9月27日に実施予定の安倍晋三元首相の国葬中止を求める抗議活動が17日夜、東京・新宿駅地下通路で実施された。「国葬反対」などと書かれたプラカードを手に集まった参加者たちが、通行人に対し国葬の問題点などを訴えかけた。(大平樹)

抗議活動は、改憲などに反対してきた市民団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が呼びかけた。会場には100人ほどが集まり、賛同した団体のメンバーたちが次々にマイクを握った。
 自由法曹団の永田亮弁護士(38)は「国葬に反対する人が増えている中で強行すれば、国民の分断を招く」と指摘。同実行委共同代表の高田健さん(77)も「世論調査などでも国論は二分している。市民は怒っているという事実を示さなければいけない」と訴えた。
 ネット上での告知を見て訪れた東京都福生市の自営業男性(54)は「国葬なんて憲法違反だと思う。国会の議論にもかけずに、政府が好き勝手にやろうとしていることは許せない」と話した。新宿駅では16日にも1000人超の抗議集会があったばかり。杉並区の主婦(64)は「自民党政権への賛否にかかわらず、国葬への反対は盛り上がっていると感じる。9月27日の実施を止めたい」と語った。
 参加者たちは「国家による慰霊追悼を許さない」「国葬反対 世論聞け」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げて立ち、改憲反対の署名活動にも取り組んだ。通りがかりの男性が参加者たちに向かって「国葬賛成!」と怒鳴って足早に立ち去る一幕もあった。
東京都内で計画されている主な国葬反対集会・デモ
8月19日午後6時半 永田町の衆院第二議員会館前
  31日午後6時  国会正門前
9月 1日午後6時  有楽町イトシア前
  19日午後1時半 代々木公園

東京新聞
2022年8月17日 19時35分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/196535