岸田文雄首相が当初、打ち出した「安倍派一掃」の方針に安倍派からは強い反発が噴出、それ以外の派閥からも異論が漏れてくる。自民党内では岸田政権の「終わり方」が語られ始めた。

 組織的な裏金作りを続けてきた疑惑を抱える安倍派の政務三役の交代方針を固めた首相に対し、同派から聞こえるのは不満ばかりだ。同派幹部は「衆院当選1期生まで交代というのは気の毒だ。彼らは全然関係ない。見せしめだ」と不満をぶちまける。別の幹部も「『説明しろ』と言われるが、調べる時間が必要で、来年1月ぐらいまでかかる。一人一人に事情を聴いて精査した上で交代させる人、させない人を決めるべきだ。首相は急ぎすぎだ」。若手は嘆く。「安倍派というだけで石を投げられるような状況だ」

 同派幹部も半ば公然と首相への不満を表明する。萩生田光一政調会長は11日、記者団に「出処進退は自分で決める」と明言。無派閥ベテランは「『やれるものならやってみろ。誰のおかげで総理になったんだ』ということだろう」と萩生田氏の心象風景を解説する。


朝日新聞
2023/12/12 19:08
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