おかしな言い方になるかもしれない。しかし、昨年の衆院選で落選して良かった、と感じている。人口減少や、都市と地方の格差についても頭ではわかっているつもりだった。しかし、やはりこれまでは大阪の都市型の議員だった。参院選で全国を回ったことで、そのことが身体(からだ)でよくわかった。反省している。

今は野党に限らず、政党の立ち位置が難しい時代だ。日本維新の会も伸び悩んでいる。参政党のような政党も出てきた。自民党も「新しい資本主義」などと言っている。

 ロシアのウクライナ侵攻もあり、日本だけではなく世界的に混迷の時代に入っている。大きな課題の一つは気候変動だ。産業政策、経済政策、ライフスタイルもこれまでのままでいいのか。そう考えながら全国行脚をした。次第に自分を見つめ直すお遍路のようになってきた。日本が相当、傷んでいることがわかってきた。

 四国で若い男性の漁師に会った。道の駅で休憩していたら、自分がとったものだと言ってカワハギの天ぷらを持ってきた。漁業だけでは食べていけないので、週末にキッチンカーで魚料理を売っている。しかし、コロナ禍でイベントがなくなって売れなくなり、燃料費が高くなって漁にも出られない。だから若い漁師はどんどんやめていく。この国は漁業を捨てるのか、と言っていた。

 京都では、街頭でビラを配っていると若い女性が待っていて、3年ごとに契約を切られる。3年ごとにハラハラしながら生きている。不安で、どう生きていけばいいかわからない。辻元さんにそのことを知ってほしいと思って待っていたと言う。年齢を聞くと25歳だと言う。

https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20220826/pol/00m/010/006000c