政府は8日の閣議で、人を侮辱した行為に適用される侮辱罪に懲役刑を導入し、法定刑の上限を引き上げるほか、「懲役」と「禁錮」を一本化した「拘禁刑」を創設するとした刑法などの改正案を決定しました。

改正案ではSNS上のひぼう中傷対策を強化するため、公然と人を侮辱した行為に適用される侮辱罪に懲役刑を導入し、法定刑の上限を「1年以下の懲役・禁錮」と「30万円以下の罰金」に引き上げるとしています。

また身柄の拘束を伴う刑のうち、刑務作業が義務づけられている「懲役」と、義務づけられていない「禁錮」を一本化した「拘禁刑」の創設も盛り込まれ、明治40年の刑法の制定以来、初めて刑の種類の見直しが行われることになります。

「拘禁刑」では、受刑者の特性に応じて、刑務作業のほか、再犯防止に向けた指導や教育プログラムなどを実施できるとしています。

このほか、再犯防止の観点から裁判所が個別の事案に応じた処分を出せるよう、保護観察中に再び罪を犯した場合でも執行猶予を付けることができるようにするほか、被害者の心情を伝えて反省を促す制度を整備するとしています。

政府は今の国会で刑法などの改正案の成立を目指す方針です。

NHKニュース
2022年3月8日 11時07分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220308/k10013519691000.html