街頭演説中の安倍晋三元総理が銃撃されて死亡したのは7月8日のこと。そして14日、岸田文雄首相は記者会見で、安倍元総理の「国葬」を執り行うと表明した。

「卓越したリーダーシップと実行力をもって総理大臣の重責を担った」

「国葬を営むことで、わが国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜く決意を示したい」

という「理由」が語られたが、これに反発する声が高まっている。

「まず『暴力に屈しないということと、安倍元総理を称賛することは、まったく別次元』という声が党内にもあります。そもそも今回の事件は、背景が明らかになるにつれ、いわゆる”民主主義の危機”という問題とは遠いのではないかと言われています」(全国紙政治記者)

SNSでは「#国葬反対」がトレンドワードになる一方、小池百合子都知事などは、早々と「賛成」の意を表明している。

「国葬」実施について、松野博一官房長官は会見で、次のように説明している。

「安倍政権は憲政史上最長政権を担い、海外からも多くの弔意が届いている。海外要人の参列や閣議決定の時期など、ご遺族をはじめ、関係者と相談の上、調整していきたい」

日程や開催場所、規模も調整中としたが、首相官邸高官によると「9月に日本武道館」という方向で進んでいるという。

しかし、「国葬」という岸田政権の決定は「”安倍元総理の死”の政治利用ではないか」という疑問が、自民党内部からも呈されている。

◆自民党幹部が「違和感」を告白

直近の「国葬」は、昭和天皇のとき。これまで、総理経験者の死去にともなう葬儀は、「内閣と自民党の合同葬」という形で執り行われてきた。最近では、20年の中曽根康弘元首相の例がある。ある自民党幹部は、苦々しさを隠さずこう言った。

「戦後唯一、吉田茂元総理の国葬は1967年、宗教色を一切排除して執り行われた。第二次大戦によって焦土と化した日本の独立と復興に寄与した総理大臣として、当時の佐藤栄作内閣が決定しました。

その佐藤総理は、非核三原則を唱え、ノーベル平和賞受賞、沖縄返還を成し遂げ、2798日に及ぶ長期政権を担ったが、死去の際は国葬ではなく国民葬だった。

岸田総理周辺は『安倍さんは死後、大勲位を授与されている』と言うが、同じように大勲位を授与された中曽根元首相の場合、これも国葬ではなく合同葬だった。国民に説明がつかない。つじつまが、合いません」

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7/19(火) 11:00
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