山下氏は「中国軍が台湾東部に上陸するためには、台湾と与那国島の間を通る可能性が高い。地対艦ミサイルの射程などを考えれば、中国は石垣島より西側の島々から妨害行動を受けることを想定し、戦域として考えているでしょう」と語る。「中国の立場では、日本が尖閣諸島を不法占拠していることになります。当然、尖閣も戦域に含まれます」

中国が日本領土を攻撃した場合は「武力攻撃事態」になり、自衛隊は防衛出動する。北大西洋条約機構(NATO)と異なり、米軍は自動参戦しないため、日本政府は日米安保条約の発動を米国に求めることになる。山下氏は「米大統領が発動を決め、議会が承認するまで、どのくらいの時間がかかるかどうか、わかりません」と語る。もし、ロシアによるウクライナ侵攻などが激化していれば、米軍が「二正面作戦」を嫌う可能性も否定できない。

また、中国軍と交戦状態に入った台湾軍の航空機や艦船が日本に退避してくる可能性もある。中国の立場では台湾は自国の一部だから、当然引き渡しを求めてくるだろう。山下氏は「中国軍が日本に退避した台湾軍の航空機や艦船を攻撃する可能性もあります。そうなれば、やはり武力攻撃事態になります」と語る。台湾が日本の参戦を求め、あえてこうした行動に出る可能性もある。

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