岸田内閣の支持率低迷が深刻だ。20日に判明した世論調査分でも内閣支持率は毎日21%、読売24%、朝日25%。これで主要メディア8社の11月調査の支持率はすべて2割台となった。

 野党にすれば支持を広げる好機のはずだが、一向に上向かない。立憲民主党の政党支持率は毎日9%、読売・朝日5%とパッとしないままだ。

「時事通信の11月世論調査では消費税減税に賛成が6割。消費税減税を打ち出せば、“増税メガネ”など負担増のイメージが強い岸田政権との差別化が図れるのに立憲は後ろ向きです。これでは支持が広がらないでしょう」(立正大法制研究所特別研究員・浦野広明氏=税法)

 2021年衆院選と22年参院選で立憲は時限的に税率を5%に引き下げる消費税減税を公約に掲げた。ところが、10日に発表した次期衆院選の公約原案となる経済対策には一転、盛り込まれなかった。21、22年より、足元の物価高は深刻さが増している。それなのに消費税減税を公約から外すとはトンチンカンだ。

■GDP「弱い消費」鮮明も

 これには党内からも不満が噴出。14日に小沢一郎衆院議員の政策グループが開いた会合では「消費税率を維持するなら自民党と一緒になってしまう」との声が上がった。

 党内の批判を巡り、泉代表は17日の会見でこう答えた。

「今回(の経済対策)は消費がコロナ禍からずいぶんと回復してきた状況にある。もちろん、直近でGDP(国内総生産)がプラスやマイナスになるのはあるが、基調としてはコロナ禍で消費が急減したという状況ではなくなっている。今回は(消費税減税明記を)留保する」

 驚くべき認識だ。15日発表の7~9月の実質GDPは前期比0.5%減、年率換算2.1%減のマイナス成長となった。

「7~9月はコロナ5類移行後初の夏休みが含まれ、個人消費はプラスに転じるとみられていましたが、結果はマイナス。コロナ後の回復という“追い風”よりも、物価高や実質賃金の減少の“逆風”の方が強かったのです。そのことを示すGDP発表の2日後に、『消費はコロナ禍からずいぶん回復』とはよく言えたものです。野党第1党の党首が国民生活からかけ離れた認識では困ります」(浦野広明氏)

 消費税減税を旗印に野党が共闘すれば、与党には大きな脅威となる。しかし、消費税減税を強く訴える共産党の志位委員長まで17日の会見で「(消費税減税は)野党共闘の条件ではない」と立憲に配慮。野党が腰抜けでは、ジリ貧政権もしばらくは安泰だ。

日刊ゲンダイ
11/22(水) 14:10配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/24598dc89c33b68ec939686318e50f311a59eb23