県立公園内の朝鮮人追悼碑、群馬県が撤去始める 知事「公益反する」 [群馬県]:朝日新聞
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高木智子 2024年1月29日 11時25分

 群馬県は29日午前、行政代執行法に基づき、県立公園「群馬の森」(高崎市)にある朝鮮人追悼碑の撤去工事を始めた。安全面への配慮から2月11日まで公園を全面的に閉鎖し、撤去を完了させる方針。

朝鮮人追悼碑、群馬県が29日から撤去 「加害の歴史消す行為」の声
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 県が撤去するのは「記憶 反省 そして友好」の追悼碑。市民団体「追悼碑を守る会」の前身団体が2004年4月、戦時中に軍需工場や鉱山などへ「労務動員」されて亡くなった朝鮮人を悼む目的で建立した。当時の県議会はその趣旨に全会一致で賛同し、県が設置場所を提供した。

 だが14年、設置条件に反する政治的な行事がされたとして、県は設置を「不許可」とした。守る会は不許可は違法だと提訴したが、「適法」とする高裁判決が22年に最高裁で確定。県は23年4月に撤去命令を出し、10月には年内に撤去しない場合は代執行すると「戒告」を通知した。守る会は応じず、代執行で撤去することになった。

 山本一太知事は25日の会見で、「碑を公園に置いておくことは公益に反するため、知事として決断した。ルール違反だから撤去を決めたわけで、碑を『反日』とも思っていない。撤去することと歴史認識をねじまげることは私の中ではつながらない」と説明している。

 守る会事務局長の藤井保仁さんは「県の代執行は、加害の歴史を消し去ろうとする行為を可視化し、助長するものだ。撤去されても、次世代に碑の精神をつなぐ運動を続ける」と話している。(高木智子)