衆院予算委員会は24日午前、岸田文雄首相と関係閣僚が出席し、集中審議を行った。首相は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への宗教法人法に基づく初の質問権行使に当たり、被害者らから直接話を聞く考えを表明した。解散命令請求の要件に関し、政府が確認した民法の法令違反計22件では不十分との見解も示した。

 立憲民主党の長妻昭政調会長への答弁。首相は質問権行使の過程で「被害者、弁護士、関係団体の方々の話を聞くことは重要だ」と述べた。

 22件の内訳は、民法の不法行為責任が認められた事案2件、指揮・監督する人物の責任を問う使用者責任が認められた事案20件。首相は「過去に解散を命令した事例と比較して十分に解散事由として認められるものではない。報告徴収・質問権を行使することでより事実を積み上げることが必要だ」と強調した。
 首相は、これまでに解散命令が行われたオウム真理教など2団体の例は、いずれも刑法違反だと指摘。訴訟外の案件についても情報収集に努める考えを示した。
 自民党の一部議員が旧統一教会の友好団体と事実上の「政策協定」を結んでいたことに関し、首相は「各議員が説明すべきことであり、未来に向けて関係を断つことを徹底することが党として重要だ」と述べ、追加調査に否定的な考えを示した。立民の後藤祐一氏への答弁。
 2019年に旧統一教会の韓鶴子総裁との写真撮影に応じたと認めている山際大志郎経済再生担当相は「明確にその場面を思い浮かべられることはない」と述べた。山際氏の更迭を求められた首相は「説明責任をさらに果たしてもらわなければならない」と語った。

時事通信
2022年10月24日12時28分
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