「国葬を民主主義の葬式にするな」国会前で4000人抗議集会 岸田首相は実施の構えを崩さず
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2022年8月31日 19時30分

安倍晋三元首相の国葬に反対する大規模な集会が31日夜に国会前で開かれ、約4000人(主催者発表)が参加した。午前中には岸田文雄首相が記者会見し「国民の理解を得ながら執り行っていきたい」と国葬を実施する意向をあらためて示した。参加者からは「国葬を民主主義の葬式にしてはいけない」「閣議で何でも決めるな」などと批判の声が上がった。(デジタル編集部・大平樹、谷岡聖史、瀧田健司、三輪喜人)

集会は市民団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が呼び掛けた。国会前広場周辺は、「国葬反対」などと書かれたプラカードを掲げる人たちであふれかえった。
 安倍氏の国葬を巡っては、憲法学者らから実施の法的根拠に疑義が出ている。政府は26日の閣議で、国葬に予備費から約2億5000万円の支出を決めた。会場周辺の警備費用や国内外の要人接遇費などは含まれておらず、さらに膨らむ見通しだ。

岸田首相は午前11時から首相官邸で会見。国葬について本紙は、夜に国会前で集会が開かれることを指摘しながら「反対の声を聞いた上で、見直す考えはないか」と問うた。岸田首相は国会の閉会中審査に出席する考えを表明し「国民に弔意を強制するものではないが、説明が不十分との批判を受けている。真摯に受け止め、正面から答える責任がある」と述べた。