テレビ朝日社員で情報番組コメンテーターの玉川徹氏が先月28日の情報番組で、安倍晋三元首相の国葬の際に菅義偉(よしひで)前首相が読み上げた弔辞について「(広告大手の)電通が入ってます」とコメントし、翌日に事実ではなかったと謝罪した問題で、同社の篠塚浩社長は4日の定例会見で、玉川氏を同日付で謹慎処分(出勤停止10日間)にしたと発表した。また、番組責任者の報道局情報番組センター長と、番組担当チーフプロデューサーの2人をけん責処分とした。

玉川氏は自身がコメンテーターを務める先月28日の「羽鳥慎一モーニングショー」で、友人代表として菅前首相が読んだ弔辞について「当然これ、電通が入ってますからね」と発言。翌29日の番組で玉川氏は「この発言は事実ではありませんでした。さらに、電通は全く関わっていないことがわかりました。訂正して謝罪します」と陳謝した。

この発言について、篠塚社長は「番組で事実に基づかない発言があったことは誠に遺憾。ご迷惑をおかけした関係者、視聴者の皆さまに改めておわび申し上げます」と謝罪。篠塚社長は「本人によると、国葬のさまざまな情報を入手して調べ、(その中で)誤解や事実誤認をしてしまった、と。本人は深く反省しております」と説明した。謹慎後は同番組に復帰する予定だという。

このほか、玉川氏は先月28日の番組で「僕は演出側の人間ですからね、テレビのディレクターもやってきましたから。(弔辞が多くの人の心に響いた理由について)それはそういう風に作りますよ。政治的意図はにおわないように、制作者としては考えますよ」などと発言していた。篠塚社長はこの発言について「今回は電通に関する事実誤認の発言をしたことへの処分となります」と述べるにとどめた。

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