ネット上で大きな盛り上がりを見せている「橋下徹氏と上海電力」を巡る問題ですが、大手メディアにしか触れていない層にはほとんど認知されていないのが現状のようです。そんな事案を取り上げているのは、元国税調査官で作家の大村大次郎さん。大村さんは自身のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』で今回、橋下氏が「法的に問題ない」とするこの案件の概略を紹介するとともに、そもそも何が問題視されるのかを詳しく解説した上で、橋下氏に対して「果たすべき義務」を突きつけています。

橋下氏の“上海電力問題”とは?

最近、ツィッターなどでは「橋下 上海電力」という関連ワードがよく出てきます。橋下氏のツイッターにも「上海電力の説明をしろ」というようなレスが数多くついています。

今回はこの問題について取り上げたいと思います。

この問題は、ジャーナリストの有本香氏の記事が発端となっているのですが、ざっくり言えば次のようなことです。

橋下氏が大阪市長時代の2014年に、大阪の南港咲洲(さきしま)に、メガソーラー発電所を建設したのですが、そのメガソーラー発電所を運営しているのが上海電力という中国の企業だったのです。

そして、上海電力がこの事業を受注した経緯にも疑問があるのです。当初、この事業は日本の中小企業2社がつくった合同企業が落札受注し、その後、この合同企業に上海電力が出資し、事実上、上海電力が運営するということになったのです。この経緯について、橋下氏は「法的に問題ない」と述べていますが、これは法の抜け穴をついたようなものであり、道義的な問題は残るはずです。そして、何より、日本のインフラの中枢部分を、簡単に外国企業に委ねるということに対して、重大な安全保障上の懸念があるはずです。

このソーラー発電所の事業というのは、日本の電力会社に電気を買い取ってもらうことで、成り立っています。そしてその電気を買い取る資金は、我々の電気料金から出されているのです。

再生可能エネルギー賦課金として、私たちの電気代に上乗せされています。現在の再生可能エネルギー賦課金は、1KWHあたり3.5円前後です。一般家庭の平均的な毎月の電力消費量は300KWHなので、1,000円前後がこの再生可能賦課金に取られているのです。年間で1万円程度になります。それが全家庭から取られているのです。莫大なお金です。ざっくり言うと、この莫大なお金が上海電力に流れてるのです。

なぜ海外企業にインフラの根幹を委ねるのが危険なのか

外国企業にインフラの根幹を委ねる危険性

筆者は、外国の企業を公共事業からすべて締め出せなどというつもりはありません。が、エネルギーという国の根幹であり、国民の生活に直結する事業に関して、外国企業に委ねるということは、大きな懸念があるはずです。

特に中国との関係は昨今は微妙です。また中国は2010年に日本との関係が悪化したときに、レアアースの輸出を規制するというような国際貿易のルールに反する行為を行ったこともあります。レアアースというのは、スカンジウムなどの非常に希少な素材であり、スマートフォン、電気自動車に欠かせないものです。当時、中国が世界産出量の9割を占めているとされ、中国がこれを規制すれば日本経済は大きな打撃を受けるものでした。日本は、ほかの国から輸入ルートを開拓するなどしてダメージを回避し、WHOも中国の行為をルール違反だとしたために、中国も現在では輸出規制を解除しています。その中国に、大規模な電力事業を委ねるということは、非常に危険なことだと言えます。

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