山際大志郎経済再生担当相が24日に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題で辞任する意向を示したことを受け、山際氏が所管する日本学術会議(梶田隆章会長)では衝撃が広がった。学術会議の設置形態について今夏に山際氏から政府方針が示される予定だったが、旧統一教会の問題の影響で滞り、学術会議はこの日、月内に予定していた総会を12月に延期したばかりだった。

 この日は定例の幹事会が開かれ、「総会は政府方針に対する考え方を議論する大切な機会だが、示されないため議論が困難な状況にある」として総会の延期を決定。その終了直後に山際氏辞任のニュースが駆け巡った。梶田会長は取材に「コメントはない」とだけ述べた。ある幹部は「完全に政治に振り回されてしまっている」と漏らした。

 学術会議を巡っては、菅義偉前首相が2020年、会員候補6人の任命を拒否。自民党はこれを機に、組織形態や会員の選考方法を見直すよう提言した。小林鷹之・前科学技術担当相の下で大筋の方針は固まっていたが、今年8月に山際氏に担当が交代して以降、棚上げになっていた。学術会議は今月21日、早期に政府方針を公表するよう求める文書を山際氏宛てに出していた。【池田知広】

毎日新聞
2022/10/24 19:53
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