放送法の政治的公平に関する行政文書を巡り、総務省と当時の高市総務大臣の間で認識の食い違いが明らかになりました。高市氏が存在しないと主張していた2015年の大臣レクについて総務省は13日、「あった可能性が高い」と認めました。

■高市氏 総務省と認識“食い違い”

 官僚からの大臣への説明。レクはあったのでしょうか、なかったのでしょうか。

 立憲民主党・福山哲郎議員:「高市元総務大臣が捏造(ねつぞう)と言われた4文書のうち、2月13日大臣レクの文書」

 総務省の行政文書に記録されている2015年2月13日、当時の高市総務大臣へのレク。

 経済安保担当・高市早苗大臣:「このようなレクを受けたはずもございません」

 高市大臣はレクが行われたとする文書は捏造だと主張しています。

 一方、総務省、およそ80枚の行政文書の中には正確性が確認できない部分もあるとしていますが…。

 立憲民主党・福山哲郎議員:「この大臣レクが実際にあったかどうか」

 総務省、情報流通行政局・小笠原陽一局長:「作成者によると、『約8年前でもあり記憶が定かではないが、日頃確実な仕事を心掛けているので、上司の関与を経てこのような文書が残っているのであれば同時期に放送法に関する大臣レクが行われたのではないかと認識している』ということでありました。2月13日に放送関係の大臣レクがあった可能性が高いと考えられます」

 捏造とする高市大臣とは認識が違うようです。

■「話をした事実ない」高市氏反論

 立憲民主党・福山哲郎議員:「そうしたらこの紙、捏造じゃないですね、高市大臣」
 経済安保担当・高市早苗大臣:「私が言うはずもないことがたくさん書かれています」

 文書では、高市大臣が「苦しくない答弁の形にするか、それとも民放相手に徹底抗戦するか」などと発言したとされています。

 経済安保担当・高市早苗大臣:「正確性について話をさせてください。私は恥ずかしながら報道番組、ニュース番組というのを見るのは、自分が朝食を取るとき、夕食を取るとき、その時間帯のものは見ていますが報道番組の見比べはしていません。『民放相手に徹底抗戦するか』と書いてありますけど、これもおかしゅうございます」

 委員長:「高市大臣、できるだけ簡潔に願います」

 経済安保担当・高市早苗大臣:「いや今まで今まで、この委員会は片道で委員会が長くならないように、私は言いたいことがあっても答弁を我慢してまいりました。この時期に放送法の解釈ですとか政治的公平について、私がお話をした事実が一切ないことを自信をもって申し上げます」

 立憲民主党・福山哲郎議員:「大臣の自信なんて聞いていません。人間の記憶があいまいだから、それぞれの官僚組織がどういうふうに意思決定をしていくかについて、ちゃんと細かく残しておかないと、あとの後輩や意思決定に関わるから公文書は載せているんです」

■岸田総理「総務省から説明を」

 当該の行政文書に記録されている総理補佐官の働き掛けが行われた後、安倍政権はそれまでになかった新たな放送法の解釈を示しています。

 岸田文雄総理大臣:「(文書の)中身については、今所管する総務省が精査中ということですので、総務省から説明しなければならない。政府としての考え方、これは(放送法の)解釈の変更ではなく、補充的な説明を行ったものである、こうした考え方を維持しているものである」

テレ朝news
2023/03/13 18:38
https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000291292.html
https://youtu.be/DEv5w7llu8Y