安倍晋三元首相の27日の国葬では、第2次安倍政権で、7年8カ月にわたり官房長官を務めた菅義偉前首相が、友人代表として追悼の辞を読んだ。「あなたは、日本にとっての真のリーダーでした」とたたえ、安倍氏の死を悼んだ。

 安倍氏との出会いのきっかけは対北朝鮮政策だったといい、2012年に自民党総裁選への再出馬をためらう安倍氏を「銀座の焼き鳥屋」で3時間にわたり説得したと回顧。安倍氏が立候補を決断したことを「私は、生涯最大の達成として、いつまでも誇らしく思うであろう」と述べた。

 「あなたの判断はいつも正しかった」と政治手腕への賛辞を贈ったうえで、「覚悟と決断の毎日が続く中でも常に笑顔を絶やさず、いつも周りの人たちに優しさを降り注いだ」と声を詰まらせた。

 「かたりあひて 尽しゝ人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ」

 追悼の辞の最後には、安倍氏の国会内の事務所の机に読みかけで置かれていた本に書かれていた、明治時代の首相、山県有朋が盟友の伊藤博文の死を悼んだ歌を「私自身の思いをよく詠んだ一首」と紹介した。

https://mainichi.jp/articles/20220927/k00/00m/040/244000c