると、「個々の発信の一つ一つに政府の立場からコメントすることは差し控える」と言っていたわけだが、この時、まさに機密費に手を出していたことになる。

 松野氏は官房長官在任中、石川県の馳浩知事(62)が東京五輪の招致活動に機密費を使ったとの趣旨の発言を問われ、「内閣官房報償費は国の機密保持上、使途等を明らかにすることが適当でない性格の経費」とはぐらかし続けていた。

日刊ゲンダイ
2/13(火) 14:10配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/856054c5967a975d091ff8429f5daf67aa5d298b