自民党所属国会議員と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点に関する調査結果が8日に発表されて以降、新たな関係が判明したとして追加の報告や修正をする議員が相次いでいる。党執行部は結果の再公表は予定していないが、今後も追加報告が続けば説明責任を求める声が高まるのは必至で、対応に苦慮している。

 同党の茂木敏充幹事長は8日の記者会見で、党所属議員379人中179人が教団と何らかの接点があったと明らかにし、関係の濃淡に応じて121人の氏名を公表した。

 山本朋広元副防衛相は当初、教団関連団体の会合に出席したと報告していたが、教団の韓鶴子(ハンハクチャ)総裁も出席した旧統一教会主催の会合だったとの指摘を受け、9日に内容を修正した。毎日新聞の取材に「改めて確認し、旧統一教会主催の会合であったことが判明した」と説明。「旧統一教会に限らず、国民から疑念を抱かれるような個人や団体とはいかなる場合でも今後お付き合いすることがないよう自分を律する」と回答した。

 木原誠二官房副長官は12日に、関連団体が主催したパネルディスカッションに参加していたとの外部の指摘を受け、「記憶が呼び起こされた」などとして党への追加報告を発表。今村雅弘元復興相は関連団体が開催した会合で複数回あいさつしていたとして、9日に報告を修正したと明らかにした。

 関係者によると、これらの他にも報道機関からの指摘を受けて追加報告、修正したケースがあるとみられ、党本部には今も報告が続いているという。中堅議員は「きりがない」と嘆き、ある議員秘書は「最初の報告に疑いの目が向けられ、虚偽報告ではないかとの問い合わせが相次いでいる。迷惑だ」と憤った。立憲民主党の泉健太代表は16日の記者会見で「やはり自民党の個々の自主点検では弱いということだ」と批判した。

 追加分を含めた報告結果を再公表すべきだとの声は自民党内にもあるが、党幹部は「取り扱いの難しい問題だ。『追加調査』と受け取られれば、最初の調査の信ぴょう性が揺らいでしまう」。別の幹部は「これからも、いろいろと新しい話が出てくるだろう。この問題はまだしばらく収まらないだろう」と悲観的な見方を示した。【東久保逸夫、畠山嵩】

毎日新聞
2022/9/16 20:09
https://mainichi.jp/articles/20220916/k00/00m/010/254000c