2025年の大阪・関西万博を主催する日本国際博覧会協会(万博協会)は、国や大阪府・市、経済界で同等に負担する万博の会場建設費1850億円について増額の検討に入った。協会幹部は28日、大阪市や経済界に、資材費や人件費の高騰などで今の建設費では余裕がない現状を説明した。実際に増やせば、2度目の上ぶれとなり、国や大阪府・市の負担も増えるため、批判が起きそうだ。

 建設費は、協会が発注する木造の大屋根や八つのテーマ館、催事場などの費用だ。国と大阪府・市、経済界で3等分して負担する。20年にすでに当初見込んだ1250億円から、約1・5倍の1850億円に増やした。その際、一定の余裕をみていたが、物価や人件費が上がり、暑さ対策や警備関係の設備など新たな費用がかさんでいる。

 複数の関係者によると、協会の石毛博行事務総長らが28日、大阪市や経済団体のトップらとそれぞれ面会。建設費について「色んなコストアップになってきているので非常に厳しい状況になっている」との見通しを伝えた。

 また、経済界は割り当てられている約617億円を企業の寄付で賄うが、計画より100億円以上多く集まる見通しだという。石毛氏らとの面会では多く集まった分を会場建設費に上乗せすることも協議されたという。財界関係者は、国と大阪府・市が、経済界の上乗せ分と同じ負担を認めれば、建設費は最大で2200億円まで増やすことができると説明する。費用は国も含めた3者で等分に負担することになっているため、増額には国との調整も必要となる。(諏訪和仁、菅原普)

朝日新聞
7/29(土) 5:00配信
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