さすが“血筋自慢”“世襲自慢”をするだけのことはある。27日、衆院山口2区補選(4月23日投開票)に出馬する岸信千世氏(31)が開いた政治資金パーティーには、さすがに政界関係者も驚いている。

 補欠選挙は、体調を悪化させた岸信夫前防衛相(63)が辞職したために行われる。岸信夫氏の長男・信千世氏は、岸信介氏を曽祖父に持ち、伯父は安倍晋三氏という政治家ファミリーだが、まだ一度も議員バッジをつけたこともない新人が、これほどの豪華、金満、大規模なパーティーを開くのは前代未聞だ。

 パーティーが開かれたのは、永田町にある高級ホテル「ザ・キャピトルホテル東急」。マスコミはシャットアウトされた。食事もアルコールも出されず、出されたのはソフトドリンクだけだったが、会費は1人2万円。それでも会場は満員だった。出席者はざっと500人。1000万円近くの収入があったはずだ。

 ゲストも豪華。参加者によると、最初の挨拶は、安倍派の会長代理をつとめる塩谷元文科相。2人目は麻生副総裁、その後、松野官房長官、加藤厚労相、西村環境相……と現職大臣が続いた。

「実績ゼロの31歳の新人候補者が、地元ではなく、東京でパーティーを開くだけでも驚きです。しかも、会場は一流ホテルのキャピトル東急でしょう。やっていることは、ほとんど大臣クラスですよ。それもこれも父親と伯父の威光なのでしょうが、感覚が普通とは違う。ボンボン2世が出世する自民党を象徴しています」(自民党関係者)

 信千世氏は、ホームページに「家系図」を載せて炎上したあとも、「世間にはいろいろな声が聞こえますが、こうした声の一つ一つに惑わされず」と地元で決意表明するなど、あくまでも強気だ。

 27日のパーティーでも、「私は、伯父と父の背中を見て育った。それを生かしていきたいと考えています」と挨拶したという。

 選挙区では「まだ子供じゃないか」「地元に住んだこともないのに、ただ息子だからといって出すのか」という声もあるらしいが、それでも「世襲自慢」が成功して当選するのか。

日刊ゲンダイ
3/28(火) 13:40
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