東京電力は、メルトダウンを起こした福島第一原子力発電所1号機の内部調査で、原子炉を支える円筒形の土台が、ほぼ全周にわたって壊れている状況が確認されたと原子力規制委員会に報告しました。東京電力は土台が原子炉を支えられなくなった場合でも外部への影響は限定的と考えられるとしていますが、規制委員会は、早期に対応方針を示すよう求めました。

東京電力が先月下旬に行った福島第一原発1号機の内部調査の映像では、原子炉を支えるペデスタルと呼ばれる鉄筋コンクリート製の円筒形の土台が、底から1メートルほどの高さまで壊れて鉄筋がむき出しになっている状況が、半周以上の範囲で確認されています。

14日開かれた原子力規制委員会の検討会で、東京電力は、映像を詳しく分析した結果、残り半分ほどの範囲でも同様に壊れている状況が確認されたと報告しました。

そのうえで、ペデスタルが原子炉を支えられなくなった場合でも、周りの構造物に抑えられて大きく倒れることはなく、外部への影響は限定的と考えられると説明しました。

これに対し、原子力規制庁の担当者は「影響が小さいとする根拠が明確ではない」などと指摘し、規制委員会は原子炉を支えられなくなった場合に備えて、放射性物質の外部への拡散を防ぐための対応方針を早急に示すよう求めました。

1号機の耐震性について、地元の福島県などからは懸念する声があがっていて、東京電力は改めて解析するとしています。

NHKニュース
2023年4月14日 19時22分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230414/k10014039011000.html