「AERAdot.で『大阪のコロナ宿泊療養者から苦情続出の貧相な食事 ホテル側が“中抜き”認める』(2月24日配信)と報じられて以降、中抜き問題が議論されています。全国どの県でも、『中抜きではないか』と食事に関する苦情が多く寄せられている。特に全国で療養ホテルに指定されているアパ系列のホテルに苦情が相次いでいる」(内閣府関係者)

 大阪府で療養ホテルに指定されている41の施設のうち9つの施設を提供しているアパホテルグループ。その中の2つの系列ホテルで1月〜2月、昼食にカレーが出され、苦情があったという。その当時、アパホテルで療養していたCさんはこう語る。

「ごく普通のカレーにサラダが少しでした。3口くらいでギブアップ。のどが痛くてそれ以上は無理でした。午後、ホテルのロビーに降りた時、別の療養者と話す機会があった。カレーはひどいと言うと『あのカレーはアパホテル名物の社長カレーではないか。食べたことがあるが、味が似ている』と話題になった」

 国から地方へ支給されるコロナ宿泊療養者の食事代は1食1500円算定で、使わなかった分は精算する仕組になっている。しかし、大阪府は独自の経済的試算で1食につき900円、一日2700円の食事代とし、差額は返却するとしている。

 アパホテルグループのホームページを見ると、「アパ社長カレー」というレトルトカレーが1個390円で販売されている。サラダがついても、一食900円は高すぎるのではないか。AERAdot.が入手したアパホテルが都内の療養者へ配った献立表(昨年4月)には「アパ社長カレー」と明記されていた。

またアパホテルの元谷芙美子社長が療養者へ宛てたメッセージにも<本日のランチメニューとして、私が自信を持ってお奨めするアパ社長カレーをご用意いたしましたので、ご賞味くださいませ。>と記されていた。

アパホテル広報はAERAdot.の取材に対し、こう回答した。

「ご指摘のあった2つの宿泊療養ホテルのうち1つでカレーが出されていたことが調査でわかりました。1月は19日と28日、2月は3日、11日、18日の合計5回、いずれも昼食です。療養者に提供するお弁当は外部業者に委託をしておりますが、第6波になって以前に比べ症状の軽い療養者が多い。カレーを喜んでいただけると取引業者が判断し、メニュー変更となり、当方も問題ないだろうとカレーを提供いたしました。カレーはアパ社長カレーではなく、外部業者が調理したものです。現在はカレーの提供はしておりません」

 大阪府の基準1食900円に食費が達しない疑惑もある。アパホテルは次のように回答した。

「一部の宿泊療養ホテルで外部業者に委託をしておりますが、具体的な金額は差し控えますが、ホテルによっては多少、必要経費を差し引かせていただいている場合もございます。必要経費内容はお弁当の発注業務、届いた弁当の数量・内容のチェック、弁当の設置業務等です。現在は大阪府からの指示を受け、必要経費はいただいておりません」

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AERA
2022/03/05 13:56
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