入管難民法改正案が8日、参院法務委員会で可決された。難民申請中は送還が一律に停止される規定を見直し、3回目以降の申請者は送還できるようにすることが柱で、9日の参院本会議で成立する見通しとなった。

政府は、難民と認められず、日本から退去すべきだと確定した後も送還を拒む外国人が増え、申請を重ねることで退去を免れようとするケースもあると問題視。3回目以降の申請者は「相当の理由」が示されなければ送還できるようにした。立憲民主党などは「保護されるべき人を送還し、命が失われることになりかねない」と反対していた。

 改正案は、送還を妨げる行為などを対象に罰則付きの退去命令制度を創設し、自発的に帰国すれば再入国できない期間を5年から1年に短縮し、速やかな帰国を促す。

 送還まで原則、収容としてきた規定を改め、支援者ら「監理人」の監督下で生活できる「監理措置」を設け、収容せずに退去手続きを進める。紛争から逃れた人らを難民に準じて保護する「補完的保護対象者」制度も盛り込まれた。(久保田一道)

朝日新聞
2023/6/8 10:29
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