ついに“お手上げ”か。

 岸田首相の最側近として政権を支える木原誠二官房副長官の妻が前夫・安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として警視庁から聴取されていたことを「週刊文春」が4週連続で報じている。

 種雄さんが亡くなってから12年後の2018年、警視庁捜査1課が再捜査を開始後、1年足らずで捜査中断に至った経緯について、27日発売の最新号では、当時の捜査官が実名で告発。木原氏本人や妻とのやりとりを含め、大量11ページにもわたり詳報している。

 告発の中身そのものは文春に譲るとして、一連の報道で政権中枢は“KO”寸前のようだ。木原氏は報道に対する正式見解を示すという名目で、28日に都内で会見をセッティングしたとの情報が一時駆け巡ったが、文春の最新記事が生々しすぎるため、「急きょ、会見をキャンセルした」(官邸事情通)ともいわれている。

「来年の総裁選には出ないかも…」

精神的にも相当、追い詰められているのだろう。先週末から今週にかけて、永田町で〈いよいよ精神的に参り始めた“渦中”の木原官房副長官……〉と題された「怪文書」が出回った。

 そこには、木原氏は文春の“ネタ元”をほぼ特定したが、相次ぐ報道を受け、精神的に参っており、〈とても首相側近として岸田首相を支える状況ではないようだ〉──と木原氏の憔悴ぶりが書かれている。

 さらに、同時期に飛び交い始めた岸田首相関連の怪文書もある。こちらは〈来年9月の自民党総裁選への不出馬を示唆した岸田首相 支持率続落で一転弱気に。伝家の宝刀も抜けず仕舞いか〉という衝撃的なタイトルだ。

 文書には、岸田首相が今月中旬、官邸内でごく少数の側近と打ち合わせし、その席で「(来年の)総裁選には出ないかもな……」とポツリとこぼしたと記されている。文書が伝えるには、“政権ブン投げ”とも取れる発言はあまりに衝撃的なため、箝口令まで敷かれたという。

 5月以降、岸田首相の長男・翔太郎氏による「公邸忘年会」や、マイナカードを巡るトラブルが続出し、内閣支持率は急落。さらに、最側近の木原氏を巡る“文春砲”が4週連発中だ。頭を悩ませた岸田首相が弱気になっていてもおかしくはない。

 怪文書には、首相周辺のコメントとして「(文春報道は)本当に痛い」「(9月の)内閣改造・党役員人事で木原氏を斬らざるを得ない状況だが、代わりになる最側近はいない」と記されている。

 突如、出回った怪文書の中身はむろん真偽不明だ。確かなのは、これ以上、木原氏を政権中枢に抱えていればダメージは避けられないことだ。岸田首相は9月中旬とみられる内閣改造・党役員人事で、木原氏のクビを切れるのか。

「岸田政権の重要政策は木原さんがほぼ差配している状態です。『陰の総理』とまで呼ばれる存在で、現在の官邸は木原さんなしでは回らないといわれている。そんな“参謀役”を切れるのか。クビにすれば仕切り役がいなくなり、岸田総理は大ダメージです」(官邸事情通=前出)

 留任させてもクビを切っても地獄ということか。“政権ブン投げ”発言をこぼしていたとしてもおかしくあるまい。

日刊ゲンダイ
7/27(木) 16:25
https://news.yahoo.co.jp/articles/bb5bba5dc1bdd64a41876932d1eccef78353fe50