政府は28日、60年を超える原発の運転を可能にするため、五つの法改正案を束ね法案としてまとめた「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法案」を閣議決定し、国会に提出した。原子力基本法に運転期間の規制は「原子力の安定的な利用を図る観点から措置する」と明記。安全規制よりも利用を優先し、原発を長く運転しようとする姿勢が鮮明になった。

 今回の制度見直しに、原子力規制委員会の委員5人のうち石渡明委員は「安全側への改変とは言えない」と反対を表明。十分な説明がないまま、東京電力福島第1原発事故以来の政策転換に踏み出した。国民の原発への不信感は根強く、国会での法案審議を通じて、安全性への懸念を払拭できるかが問われる。

 改正案では、福島第1原発事故後に導入した「原則40年、最長60年」という運転期間の規定を、原子炉等規制法から電気事業法に移す。規定の大枠は維持し、規制委の審査対応などで停止した期間を計算から除外できるようにする。

共同通信
19時02分
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