2023年5月2日 9時00分

世界では戦争や有事の危機、国内では政治家や著名人への襲撃事件が相次ぐ。不穏な空気が漂う中、自由にみること、きくこと、はなすことが遮られていないか。記者が各地を歩いた。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASR4X5VSSR4QPTIL01L.html

 関西地方の男性(29)は昨年12月、職場のテレビを見ていて、あるニュースが目に留まった。

 岸田政権が、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有を明記した安保関連3文書を閣議決定――。

 「また通ったんだ」

 男性は学生団体「SEALDs(シールズ)」の元メンバー。2015年、集団的自衛権行使を認める安全保障関連法案に反対する国会デモにも参加した。

 結局、安保法案は強行採決された。SEALDsは翌年、解散した。

 「敗北」。男性はあの時の経験を2文字で語る。いまは市民運動からは身を引いている。

「声を上げた自分は誇り。でも街頭にはもう立たない」
 「シールズは左翼!」「就活…