三重県松阪市で、マイナンバーカードを申請した男性に「別人の顔写真」が貼られたカードが交付されていたことがわかりました。

男性は市から「『余っていたものを適当に貼り付けた』と説明された」と話しています。

(70歳男性)
「初めは気付かなかった。まさかと思っていたので。(顔写真が)全然違うっていうことで」

こう話すのは三重県松阪市に住む70歳の男性。

男性は2023年2月に市内のマイナンバーカード申請用の窓口で、妻と一緒にカードの申請を行いました。

(70歳男性)
「だんだん申請が増えてきた。保険証とも、ひも付けられるというから」

写真は市から委託を受けた業者がその場でデジカメで撮影し、妻には2週間後、男性にはさらにその2週間後にマイナンバーカードが交付されました。

しかし、男性のカードは顔写真が別人のものでした。

男性が松阪市に説明を求めると、市の担当者は次のように話したといいます。

(70歳男性)
「僕の写真を『紛失した』と言った。だから『あったやつを適当に貼った』と言ったので、ちょっと僕もムッとした」

CBCテレビの取材に対し松阪市は、受付の際に男性のフルネームや生年月日など十分な本人確認を行わなかったと説明。

さらに、デジカメのSDカードの撮影データ自体が破損してしまったため、同じように夫婦で申請に来た別の男性と取り違えて、その人の顔写真を誤って使ってしまったと説明しました。

一方、「適当に貼った」と男性が訴えていることについては、「『適当に貼った』とは言っていない。ただ適当だと思われても仕方がないと男性には謝罪した」と話しました。

全国で相次ぐマイナンバーカードのトラブル、松阪市民は…。

(松阪市民)
「それは困るな」
「遠いところの話だと思っていたが(ミスがあったことは)不安だと思う」

松阪市は「今後は厳格な本人確認を行い、デジタルカメラのSDカードも老朽化などで破損しないよう再発防止に努めたい」とコメントしています。

この件については三重県の一見勝之知事も、1日の会見で松阪市の対応の甘さを指摘しました。

(三重県 一見勝之知事)
「松阪市の場合は再発防止でダブルチェックと言っているが、当たり前。初めからやらなければならなかった」

今回の松阪市のミスについて、三重県の一見知事は会見で「初めからダブルチェックすべきだった」と指摘。

その上で「マイナンバーカードのトラブルはほとんどがヒューマンエラーで、ミスのないようにすべきだ」と話しました。

三重県によりますと、マイナンバーカードを巡るトラブルは現時点では松阪市の事例以外には把握していないということです。

CBC NEWS
2023年6月1日(木) 20:33
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/516848