岸田文雄首相は3日の参院予算委員会で、安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会にサントリーホールディングスが酒類を無償提供していたことを巡り、当時、同社の不利益になりかねない酒税法改正が先送りになったことと関連があるのではとの指摘に対し「税制改正は1人の人間が判断するのではなく、議論の積み重ねの結果だ」と否定した。共産党の山添拓氏への答弁。
 与党は2014年末に取りまとめた税制改正大綱でビールと発泡酒、第3のビールで異なる酒税を一本化する方向性を打ち出した。しかし、政府・与党は16年末、段階的に税率の縮小を行い、26年まで一本化を先送りすると決めた。
 山添氏は、サントリーは16年から4年間、夕食会に酒類提供していたと指摘。「第3のビールの比率が多いサントリーは税制改正が(予定通り)進めば大打撃で、酒類提供はまさにこの時期に行われていた」として「先送りのお礼との疑惑が持たれている」と追及した。
 首相は時期が一致していることは認めたが「推測に基づいて申し上げることはあってはならない」とした。疑惑については「関係者が説明すべきものだ」と強調した。(山口哲人)

東京新聞
2022年6月3日 21時01分
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