やっぱり中止した方がよかったんじゃないか。国民の過半数が反対する中、27日強行された安倍元首相の国葬。テレビでは滞りなく執り行われたように中継されたが、実際は超グダグダだった。あまりにストレスフルな内容に、参列者からは“奇声”や“怒号”交じりのクレームが飛び交った。会場となった東京・千代田区の日本武道館で取材した日刊ゲンダイ記者が内幕をリポートする。

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「ヘイ、ちょっといいかい。会場内のどこかでコーヒーやお茶を飲める場所はないのかな?」

 午後2時の式典開始前、記者に流暢な英語でこう問いかけてきたのは、海外からの参列客だ。実はこの日は、飲料を会場に持ち込むことを禁じられていた(軽食は可)。参列客に用意されたのは、ミネラルウオーターのミニペットボトル1本と、会場内の各所に設置されたウオーターサーバーのみ。式典を含む滞在時間は数時間に及ぶ長丁場だったにもかかわらず、「水」以外飲むことが許されない状況だったのだ。

 冒頭の参列客はどうしても水以外が飲みたかったのだろう、記者が「水しか飲めませんよ」と伝えると、怒りや困惑、失望が入り交じった複雑な表情を浮かべ、「ファ~~~~ッ!?」と“奇声”を上げたのだった。

 水しか飲めないこともさることながら、よりストレスフルだったのが、十数分に及んだ岸田首相の追悼の辞だ。「安倍さん」「あなたは」と語りかけるような口調だったが、いつものように特段の中身はナシ。あまりにつまらなかったのか、居眠りする霞が関官僚もチラホラ。官僚たちはこの日、開始時刻3時間前の午前11時に会場入りし、狭い客席に座り続けていた。退屈な話を聞かされて“寝落ち”してしまうのも仕方ないのかもしれない。

元議員は「いつまで待たせるんだ!」とブチ切れ

何より参列者をイラつかせた原因は、段取りが悪く、進行が遅れに遅れたことだ。午後3時前に菅前首相が友人代表として弔辞を述べた後、米国のハリス副大統領、インドのモディ首相ら海外要人が花を手向けた。ところが、献花を終わらせた参列客の会場外への退出が進まない。献花台の脇から外に続く狭い通路に参列客が集中し、立ち往生。どうやら、出入り口に迎えの車が殺到し、退出がスムーズにいかなかったようだ。会場内では「ただいま、乗車に時間がかかっております」というアナウンスが繰り返されていた。

 その結果、献花に想定以上の時間がかかり、しびれを切らした日本の政界関係者からは“怒号”まで飛んだ。

「なかなか献花できない状況に、ある元議員は『いつまで待たせるつもりだ。早く献花させろ!』とブチ切れていました。進行に時間がかかり過ぎて飽きてしまったのか、大声で話す元議員も多かった。長時間待たされ、ウンザリした表情を浮かべる海外参列客もいました」(ある参列者)

 結局、国葬が終了したのは、予定時刻を1時間以上オーバーした午後6時過ぎ。1時間程度で式典を終えた英国のエリザベス女王の国葬が国際社会から称賛されたのとは大違いだ。こんなグダグダな国葬に16.6億円もの税金をつぎ込むなんて……。日本の国際的な評価はどうなるのか。

日刊ゲンダイ
9/28(水) 13:30配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/1c1a4022ce7215fbb1f364a911640a9ebb6ddcf5