国葬が終わっても、支持率の急落した岸田政権が窮地にあることに変わりはない。自民党内からは「もはや政権末期のような状態だ」との声も噴出しているが、当の岸田総理のみならず、その側近たちも「腑抜け状態」で、なんらの策も打ち出せずにいるという。【岸田総理が「機能停止」…!? 支持率戻らず「腑抜け状態」で側近たちもサジを投げた】につづいて、その驚愕の内幕をお伝えしよう。

官邸官僚は機能停止

岸田官邸のガタガタぶりが露呈する事件が、立て続けに起きた。ひとつは、他ならぬ安倍の国葬の準備である。当初、元警察庁長官の官房副長官・栗生俊一が国葬儀事務局を仕切る予定だったが、栗生は逃げ回った。

「栗生さんは『安倍さんが亡くなったのは警察の失態なのに、(警察出身の)自分が前に出るわけにはいかない』と、森(昌文)総理補佐官に丸投げしていなくなってしまったんです。

結局、森さんが仕切ることになったわけですが、彼は事務が苦手で、案の定失敗だらけ。参列者の集合時間を朝の9時にしようとして『開始は14時だぞ、何時間待たせる気だ!』と総理を激怒させたり、安倍さんの遺族や事務所の意向を聞いたにもかかわらず、安倍さんと親しかった人には招待状を出さず、逆に安倍ぎらいの人に出したり」(官邸スタッフ)

そしてもうひとつが、岸田が前述の国連総会の演説で目玉にしようと考えていた、税制改正の仕込みが失敗したことだ。自民党税調にかかわる幹部議員が明かす。

「開成の仲間」も役に立たず

「岸田総理が打ち出したNISA(少額投資非課税制度)の恒久化について、8月末に総理、鈴木俊一財務大臣と木原副長官、金融庁の中島淳一長官らがオンライン会議したのですが、そこで金融庁から『システムの構築が間に合わない』と報告があった。

それを聞いた総理が『ええっ!』と言って絶句し、『来月には国連総会で発表するんだ。何がなんでも間に合わせてもらわないと困る。しっかり……準備してもらいたい!』と一同を叱咤する場面がありました。

NISAの恒久化は、'24年1月から実施するスケジュールで、総理がずっと前から木原さんに指示していた。それなのに金融庁が各金融機関へのヒアリングを進めていなかったというのですから、これは木原さんの大失態です」

官邸の要・筆頭首相秘書官として収拾に動かねばならないはずの、岸田と同じ開成高校OB・嶋田隆も、完全に機能停止状態だという。前出と別の官邸スタッフが言う。

「人脈も見識も乏しい岸田さんを本来は嶋田さんがカバーしなければならないのに、嶋田さんは『ザ・官僚』の超縦割り主義者で、自分の責任の範囲内でしか動かない。

筆頭秘書官というのは、永田町からも霞が関からも恨まれながら、飴と鞭を使い分けて調整するのが役目です。小泉純一郎政権では飯島勲さんが、安倍政権では今井尚哉さんがそれをやったからこそ、長期政権が実現した。でも嶋田さんにはとうてい務まりません」

2に続く

現代ビジネス
2022.10.03
https://gendai.media/articles/-/100503