安倍晋三元首相が奈良市内で演説中に銃で撃たれ殺害された事件をめぐり、近鉄大和西大寺駅前の現場を跡地として形に残すことに反対する意見が増えていることが7日、わかった。事件は8日で発生から2カ月。奈良市は、跡地のあり方について複数案の作成を進めており、今月中にも方向性を示すとしている。

奈良市、今月中にも方向性

 仲川げん市長はこれまでの朝日新聞の取材に、「歴史的な事件が起きた場所として記録することは必要だと思う」と述べ、外部の専門家らを交えて検討する方針を示していた。

 8月上旬に開かれた市議会建設企業委員会での報告では、跡地の記録について市に寄せられた意見は、賛成が10件、反対が13件だった。市西大寺駅周辺整備事務所によると、その後も寄せられる意見は増え、今月6日までに賛成15件、反対40件となっている。

 現場付近は事件前から市が整備を進めており、今年度末に完成する予定だ。仲川市長は8月末の定例会見で、市が確保できる場所や国内外の参考例を調査しており、「複数パターンを考えている」と説明。近日中にも案をそろえ、外部の専門家に意見を聴くという。

 現時点では、8日開会の市議会9月定例会で審議が予定されている議案などに、関連する内容は含まれていない。(富岡万葉)

朝日新聞
2022/9/8 11:09
https://www.asahi.com/sp/articles/ASQ976V91Q96POMB00M.html