超党派の日韓議員連盟次期会長に就任する自民党の菅義偉前首相は17日、来日中の韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と東京都内のホテルで約40分間会談した。16日の岸田文雄首相と尹氏の会談で日韓関係を強化する方針で一致したことを受け、菅氏はインバウンド(訪日客)を含む人的交流を「盛り上げていきたい」と伝えた。尹氏は「日韓関係にプラスになる」と応じた。

 会談には、同議連会長の額賀福志郎氏、前幹事長の河村建夫氏、副会長の小渕優子氏(いずれも自民)も同席した。議連側は「最大の懸案だった徴用工問題で一応の決着がついたのは、尹大統領と岸田首相のリーダーシップのおかげだ。私たちは高く評価している」と伝えた。

 額賀氏は、今春以降に実施される見通しとなっている東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に理解を求め、尹氏は「科学的、客観的な分析によって政府が責任を持って国民に説明できるようにすることが大切だ」などと答えた。

 菅氏は近く会長に就任し、訪韓する見通しだ。尹氏は会談で「いつでも執務室においでください」と歓迎する意向を示した。

 尹氏はこの日、政財界の関係者らでつくる日韓協力委員会の会長を務める自民の麻生太郎副総裁のほか、公明党の山口那津男代表、立憲民主党の泉健太代表らとも順次会談した。【花澤葵】

毎日新聞
2023/3/17 17:39
https://mainichi.jp/articles/20230317/k00/00m/030/195000c