このままウヤムヤにする気か──。旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)を巡って、共同通信が全国会議員(712人)に実施したアンケートで、「関係がある」と答えた議員が106人、うち82人が自民党議員だったが、見過ごせないのは、岸田首相や麻生副総裁ら一部の幹部が調査に「無回答」だったこと。他の閣僚もマトモに説明する気がないようで、SNSでは「フザケルナ」と炎上している。

 ◇  ◇  ◇

 共同通信は先月27日に各国会議員事務所に質問状を配布し、メールアドレスが判明している事務所にはメールも送信。今月5日の回答期限まで1週間以上あったにもかかわらず、答えないなどあり得ないことだ。特に岸田氏は改造人事の際に、「(教団との)関係を点検し、見直すことを厳命し、それを了承した者のみを(閣僚に)任命した」と言っていた。自ら率先して回答してしかるべきだろう。

 さらに許しがたいのは、10日の内閣改造直後に教団との関係を認めた7閣僚が、共同通信のアンケートには「分からない」「答えられない」などと、事実関係を曖昧にしていたことだ。加藤勝信厚労相と山際大志郎経済再生相はアンケートに「分からない、答えられない」と回答していたのに、10日になって関連団体との接点を認めたのだ。他の5閣僚もアンケートでは教団との関係を明らかにしていなかった。

加藤厚労相はNHK討論番組で論点ずらしの“ご飯論法”

加藤氏、山際氏の2人は、14日のNHK「日曜討論」でもナメた態度を見せていた。

 山際氏は、司会者に「教団や関連団体との関係は何が問題なのか」と問われたのに、「問題があるといわれている団体との付き合いは避けなくてはいけない」「これから先はお付き合いしないことをお示しするのが大切だ」と正面から答えなかった。

「統一教会の関連団体に会費を払っていた。教団の活動にお墨付きを与えたのでは」と聞かれた加藤氏に至っては、あろうことかキレ気味に苦笑いを浮かべ、「関連団体の会費ではなく、関連団体が主催する懇親会にたまたまご案内いただいたので、懇親会費を払った」と論点ずらしの“ご飯論法”である。さすがにSNSでは〈悪知恵が半端ない〉〈それこそ『会費』ですけど〉と批判が噴出している。

 国民の大半が自民党議員と旧統一教会の関係について不信感を抱いているのに、岸田首相本人は無回答で閣僚もハッキリと答えないなど、あまりにも不遜だ。政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。

「統一教会と自民党の癒着問題は、岸田首相が公安に『関係がある議員名簿を出せ』と指示すれば、解明できるはずです。それをしないばかりか、通信社の調査にすら回答しないのは、後ろめたいことがあるからではないか。ちょうど岸田首相は地元・広島の教団幹部と並ぶ写真がSNSに上がり、問題視されています。下手に追及されたくないから、後ろ向きなのではないかと勘繰ってしまいます。いずれにせよ、加藤、山際両氏の発言からも分かるように、自民党は『もう教団とは付き合わないんだからいいでしょ』と軽く考えているとしか思えません」

 岸田首相は14日、夫人と共に都内のゴルフレッスンスタジオを訪問。約1時間半も練習で汗を流したというが、スイングチェックの前にやることがあるはずだ。

日刊ゲンダイ
8/15(月) 13:30
https://news.yahoo.co.jp/articles/c6c9f8141a7b6c79b3f8948524caf8daa8a8ec24