【江戸幕府の北方防衛】プーチン大統領「アイヌはロシアの先住民族」 開拓の歴史を抹殺しているのは日本人 中村恵子 - 産経ニュース
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2023/11/23 10:00

 江戸幕府は、ロシアの脅威に応じて、蝦夷地(現北海道)や樺太、千島を、松前藩統治と幕府直轄統治で、わが領土として防衛、交渉してきた。同時に領土確定に必要な地図作製も幕府は怠っていない。

 1644年の「正保日本御絵図」には、松前藩が自国領とした蝦夷地・樺太・千島が含まれていることをすでに説明したが、1790年には最上徳内が、1802年には近藤重蔵が、蝦夷地・樺太・千島のより実態に近い日本図を作製した。

 さらに、幕府の命を受けた北方探検家、間宮林蔵は樺太が島であると確認し、伊能忠敬の蝦夷地未測量地を再測量した。忠敬の21年の「大日本輿地全図」完成に寄与している。

 このように、江戸幕府が懸命に守ってきた蝦夷地・樺太・千島のうち、すでに樺太・千島が奪われ、残る蝦夷地も「アイヌのもの」を理由に奪われる恐れが指摘されている。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2018年12月、モスクワで開かれた人権評議会で、アイヌを「ロシアの先住民族」に認定する考えを示した。これは日本の国会決議「アイヌ先住民族決議」を逆手にとった動きと見られ、警戒すべきだ。

 ロシアは昨年2月、「ロシア系住民の保護」などを口実に、ウクライナに軍事侵攻した。プーチン発言は、ロシアの北海道侵攻に利用されかねない。ロシアのオンラインメディア「レグナム通信」は同年4月、セルゲイ・ミロノフ下院副議長の「一部の専門家によると、ロシアは北海道にすべての権利を有している」との発言を報じている。

 今回の連載第1回で、私は北海道の歴史年表で、江戸時代の蝦夷地が「アイヌ時代」となっていることを指摘した。一部の教科書は「明治以後の開拓で、アイヌの文化、言葉を奪い差別してきた」という趣旨を広めている。

 北海道開拓記念館は、道立アイヌ民族文化研究センターと統合してアイヌ史観の北海道博物館に変更されている。そして今、開拓百年を記念し道民の浄財で建てた北海道百年記念塔も解体された。

 いずれも、高橋はるみ前知事(現自民党参院議員)時代に方針が出された。反対する道民の声に耳を傾けることなく、北海道知事、道庁、道議会自らが開拓の歴史を抹殺しようとしている。

 これでは、ロシアが「差別されているロシアの先住民族アイヌを救う」と北海道を侵略してきても、反論すらできない。恐ろしい事態が進行している。

 私は「江戸幕府の北方防衛」の事実を、国民共有の知識にしなければならないと強く感じている。北海道の歴史年表や教科書、副読本の間違いを修正し、北海道を奪取しようとする勢力の撃退の実現が急がれるのである。

=おわり

中村 恵子
なかむら・けいこ 札幌市生まれ。北海道大学大学院法学研究科修了。医療法人を経営する傍ら、長年にわたり一般社団法人、廃棄物資源循環学会(現在フェロー、元理事)に所属し、(略)

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