「びっくりしましたね。調査にすらなってないです」

 7日朝に放送されたテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」。番組では自民党の派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、同党が5日から始めた党所属の全国会議員を対象にしたアンケート調査について報道。感想を求められた前明石市長の泉房穂氏(60)が呆れた様子で漏らしたのが、この言葉だった。

萩生田光一氏は“わきまえない男” 安倍派幹部「立件断念」報道で早くも裏金を演説ネタに

 泉氏は、そもそも政治資金収支報告書への不記載自体が「違法行為」と断じ、キックバックを受け取っていた議員らの収支報告書の訂正が相次いでいる事態について、「帳尻合わせ」と憤りをあらわにしていた。

 この日、泉氏だけでなく他のコメンテーターからも驚きの声が上がったのが、「訂正」したとされる収支報告書の中身についてだった。いずれの報告書も「日付」「金額」などが「不明」だったからだ。

いい加減な「訂正」で国民の政治不信は強まるばかり

とりわけ酷いのが、最大派閥「安倍派」(清和政策研究会)の「5人衆」の一人だった萩生田光一前政調会長(60)の収支報告書だ。

 萩生田氏は2018年から22年までの5年間で、不記載の裏金額が計2728万円に上ったことを公表。会見では、事務所スタッフにカネの管理を任せ、「毎年の政治資金収支報告書の提出前に、おおむねの報告を聞く程度で詳細まで把握をしていなかった」と釈明していた。

 その萩生田氏が代表を務める「自由民主党東京都第二十四選挙区支部」(22年分)の収支報告書を見ると、「収入総額」「前年からの繰越額」「支出総額」「翌年への繰越額」欄のすべて二重線が引かれており、いずれも「不明」となっている。

 企業会計に例えるなら、「売上高」や「支出額」はもちろん、「前年度繰越金」も「当年度の利益剰余金」もすべて「不明」ということになる。

《これで「訂正」と言えるのか。東京都選管はこれでOKなのか》

《あり得ない。社会常識から外れ過ぎている。許したらまずいでしょ》

 当然だろうが、番組放送直後から、SNS上ではこんな意見が飛び交った。

 萩生田氏は会見で、「派閥を含む政治団体のガバナンス不全が露呈したものであり、結果、国民の政治不信を招いたこと、政治に携わる者として強く反省している」と陳謝していたが、いい加減な「訂正」で国民の政治不信は強まるばかりだ。

日刊ゲンダイ
2/7(水) 13:50配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/c03fe56f9ac3c481969aa1977c1c077e22fba882