この期に及んで、森喜朗元総理(86)は清和政策研究会(安倍派)のオーナー気取り。子飼いの萩生田光一前政調会長(60)をここぞとばかりに、派閥の新会長に猛プッシュしているのだという。そんな折も折、その萩生田氏に政治資金にまつわる新たな疑惑が持ち上がった――。

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 2022年5月、東京プリンスホテルのパーティー会場で清和会の面々は高揚感に包まれていた。壇上で、

「94人(現99人)を擁する党最大の政策集団として、党の柱石たらんとの自負と誇りのもと、岸田政権をあらゆる場面でしっかり支えていく」

 そう安倍元総理が会長としてあいさつ。それは清和会が最大派閥として栄華を極めた瞬間だったが、森元総理は同じ壇上でこう苦言を呈した。

「数を一番誇っちゃいけない。かつての自民党の派閥でも、100人近い数がそろった、あと何人で100人になるぞ、95超えるぞ、なんてやってた時が一番危ない。それで滅びたところがたくさんある」

 そして皮肉にも、森元総理の“御神託”通りに物事は進んでいる。清和会関係者が言う。

「派内の雰囲気は最悪です。特捜部の聴取で仲間を売っている奴がいるのではないかと、互いに疑心暗鬼になっています」

“萩生田の下でまとまれ”
 もはや瓦解寸前というのだ。無論、そうなったのも、恐慌状態にある派閥を指導すべき5人衆が全員特捜部の聴取対象となり、機能不全に陥っているからだ。となると、新指導体制の構築が急務のはずだが、

「森さんは“萩生田の下でまとまれ”と指示を発していますが、状況が見えていないと言わざるを得ません。中堅・若手からは“この際、5人衆にはお引き取り願いたい”という声が上がっています」(政治ジャーナリストの青山和弘氏)

 だがしかし、世代交代は容易ではない。清和会は故・福田赳夫元総理が興した派閥だ。その孫に当たる福田達夫衆議院議員(56)に“大政奉還”すべしとの声も一部の若手からは上がるが、

「待望論のある福田議員も森元総理に気兼ねして、新会長に萩生田氏を推す考え。中堅・若手の反発は予想されるものの、今のところは萩生田氏が最有力の会長候補とみるべきでしょう」(清和会関係者)

「収入と参加人数が合わない」
 もっとも、そんな萩生田氏には憂慮すべき事案がある。裏金問題に加えて、政治資金に関する別の疑惑が存在するのだ。

「はぎうだ光一後援会」は例年、J:COMホール八王子を借りて映画観賞会を開催。その映画観賞券を1枚千円で支援者に販売しているのだが、

「萩生田氏の資金管理団体『はぎうだ光一後援会』の収支報告書に記載されている、毎年200万円を超える観賞会の収入と実際の参加人数のあいだに相当の開きがあります」

 とは、政治資金問題に詳しいジャーナリスト。

「22年分の同会の収支報告書には201万4千円の収入が記載されていますが、それを観賞券代の千円で割れば、本来、映画観賞会には2014名が参加しているはず。しかし、萩生田氏のブログに掲載されている写真ではホールの客席はガラガラ。ホールの最大収容人数は2021名なので、参加者の人数が2千名に達していないのは明らかです」

不可解な点が
 続けてこう言う。

「実際の映画観賞会の参加人数と観賞会の収入が乖離しているのは、映画観賞券を一括して企業などに購入させているからでは。また、その利益は22年こそ28万2080円と些少ですが、コロナ禍以前に遡ると年100万円前後に膨れ上がります」

 先般、西村康稔前経産相(61)が経産省職員らを“サクラ”として参加させて、架空の政治資金パーティーを実施していたことが発覚。物議を醸したばかりだが、萩生田氏の「映画観賞会」も架空とは言わないまでも、不可解な部分があるというのだ。

 この点、自民党派閥の裏金問題を告発した神戸学院大学の上脇博之教授は、

「もしも、映画観賞券を企業が何枚もまとめて購入し、かつその映画観賞券を実際には使用する目的がなかったならば、実質的に政治資金規正法が禁じる政治家個人への企業献金に当たる恐れがあります」

実質的な企業献金? 
 以上の疑惑について、萩生田事務所に尋ねたところ、


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デイリー新潮
1/11(木) 6:06配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4498b7821c216a24c796834bfe7e837798b2be9