岸田文雄首相(65)が2023年度から5年間の防衛費総額を「43兆円規模」とするよう鈴木俊一財務相(69)らに指示したことを受け、6日、自民党の萩生田光一政調会長(59)が「全てを税で賄う、あるいは来年から増税が始まるかのような間違ったメッセージを統一地方選前に出すのは大きなマイナスだ」などと発言した。これに対し、SNSなどで《国民をバカにしているのか》と言った声が広がっている。

 萩生田氏の発言は「増税論を強くけん制した」とも報じられ、拙速な議論に慎重姿勢を示したかのような扱いだったのだが、果たしてそうなのか。すでに来年度から「5年間で43兆円規模」という数字は示されているわけで、当然、財源確保の議論も同時並行で進める必要があるだろう。政府、与党内からは「増税論」が出ているのだから、本来であれば「統一地方選前に出すのはマイナス」と言うのではなく、防衛費のための「増税の是非」を選挙で問うのが筋だ。与党政調会長として、増税するのか、しないかについて、選挙前にうやむやな姿勢でいる方がよっぽど無責任ではないか。

 このため、ネット上では、《統一地方選前の増税話はダメだが、選挙後ならいいのか。こうなると、選挙に勝ったらまた何でもありになるな》、《統一地方選後まで財源を議論しないのか?そんな余裕があるなら、なんで今、総額43兆円なんて決めたの》、《本当は増税を打ち出したいけれど、それじゃあ選挙に勝てないから黙っておこうというわけね》などと、萩生田氏の発言について怒りや疑問の投稿が目立つ。

 国民生活への影響よりも、とにかく選挙に勝つことしか考えていないーーと受け取られても仕方がない。

日刊ゲンダイ
12/6(火) 15:25
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